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#25 バリア

 夕飯も食べ終えて、次は部屋に戻って休憩となる。

 部屋割りはコウスケ、キソノ、ラーメル王女と俺、マリで別れている。

 せっかくの2人きりなので、今俺はマリに特訓の成果を見せてもらっていた。

 因みに眷属たちはすでに俺のベットで寝てしまっている。


「んっ」


 ブォンと音を立ててマリの目の前に黄緑色のバリアが張られる。

 この前と同じ基本のバリアだ。

 そしてマリの消費魔力量を確認すると。


「おお! 凄いよマリ! まさかたった数日で魔力消費の無駄をゼロまで減らしちゃうなんて!」


「そ、そうかな? なんか照れちゃうな……」


 本当に凄い。ここまでできるんなら文句は全く無い。

 じゃあ次のステップを教えることにしよう。


「今度はバリアに込める魔力を多くしてみてくれる?」


「わかった」


 魔力操作が完璧になったマリならこのぐらい容易(たやす)いだろう。

 これまた「んっ」と可愛い声を出してマリの前に黄緑色のバリアが張られる。

 厚さや面積などの見た目には変化がないが鑑定をしてみると確かに違いはあった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前:バリア

 状態:ノーマル

 効果:両側面から全対象の侵入を防ぐ

 ステータス:魔力 50/60

 防御 300

 魔防 300

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 この前との違いは状態が不安定からノーマルに変わったことと、ステータスがそれぞれ上がったことだ。

 魔力を上げただけだから単純に強くなっただけなのだろうか。

 イメージによって多様な変化を可能とするってどこまでだか分からんからな。いろんな可能性があるんだよな。

 まず確かめたいのは魔力とその他のステータスの関係性だよな。

 色々と考察を重ねていくうちにバリアはスッ……と消えていった。


「次は魔力50を込めてやってみて?」


「わかった」


 ブゥンと出てきたバリアを鑑定するとある程度の規則性が見えて来た。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前:バリア

 状態:ノーマル

 効果:両側面から全対象の侵入を防ぐ

 ステータス:魔力 47/50

 防御 250

 魔防 250

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 おそらくノーマルで発動させると、{魔力×10}の数値が防御と魔防に等しく配分されるのだろう。

 それなら次は


「魔力50で物理だけを守る様にできる?」


「物理だけ? どんな感じかな」


「うーん。微鑑定眼でこのバリアを鑑定できない?」


「あ、試してなかったよ」


 やって見たところ、どうやら鑑定に成功したらしいが、表示される内容は名前とステータスのみで、状態と効果は見えてないらしい。

 この前にイメージにより〜……みたいのを教えてあるから、本当は上達するに状態と効果も見えて欲しかったけど、ないものに文句を言ったって意味がない。

 マリには少し我慢してもらうとしよう。

 ちょうどバリアが消えたので新しいバリアを試してもらう。


「じゃあステータスの防御が500になる様なイメージでやってみれば?」


「うんそうしてみる」


 ブォンと出て来たバリアは透明ではあるが、黄緑でなく真っ黄色をしていた。それを鑑定してみると見事に魔力を50に調整することができていた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前:バリア

 状態:物理特化基本系

 効果:両側面から魔力を纏わない物の侵入を防ぐ

 ステータス:魔力 47/50

 防御 500

 魔防 0

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 やはり魔防は0か。

 状態と効果をみる限り、魔法はこのバリアをすり抜けてしまいそうだな。

 魔力を纏わない物っていうのは器物だけということだろうか。魔物や人間は一応魔力を持っているがどういう判断になるのだろう。


 試してみると俺は普通に触れ、枕もバリアをすり抜けることができなかった。

 と、そこでバリアが切れてしまったので新しいバリアを張ってもらう。


「今度は長く続くように魔力を100にしといたよ」


 おお、その気遣いはありがたい。

 早速そのバリアで検証を始め、次に魔法を試したいのだがいかんせん宿じゃ魔法を使いづらい。

 俺の持つ魔法は火、水、氷、空間の四つ。唯一検証に向いているのは氷だな。

 あんま強くするとこの宿を壊してしまうので[制御]をしたまま行使することにした。


 ――氷刀。

 この前水砲狼の時にも使った氷魔法だ。

 俺はこれを物理攻撃だと考えているのだが、バリアはどう判断するのだろうか。


 早速バリアに刀を突き刺してみると、刀身はそのバリアを通り抜けるが、柄は握っておた俺の手がせき止めてしまった。

 試しに少し押し出しながら氷刀を離すと、柄の部分もしっかりと通り抜けた。


「これは……魔力だけで作られたものが物理攻撃にならないってことかな?」


 まあ簡単に言えば魔法が物理じゃないってことだ。


「つまり魔防が魔法全般。防御がそれ以外なんだね?」


「うん。僕もそうだと思うな」


「これをうまく使える様になれば、無駄がなくなるよね」


「そうだね」


 魔法を守ればいいだけなのに防御の方と均等にステータス配分にすると勿体無い上この上ない。その攻撃を守る為の必要魔力も多くなるので、やはり配分をうまく扱える様になれば【防護術士】としての技量が上がったと言えるだろう。


 あとは他にも試したいことがあるが、もういい時間だし、明日明後日とまだ時間はあるので、今はこのぐらいにして今日はもう寝ることにした。


「おやすみ、マリ」


「おやすみなさい」


 大丈夫。まだ我慢できないほど飢えてはいない。

 ただここ最近はつまらなすぎて満足ゲージが倍速で減っていっている様な感じなんだよな。

 ……あ、待って朝まで満足ゲージが保つかわからない。危険かもしれん。

……まぁ朝までは持ってくれるだろう。睡眠欲で相殺されればいいが……。

読んでいただきありがとうございます。

今回はどうでしたか?


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これからもこの作品をよろしくお願いします。

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