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準備万端で楽々異世界生活(仮)  作者: メイシン
第1章 世界会議編
17/93

17話.王国ギルド本部での申し開き

分かりやすい「ざまぁ」が書けない…涙


17話.王国ギルド本部での申し開き



*****~*****~*****~*****



 無為と思われる時間もあったような気もするが、それを含めても、あっという間に王国に着いたアボ達と使節団一行。

 一行は、ギルド本部にそのまま乗り込み「緊急動議」を掛け、無駄に広い会議場に幹部一同が勢揃いした。(あの時伯爵領にきた代表さんはエルマさんというらしい。)

 エルマさんの報告により「ギーホが無断で使節団に同行し、この度冒険者ギルドに協力して頂けることになった賢獣様だけでなく、王国の賢獣様にも非礼極まりない言動、これで冒険者ギルドの牽引を担う一角などと考えていた者達は烏滸の沙汰(おこのさた)である!」と弾劾した。

 当然、抵抗する貴族派は「ギーホの独断」と尻尾切りに走り、場は騒然となるがエンがフーヴォを呼び、その場に賢獣の存在を確認。鶴の一声であえなく撃沈した。

 それは、言語を操る賢獣の存在に、今まで遠い存在であった賢獣が、誰もが意思疎通出来る“世界の愛し子”が現れた瞬間でもあった。


 しかし意思疎通が容易であるということは、もしかしたら篭絡が出来る可能性があるという事。

 篭絡が出来ると勘違いし、自分が主に成り代われるチャンスが芽生えると考える者が必ず出てくる。


 貴族派は、(あるじ)たる男よりも意思疎通が出来る賢獣を欲し、手に入らないのであれば(あるじ)である男の、弱点となり得る情報収集をしたいところだったのだが、そうはさせないとエルマが先手を打った。


「ここに居る皆さんには、ここに居らっしゃる賢獣様が、世界会議での我ら“冒険者ギルド”の後ろ盾となって頂く【利】は理解して頂いていると思います。

 …あり得ないとは思いますが、世界会議が始まるまでに他国への漏洩はもちろん、あらゆる情報を探られる、又は漏らすことは、賢獣様とその主様に、危険を及ぼす可能性が多大にございます。

 ですから、主様と賢獣様についての守秘義務が発生することは、当然解かって頂けますよね?


 王国の賢獣たるフーヴォ様も含め、この事を知る全員に契約魔法の行使をさせて頂きます!もちろん賢獣様の御意思でもございますので、……まさか、反対なさる方はいらっしゃいませんよね?」


 半ば強引であったが、賢獣様の御意思と言われると誰も二の句が継げない。

 結果、この場に居る全員が契約することになった。




*****~*****~*****~*****




「くそっ!早く本部に戻って事態の収拾を成さねば!」


 伯爵領のギルドにて失態を犯したギーホは、自身が所属する貴族派の派閥にいち早く、魔導通信にて連絡を取った。

 しかし、同じ派閥であるにも関わらず、反応が芳しくなかった。不思議に思いながらも、馬を乗りつぶし、アボ達と2日遅れで王都ギルドに到着した。


 ギルドに到着すると、すぐさま自らの派閥の集まる部屋へ行き、賢獣の件を報告しようとしたのだが、何故かグランドマスターの執務室へと連行された。「何がどうなっているのだ?」と疑問に思うも、まさか自分が切られるとは思っていなかった。

 それにグランドマスターの執務室には貴族派の重鎮たちも揃っていた為、不可解ではあるが不安は少なく、一安心する。しかし……




「此度の件、何か申し開きはあるか?」


「賢獣様の件でありましょうか?多少の行き違いがあるかも知れませんが、本部にはどのように伝わっているのでしょうか?」


 そもそも、ギーホはいくら自分より早く到着してるとしても、馬を乗り潰してまで時間を短縮したのだ。まだ話が広まっていないと信じていた。

 それに、どこまで話がされているのかを確認しないと、下手に話をしてボロが露見するのはマズいと思った。そしてまだ挽回できると信じていた。


「…申し開きはあるかと聞いている。」


 グランドマスターは片眉を上げ、イラついた口調で再度訪ねた。

 ギーホもこのままではマズいと思いつつも、道中で考えた言い訳を語ることにした。


「どのように伝わっているかは分かりませんが、此度の件、代表がエルマでは少々荷が重いと思い、使節団に同行した次第でございます。

 その後、伯爵領ギルドに到着し謁見致しましたが、何分審議の分からぬ状況だった為に誤解を与えてしまったのかも知れませんが、素性を確かめる為に確認を問うただけでございます。

 その時、突然王国のフーヴォ様が窓からいらっしゃったため場が混乱し、確認を問うた件が有耶無耶になってしまいました。

 その後、フーヴォ様のおかげで無事審議の件は証明されたのですが、誤解を与えてしまった件も含め謝罪をと、会談後にお待ちしていたのですが、お目見えすることが出来ず、結果的に謝罪が出来ぬまま今に至ります。」


「こちらで確認した事実とはいささか内容に隔たりがあるようだが、

 まず第一に何故に使節団の代表が、エルマでは荷が重いと判断した?グランドマスターであるワシがエルマを代表とした使節団を編成したのだぞ?…なるほど。代表を決定したワシに不服があったと。そういう事であるな?」


「い、いえ。そのような事は……」


 ギーホは一瞬、貴族派の重鎮たちに目をやった。そもそもギーホの独断で使節団に同行したのではない。目の前にいる貴族派の重鎮たちに命令されて同行したのだ。

 それも「意思疎通の出来る賢獣を語る、不届き者がいる。世界会議を前にして、冒険者ギルドの権威・発言権を著しく削ぐ、他国からの策略の可能性が高い」と。

 であるならば「エルマでは代表は荷が重い。他国の間諜に騙されるやも知れんので陰謀を阻止して欲しい」と、ギーホが宛がわれたのだ。


 何とか助け船を出してもらおうと貴族派の重鎮たちに目線で乞うが、誰も反応は芳しくない。焦るギーホだが、グランドマスターは攻め手を緩めてはくれない。


「ふん、返事も真面に出来ぬか。その件はもういい。後でここに居る者も含めてじっくりと問い質してくれる。

 次に賢獣様の素性を確かめる為に事実を問うたと申したが、どうやって確かめるつもりであった?」


「その時は賢獣様もその主も、仮面を着けて御出ででした。まずは仮面の……」


「聞いたことに答えよ!どうやって確かめるつもりであったと聞いておるのじゃ!よもや“賢獣の証”や“賢獣の書”を出させようと思っておったのか?!」


「け、決してそのようなことはありません!」


「ではその思慮の足りない頭で、どうやって確かめるつもりであったのじゃ!」


「そ、それは……」


 そもそも、端から偽物だと決めつけていたので、逆に証拠を見せてみろと問い詰めるつもりであった。

 しかしアボ達にとっては、本物に証拠を見せろと高圧的に問い質そうとされたのだから、印象は最悪に近いと少し考えればわかる事。自らが賢獣と明かしているのだから、丁重にお伺いを立てれば問題ない事柄だったのだ。


 言い逃れの出来ない状態に陥ってしまったギーホは、グランドマスターの苛烈な問いに何一つ答えることが出来ずに立ち尽くすしか出来なかった。






グランドマスターは真面な人でした。

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