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#02 異世界の神様

 この世界には神と呼ばれる存在が実際にいる。


 まず【現象神】と呼ばれる世界の自然を(つかさど)る5柱。

 ・火炎を司る神 火神ファラント

 ・液体を司る神 水神ウォウルリア

 ・大気を司る神 風神エウロケルト

 ・電気を司る神 雷神エレスキア

 ・大地を司る神 地神グリスパル


 これらの神々はこの世界の自然の1/5ずつを担当する。

 この5柱の神たちは感情の変化によりこの世界に異常現象を引き起こすこともある。

 基本この地上に出てくることは無いが、魔法はこの神たちが干渉して発動するらしい。

 

 あ、さらっと言ったけどこの世界は魔法があるらしい。

 ただ使えるのはその個人が神に気に入られた場合だけ。ほとんどの人は使うことができないため、使えたら将来は色々なところから引っ張りだこらしい。


 さっきから"らしい"ばかりだけど実際に見たり、書物を読んだりはしてないからだ。許してほしい。

 え? じゃあなんで知っているのかって? それは今はおいておこう。



 次に知性ありき種族とその【信仰神】。

 その中でも上位の6種族を【賢六種族】と言い、その神を【大信仰神】と言う。

 ・人族の信仰神  人神

 ・魔族の信仰神  魔神

 ・精霊族の信仰神 精霊神

 ・森人族の信仰神 森人神

 ・獣人族の信仰神 獣人神

 ・龍族の信仰神  龍神

 信仰神自体は他にもいるが、今の【大信仰神】はこの6柱。

 信仰神たちはときに争い、ときに協力し合い、高い権力を求めて自分の信者(子供)で常時ケンカしている。

 最近では獣人神の立場が危うくなって、逆に魚人族が力をつけ始めたらしい。



 さらにその他の信仰されるわけでは無い神を【貴神】という。

 ・愛を司る神

 ・幸せを司る神

 ・生を司る神

 ・死を司る神

 ・再生を司る神

 これ以外にも山ほどいる。


 これだけ説明すればもうわかっているだろうがこの世界は全体が八百万の神、つまり【神道】を信仰している。

 「私は獣人神しか信仰してない!」とか主張しつつ食事で「すべての神々に感謝を....」なんて言ってるし。

 まぁ、神々はそれについてはあまり気にしてないらしいから信仰は自由なのだろう。




 長くなったが本題はここからだ。

 今まで言った神の中で、【現象神】以外に名前が無いことに気づいただろうか。

 それは何故か。

 【現象神】以外は代替わりするからだ。


 【信仰神】ならばその神にも寿命があり、その前に信仰種族の中から新しい神を選ばなくてはならない。

 ただ、【信仰神】は寿命以外で死ぬことはない。


 しかし【貴神】は違う。寿命で死ぬこともあれば誰かに殺されることもある。

 寿命なら適正者に、殺されるとその殺した奴に自分の神の称号あげなくてはいけない。


 何で俺がこんなことを話したか。そして何故"らしい"ばかりなのか。

 もう察したひともいるだろう。

 そう、俺は――【再生を司る神】になってしまったのだ。


 理由は単純。

 俺が元々【再生を司る神】だったやつを殺したからである。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 俺が生まれて4日目。

 好きなときに寝て、好きなときに排泄して、ひたすら美味しい樹液を探し求めた。

 そう宣言した通り欲望の向くままに過ごしていた。


 ......いや、1つだけ押さえている欲望がある。それは色欲だ。

 この姿なのだ。相手はもちろん蝉じゃないとできない。

 本能はメスを見つけると追いかけそうになるのだが、理性が虫とヤりたくないと全力ブレーキをかけている。

 おそらく俺はこの人生――いや、蝉生は童貞で終わるのだろう。



 それはともかく、俺が気の向くまま木々を渡っていると円柱形だろうと思われる大きな塔を見つけた。

 俺が小さいからそう見えるとかじゃない。本当にデカイのだ。

 近づくと大きすぎて本当に円柱形かわからないぐらい。

 近くの木の大きさから考えて村、いや町――街だな。端から端まで人の歩くスピードで1日かかる街。

 それがすっぽり入ってしまうぐらい大きい。


 さらに高さが雲を越えてしまっている。たまに雲の切れ目から塔が見えるがまだまだ続いているっぽい。

 何故だかわからないが俺はこの塔の一番上に行きたくなった。

 好奇心か探求心か、そこに呼ばれているという気もした。


 やりたいことを我慢しない性格になった俺は、もちろんその気持ちに従って上に飛んだ。

 疲れたら塔の壁で一休みし、また飛び立つ。壁すれすれをひたすら上に上に進んだ。




 飛びまくって2日目、なんか網状の光の天井があった。その天井、見渡す限りどこまでも続いている。

 少し向こうで大きな鳥がそれに突っ込んだのが見えた。だがその鳥はその光の網に当たった瞬間体がたくさんのスティックに早変わりした。


(おうふ......。結構グロい)


 しかしそれはギリギリ俺が入れるぐらいの網目だった。


(ふっ! ザルだな)



 犠牲になった大きな鳥の分もさらに上へと登った。

 だんだん自分に寿命が近づいているのがわかる。


(俺はこの塔の一番上にさえいけず死ぬのだろうか)


 そう思い始めたときだった。

 ついに塔の端が見えた。

 俺はさらにスピードを上げる。


(苦しい。辛い)


 一生懸命羽を動かす。

 もう少しで上に着く。


(どうか寿命がもってくれ)


 あと数メートルもない。


(どうか、どうか...!)











 結果、上には着くことができた。

 しかしそこで俺に寿命が来てしまった。

 最後に俺の目に写ったのは綺麗な桜の木だった。


(ああ、せめて最後にあの木の樹液飲みたかったなぁ)


 俺はそこで静かに息を引き取った。










 ――筈だったのだが。


「やぁ、蝉さん。君みたいなのがどうやってここまでこれたか教えてくれるかい?」


 覚ますはずのなかった目には1人の少年が写っていた。

読んでいただきありがとうございます。

どうでしたか?


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