#30 魔力増量
俺がスピラに“恋”と診断された翌日。
適当に1日を潰して今は夜。
一晩寝て魔力が完治したマリは今日も研究に勤しんでいる。
マリが研究をしてわかったことは意外に多い。今までわかっていたことも一緒にまとめると……
・魔力量により防御や魔防の値、バリアの保つ時間が増える
・意識することで防御と魔防の値の振り分けを自由にできる
・色は値が防御よりなほど黄色、魔防よりなほど緑
・形は自由に変えられるが、大きくすることは不可能
・最大で7枚まで同時放出可能。
・出現したバリアは出現後も動かすことが可能。
・魔防は魔法が関わったもののみ防ぐ。
・その場に半永久的にバリアを固定することも可能。その際には魔力を500消費する。
・バリアはその防御、魔防の値を超える攻撃を受けると消滅する。
だいたいこんな感じ。
一日でここまで調べられたことから、昨日の魔力切れが無駄ではなかったとわかるだろう。
そうだな、俺が引っかかるのは最大七枚というところだろうか。
今マリのレベルは7。だから七枚なのか、それとも関係なしに七という数字なのか……。
もしレベルによって変わるなら強いよな。
それと半永久的ってやつ。
マリの意思で消すか、高い攻撃力で消滅させられるまでそこに存在し続けるって代物。
これは設置したら動かせない代わりに、防御と魔防の値を自分の値と同じにまで引き上げることが可能だということも分かったが、なんとも使いどころが難しい。
そもそもマリの魔防、防御がまだまだ弱いのだ。
いやね、称号の効果も考えると一万を越すけどまだたった1万でしょ?
大抵の魔物には壊されないけど、ふらっと来たドラゴンとかに対処できるかって行ったらまだ足りない。
でもまぁレベルが上がればもう少し強くなるだろうし、そこまでの強敵がそんなすぐに来るわけではない。
設置型のバリアは動かしたりできないから、今は使い方をしっかり考えることが大切なのだ。
とまあ昨日の今日でここまでわかったことが増えたけど、マリは既にこれらの知識を使った応用を試す段階へと取り掛かっている。
今やっているのはバリアを使った“攻撃”は可能かどうかの検証だ。
守るためのバリアで攻撃。何を言っているんだと思う人もいるかも知れないが、わかる人にはわかるはずだ。
バリアは自身に加わる力が許容値を超えない限り物体や魔法を通さない。
これを逆転させて考えるとバリアは殺傷能力さえ持つ強大な武器へと変化させられるのだ。
俺も思いついてはいたが、助言はしなかった。
マリは自分でこの逆転させる発想へとたどり着いた。
おそらく[情報処理]の効果もあるのだろうが、あれは自分のもとに入ってくる情報をわかりやすく、完璧に仕分けや表示することしかできない。
いわゆる人間ウ キになれるだけのスキルで、そこから答えまで算出する機能はない。
情報の整理化という多少の補助はあるものの、この発想に辿りつくには頑張って強くなりたいという思いと、具体的に想像できる頭を持っていないとできないことだと思う。
「さすがマリだね」
「なに? 急にどうしたの」
「いや。なんでもないよ」
そして、今からやる検証がバリアを使ったナイフで物を切れるかどうかだ。
今回はリンゴを標的として扱うのでナイフの色は黄色。
それをマリが振り落とすとリンゴは綺麗に真っ二つとなった。
「そうなっちゃうか〜」
「……私の【防護術士】って実は相当チートなんじゃ……?」
このバリア、それ自身にかかる負担が防御や魔防の値を超えると防護しきれないという特性があるが、それを逆を言うとその値を超えない限り絶対に壊れないのだ。
つまりこのバリアを攻撃に使うと、対象の防御力よりバリアの防御力が上回っていればその対象にダメージを与えることが可能であるということ。
だからバリアをナイフの形に作れば、時間制限はあるが、殺傷能力を持てるというわけだ。
ただ強くするには相当量の魔力を込めないといけないのが欠点か……。
マリの魔力量が少なすぎるな。
魔力量を増やす方法がないこともないが。
「ネレフェク、私の魔力量を増やす方法を教えて?」
マリも俺と同じ考えだったらしい。
やはり目先の目標は魔力増量か。
「魔力の量を増やす方法はいろいろあるんだ」
「じゃあ一番手っ取り早い方法」
「魔力を増やしてくれるスキルや称号を手に入れること……かな」
そんなに急ぐこともないと思うけどな。
危ない時は俺が守るし。
ま、どうせ俺がいつパーティーから抜けるかわからないから、そうなる前に強くなっておきたいんだろうけど。
「どうやってスキルを手に入れるの?」
「例えば毎日魔力を使い切るだけでも結構な効果があるよ。最初の頃はスキルでも微量しか増えてくれないけど、2、3ヶ月でもやってればスキルもだんだん良い物にパワーアップしてくれる」
それだけじゃない。
「しかもついでに魔力回復の速度が上がるスキルや、もっと長く頑張っていれば大きな力となる称号まで手にはいるよ」
これで納得してくれれば楽なんだけど。
「……一応やるけど、それじゃ時間がかかりすぎるね。他にもあるんでしょ?」
「……」
ダメか。
でもやるって言ってくれるだけありがたい。これは本当に使える修行方法だから。
「わかったよ。それじゃ手を出して」
「? こう?」
俺はその手を取って説明を始める。
「良いかい? これは一歩間違えれば死ぬからね」
読んでいただきありがとうございます。
今回はどうでしたか?
「面白い」「更新ガンバ」「続き読みたい」そう思ってくださった方は下のブックマークと評価ボタンのクリックよろしくお願いします。
これからもこの作品をよろしくお願いします。




