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#26 自由行動

 朝日が昇り、マリと共に階段を降りていると後ろから声をかけられた。


「おはようマリ!」


「おはよ」


 ――マリが。

 俺もパーティーメンバーなんですけど。


 昨日は相変わらず隣からイヤラシイ声が聞こえる中、俺はマリに手を出すこと無く我慢しきった。

 ただ、我慢しすぎて暴走一歩寸前まで来てしまった。


「コウスケ、今日の午後は自由行動にしませんか?」


 暴走をなくすためだ。

 そろそろ俺が破壊し尽くした34階層も復活しているだろう。


「ああ、それがいいかもな。どうせやることないし」


「どうせなら朝からにしない? 午前もやることないじゃない」


 さらにいつの間にか階段に来ていたキソノが上から提案をしてきた。


「それがいいね。じゃあ朝ごはんを食べてから別行動としよう」


 まあいつからでもいいけど。


 *


 朝食を食べ終え、自由行動になり、人気のいないところでワープし、ダンジョンをぶっ壊しまくってスッキリ。

 と、一連の動作を完了させて今はお昼。


「フンフンフフーン♪」

 ジュウゥゥゥ……

 タンタンタンッ

 ブォワ……!


 久しぶりに自分の本来の腕前を出せると、張り切って昼食を作っている。

 眷属たちもそれぞれの皿の前で口からヨダレを垂らしながら今か今かと待ち構えている。

 そうだよな。お前らもずっと美味しい料理食えていなかったもんな。


「ほい完成っと。ほら召し上がれ!」


 我先にと料理にがっつく眷属たち。


「くぅん♡」「ピュイ♡」「ニャァ♡」


 昇天させるまでにはいかなかったが、大満足な様子だ。

 俺自身も久しぶりの本気料理で、今まで我慢して抑えていた実力を解放したのとおいしさが相まって、満足ゲージがグググッと上がった。

 今日の半日だけで2ヶ月我慢できるぐらい満足することができた。……いや、またつまらない日々が続くから倍速で1ヶ月ぐらいか。


 さて、勇者一行たちはどうしてるかな。

 リモコンを操作してテレビの電源を入れる。

 画面に映ったのはマリの姿だ。

 これは機械じゃなく魔力を動力源としたテレビだ。空間魔法の応用で作った。これで下界の全てをリアルタイムでみることができる。というかリアルタイムしか見れないんだけどね。


 マリがお店で棚にならんだアクセサリーを見ているところを眺めていると、画面の端からマリに親しく話しかける奴がいた。


「……コウスケじゃねぇか。じゃあもしかして」


 テレビの画面を少し引きあげ、ぐるりと見渡すとやはりパーティーメンバー全員がその店の中にいた。

 いろんなアクセサリーを見てキャイキャイと楽しそうに話している。


「…………」


「ピィ?」


 ハッチが俺の肩に登って鼻を頬になすりつけて来た。


「ありがとう。大丈夫だよ」


 ハッチの頭を撫でると

 所詮俺はそういう存在なんだ。

 わかっていたことだろう。唯一心を許してくれてそうなマリでさえ結局は契約上の関係なんだ。


 マリもペンダントを自分に当てはめて、コウスケに似合うかどうか質問しているようだ。

 音は聞こえないけど、楽しそうな様子を見ていればわかる。


「ニャン」「クゥン」


 しばらくその様子を見ていたらレイラとフクも俺の足元へやって来た。


「なんだよお前らまで。大丈夫だってば」


 料理の途中に来るなんて行儀悪いz――完食しとるんかい。

 いつのまにかハッチも肩から降りて料理にがっついていた。

 お前らほんとそういうとこあるよな。


 そうこうしているうちにマリたちはすでに店の外に出ていたようだ。

 それを眺めながら、俺も冷めないうちに飯を食べるとしよう。


「ん"っ⁉︎」


 口にものが入っていたので声が出せなく、飲み込もうとしていた食べ物を詰まらせてしまった。

 水を飲んで数回咳をしてなんとか落ち着いたが、俺が驚いたのはたった今テレビの中で起こった出来事が理由だ。


 別にそんなに凄いことではない。

 ただコウスケがコケてマリの胸に飛び込んだだけだ。

 ワザとじゃないからしょうがない。

 前を歩いていたマリがたまたま振り返ったその瞬間、タイミングよくコケたコウスケが体当たりをかまし、押し倒した上で偶然ピンポイントなところに倒れこんでしまったのだからしょうがない。

 コウスケは軽く謝罪しただけだが、マリも許したようだ。元々照れるだけで全然怒ってないし。


 どうしたハッチ、針を逆立ててプルプル震えちゃって。

 あれ? 何故か俺の箸が折れてる。何故だ?

 まあいい。そろそろ新しい箸を作ろうと思っていたところだしな。とりあえず今はスプーンで食べるか。


 さてさてマリたちは今、何をしているかな?

 どうやら新しい店に入ったようだ。

 ああ、昼食か。入ってすぐに注文し、みんなで談笑して待っている。

 ここらへんは見てても面白いことがなさそうだ。

 テレビの画面を引き上げて、何か面白いものがないか町を上から見下ろして探す。


 ……特にないな。

 強いて言うならば、知り合いが広場のベンチに座って、遊ぶ子供を微笑んで――否、にやけながら見つめていることだろうか。

 あれはまぁ、関わらない方がいいだろう。

 なんでこんなところにいるのか知らないけど、こういうのは関わるとろくなことにならない。特にああいう面倒なタイプは……

 スススと場面を動かし見なかったことにした。


「覗き見なんていただけないなぁ」


 ……訂正、したかった。

読んでいただきありがとうございます。

今回はどうでしたか?


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これからもこの作品をよろしくお願いします。

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