L―6
「ん?」
「鈴さん……起きましたか」
そうか、私は倒れたのか
ここは霊霧師匠の家か
首から下が動かない
「鈴急に倒れたから心配したぜ」
「霊霧師匠……」
「大丈夫だ家に泊まると連絡しておいたぜ」
霊霧師匠が家に連絡か
意地でも風姉に会おうとしないのに
「ありがとうございます」
「大きくなったよな風ちゃん」
大きく?会ったことないのに?
写真くらいは見せたのかな?
そう考えていると胸に違和感が
「霊霧師匠 動けないからって
胸を揉んでるゾンビを止めてくれます」
「ぷに……ぷにぷにぷに」
「擬音を口で言うんじゃない!」
なんなんだこのゾンビは
胸を揉みおわったゾンビが
離れたあと体が軽くなった
「仮偽蘭ちゃんどうだぜ?」
「大丈夫です……貧血以外は何も」
私の体に何をしたんだこのゾンビは
私は起き上がりソファに座り直した
「ゾンビ何をした」
「鈴さん……の体を調べるために固めさせてもらいました
死後硬直です 鈴さんは生きてるから生前硬直?」
だから体が動かなかったのか
それにしても知性があるだけじゃなく
こんな力もあるとはやはり消すべきか
「なるほど、私の胸も検査の為と」
「いえ……私には無いので興味で揉んだだけです」
よし消そう今すぐ消そう
素粒子レベルで消してやろう
「まあ、これでも飲んで落ち着いてくれだぜ」
怒りが顔に出ていたのか
霊霧師匠はコーヒーを持ってきた
私はそれに口に運んだ
「苦い!」
本日 3 敗目である
「鈴 まだブラックコーヒー飲めないのかぜ」
油断した
いつもはしっかり砂糖を入れてくれるから
「霊霧師匠砂糖を……」
「悪いなちょうど切らしてるぜ」
それはわかりやすい嘘だった
「おい……しい」
ゾンビが私の飲みかけのコーヒーを
口に運んでいた
「仮偽蘭ちゃんのほうが大人なんじゃないのかぜ」