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納豆を好きになる人がいない。

俺と女神は納豆を広めるためこの1ヶ月納豆を地道に宣伝していた。取り合えマンションの住人で仲良くなった人に納豆を渡してみたり、部屋に呼んで納豆を振舞ったりした。しかし……。


「見た目が気持ち悪い。」

「一口食べてみたが口の中がモニョモニョする。」

「ネバネバしていて、しかもなんか臭い。腐った豆を渡すなよ。」


マンションの住人の感想はこんな感じだった。俺の能力で生み出した納豆は匂いを抑えた納豆で、納豆嫌いでも食べやすいというものだったが、そもそも納豆を知らない大人に納豆を食べさせるのがここまで大変だとは思わなかった。女神もショックを受けている。


「私もここまで酷い結果になると思いませんでした。このマンションの住人はほぼ全員納豆ダメだったのはショックです。」

俺もショックだ。納豆がここまで受け入れてもらえないというのはかなりつらい。


「女神さま。納豆を俺たちで料理して広めるのはダメなんですか?そのままの納豆じゃなくて、刻んだり、火を通したり、何かに混ぜて納豆だと分からないようにすれば……。」


「水戸さん。それじゃ意味がないんです。その方法で納豆を広めても、そこまでしたらもう納豆じゃないです。納豆だと分からないなら納豆じゃないんですよ。」


それもそうだ。納豆だと分からなくして食べさせても意味はないか。でも本当にそうか?納豆を食べてもらうことが広めることにつながるんじゃないのか?


「女神さま。カレーを作りましょう。納豆入りのカレーを。カレーで納豆の匂いをごまかせば食べてくれる人がいるかもしれません。」


「でもそれでは、納豆の魅力が広まることにはならない気がします。それに納豆の魅力を殺す食べ方だと思います。カレーに入れたら大半の物はカレー味です。そこから納豆の魅力がわかる人なんて……。」


「女神さま。今のままじゃ納豆はこの異世界じゃ食べてもらえないんです。あなたはこの異世界の茨城県の魅力度を下げてでも納豆を広めるんでしょう!だったら納豆の魅力を下げてでも、納豆を広めましょう。」


「分かりました。私がカレーを作ります。出来上がったらマンションの人たちに持って行って食べてもらいましょうか。」


その後マンションの住人に納豆入りのカレーを食べてもらうことに成功した。しかし……。


「誰も納豆の魅力に気づいてくれた人はいませんでしたね。カレー美味しかった。という感想は嬉しかったですけど、誰も納豆のことは気づいてももらえませんでした。納豆の量が少なかったんですかね。」

女神はかなりつらそうだ。俺もつらい。誰か1人くらいこのカレーに入ってる豆美味しかった。みたいに納豆の魅力に気づく人がいると思っていた。


「俺つらいのでバラエティー番組つけますね。この時間は芸人の料理番組面白いですから。」


番組を見ている途中女神は何か思いついたようだってた。


「テレビですよ。水戸さん。」


「テレビ?それがどうかしたんですか?」


「こういう料理番組で納豆を使えばいいんです。いろんなものを食べて舌が超えている芸能人なら納豆の魅力に気づく人がいるかもしれません。」


その発想はなかった。しかし……。


「女神さまテレビ番組に俺たちが出演できるわけが……。」


「私は女神ですよ。女神の力を使えば、テレビ番組に出演するくらいは余裕です。水戸さんは番組に備えて納豆料理のアイデアを考えてください。カレー以外にあと2品くらい欲しいです。」


「分かりました。女神様。」

テレビに出るなんて考えてもいなかった。

とりあえず納豆料理を考えよう。


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