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準備万端で楽々異世界生活(仮)  作者: メイシン
第1章 世界会議編
24/93

24話.呼び出されたフーヴォ

シュワシュワするスープって食べたことあります?

家では夏の定番料理の一つです。



24話.呼び出されたフーヴォ



*****~*****~*****~*****



「「みゃう♪みゃうっ♪みゃう♪みゃうっ♪」」


 穏やかな風が吹く、トレーラーハウスのそばで、ヤンとランが仲良くボールを転がしながら、追いかけっこしている。時折、立体空中移動をしながらドリブルしてる。何気にハイスペック。ヤンさんランさん、空飛べたの?

 エンはウッドデッキでビーチパラソルの下、静かに真面目な顔をして本を読んでいる。しかし読んでる本は『ドキ♪ドキ♪マジカル★ステッキ ~追放悪役令嬢はお花畑ヒロインをざまぁする~』という訳が分からん本だ。

 魔法少女?ざまぁ系??たまに顔が「にへらっ」と変わると思ったら、憤怒の顔になったり、悪魔のような笑顔を見せたり。。見てても結構飽きない。

 王都にいる際は、あんまり表情を変えなかったエンが、ここまで素直に感情を表してるのを見ると、やっぱり拠点に戻ってきて正解だったなと思う。


そして俺はというと、デッキチェアに座り、テーブルの前の鏡に向かってナイフで髭を剃っていた。


「やっぱり、こちらの世界の髭の剃り方は怖くて無理!」


 何事もチャレンジと思ってトライしてみたけど、慣れてないから余計に手元が震えてしまって、上手く剃れない。


「アボ様?言って頂けたら、お手伝いいたしますよ?」


「そだね、ナイフで剃るのは諦めた。Tバーかシェーバー以外の時は、エンに頼むことにするよ。」


 拠点以外だと目立つから素直にエンに頼もう。


「ホーーゥホーホー(ここまで精巧な鏡がある時点で目立つからのう)」


 そうなんだよね。こっちの世界じゃ金属を磨いた鏡が主流みたいで、100均で売ってる鏡でさえも、オーバースペックだ。

 ナイフでの髭剃りを諦め、Tバーで剃ってしまう。電気シェーバーより剃った肌がツルツルで気持ちいい。濡らしたタオルで顔を拭うと、洗面器に入った水でTバーを濯ぎ、ストレージにしまう。うん、すっきりした。


 ヤンとランが刃物をしまった俺を確認して、ボールをこっちに投げてきた。意外と剛速球。体が小さいからこのゴムボール、ヤン達と同じくらいの大きさなんだけど。不思議に感じる。何とか受け止め、遠くに投げると喜んで追いかけていく。


「「みゃ!」」


 今度はエンに構ってもらいたくて、本を読んで下を向いてるところをお構いなしでゴムボールが飛んできた。


「……」


 流石エン。見向きもしないで、片手で受け止め、手首のスナップだげで俺より遠くに投げ返した。エンさん別格!

 今度は俺の方に。投げ返すとき、カーブを掛けてみた。意外と曲がった、うれしい。ヤンとランも動体視力がハンパないのか、変化球の球筋を見事にとらえ、お口でキャッチ。

 変化球の球筋が面白かったのか、キャッチしたあとボールを2匹で確かめ合いながら話してる。変化球が投げたいのか?


 ちょっとイタズラで、ボールの代わりに水風船を投げると、お口でキャッチした瞬間に爆ぜた。


「「みゃーー♪」」


 楽しかったみたいで何より。でもエンになげたらダメだよ?本を読んでるからね。




 しばらくヤンとランと一緒に遊んだ後、昼ごはんの準備に掛かる。


「お昼はサッパリした物にする?」


 日差しも強くなって暑さもあるから、サッパリ系にしようかな。ストレージから出しても良いけど、ヤンとランが手伝いしたそうに、目をキラキラさせて見つめてくるので一緒に作ることにした。


「じゃあ、ヤンとランも手伝える料理にしようか。」


少し悩むが野菜を刻む系の料理なら手伝ってもらえそうかな?暑い季節にピッタリで簡単なヤツで良いか。ロシア料理のアクローシュカにしよう。ピロシキも作ってみるかな?


「じゃあ、まずはジャガイモを茹でて、ゆで卵も作っちゃおう。茹でてる間にヤンとランは野菜を切るのをお願いしようかな。」


刻む食材はハムとラディッシュ、玉ねぎ、キュウリにゆで卵。


「四角く、切ってね。このくらい細かめに。」


 手本を見せながら、ヤンとランに切ってもらう。相変わらずの切れ味。あっという間に切り終わった。あとは茹で上がったら、じゃがいもとゆで卵もお願い。


 その間にピロシキの方も同時進行で。って言ってもあとは食べる直前にクワスと混ぜるだけだけど。


 強力粉で生地を作ろう。ボウルに溶き卵、牛乳を入れて水も加えてドライイーストや塩砂糖を混ぜ合わせ、5分おく。強力粉を加えて混ぜ、溶かしバターを加えて10分ほどよく練る。ここはエンさんにお任せ。


 混ぜ終わったら一次発酵。小一時間くらいかな?もちろん時空間魔法であっという間に発酵させちゃう。

 次はピロシキの具だ。ヤンとランに来てもらい、玉ねぎ・にんじんはみじん切り、春雨はやわらかくもどしてみじん切りにしてもらう。

 その間にフライパンでひき肉を炒め、みじん切りにしたものを次々に投入してもらいながら炒め続ける。良い感じになったら水と春雨とコンソメを投入。

 しばらく煮て、塩コショウで味を調整しながら、片栗粉でとろみをつけ、冷まして味を染み込ませる。


 発酵させた生地を8等分して具材を均等に包み、30分くらい二次発酵させる。ここでも時空間魔法が炸裂(笑)

 二次発酵が終わったら160℃の揚げ油で4~5分じっくりと揚げたら出来上がり。


 ウッドデッキのテーブルに料理を並べて、アクローシュカの仕上げを。

 クワスを加え、スプーン一杯のスメタナと辛口マスタードでアクセント。


「それではいただきます」


 揚げたてのピロシキが熱い!!火傷した(泣)フーヴォも含め、賢獣は平気で食べてる。なんかズルい。


「ホーーー!ホーーーー!(この冷たいスープ!シュワシュワするぞ!)」


「「みゃー!みゃーー!(ほんとー!おもしろーい!)」」


「暑い季節には最適ですね。」


 気に入ってもらえたようで何より。でもヤンとラン、クワスも一応アルコールだけど大丈夫なのかな?




*****~*****~*****~*****




 相変わらず、うるさいフーヴォとの昼食も終わり、まったりとしていると、何やらフーヴォの様子がオカシイ。


「どうした?」


「ホーーーウ、ホーーーゥ(呼び出し信号じゃ危機信号では無い様じゃが緊急のようじゃ)」


 少し、思案するように黙り込むフーヴォ。


「黙って王国から出てきちゃってるからじゃないの?」


「ホーーーー…(それはいつものことなんじゃが…)」


「何かあったから呼び出されたんだろうし、戻るしかないんじゃない?」


「ホーーーゥホーーホーー(仕方がないのぉ。果樹園に何かあったのやも知れんし。一度帰るか。)」



 とても名残惜しそうに、羽ばたき、王都に帰ろうとして…、障壁にぶつかり墜落したフーヴォであった。







空間魔法で特定のものだけ透過させたりって出来るのかな?フィルターみたいな役割が出来れば問題解決なんだけど。。。

ご都合主義で解決させちゃうかな?



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