茨城県でラーメンが流行った理由
茨城県でここまでラーメンが話題になっている理由が今明かされる。水戸駅にラーメン屋が20店舗あるだけでもおかしいが、駅前にもラーメン屋がたくさんあった。この異世界の茨城県はラーメンがすごく流行っている。
女神は話し始めた。
「まずはラーメンが流行るきっかけになったことを説明します。この理由だけわかってくれれば他の理由やすたみなラーメンの話とかは聞かなくて大丈夫です。」
じゃあ俺もそこ聞いたら他のことは聞かなくていいのか。すたみなラーメンは正直興味ないし。
「水戸さんはすたみなラーメンの話までちゃんと聞いてくださいね。聞いてくれないと納豆チート能力奪っちゃいますよ。」
それは困る。この能力がないと、納豆を広めるのは不可能に近い。
「わかりました女神様。俺は全部聞きます。」
「じゃあ早速、茨城でラーメンが流行った理由。それは水戸黄門がラーメンを初めて食べたと言われているからです。」
水戸黄門か。たしかにそういうラーメンの逸話があった気がする。
「水戸黄門はラーメンを初めて食べただけでなく、自らラーメンを作るくらい好きだったとも言われています。あなたのいた茨城でもラーメンが有名になる可能性はありました。」
たしかにその逸話は俺のいた茨城県にもあったはずだ。なのにラーメンが有名になっていないのは……。
「納豆があったからです。納豆がないからこっちの茨城県はラーメンが有名になったんです。」
そういうことか。だからラーメンが有名に。
「はい。この茨城には納豆がない。だから水戸黄門が作ったラーメンを中心に発展していったんです。だからラーメン店がたくさんあるんです。」
ラーメンが多い理由はわかった。しかしなぜラーメンだけが流行ったんだ?干し芋とか、常陸牛とか有名なものはあるはずなのに。
「それらの食材は水戸黄門が食べたという話題性を持ってないからです。それにすたみなラーメンが誕生してからはラーメンとすたみなラーメンで水戸は更なる発展をしたんです。」
たしかに水戸黄門が干し芋とか常陸牛を食べた話は聞いたことがない。でもそれなら……。
「それなら俺のいた茨城で納豆が有名な理由は何なんですか?女神様の話だとラーメンで発展してもおかしくなさそうなのに。」
「納豆にはライバルがいないんです。水戸納豆より有名な納豆はこの日本に存在しません。だから納豆で発展したんですよ。」
ライバルがいない?福島県とかの方がすご……。
「それ以上言わないでください。知名度は水戸納豆が一位だからいいじゃないですか。むしろ納豆が好きな同士が他の県にいることを喜ぶべきですよ。」
女神様も気にしていたのか。納豆といえば水戸とか言ってるのに、納豆消費量が他の県に負けてることを
「茨城県は納豆消費量常にベスト5に入ってますから誤差みたいなものですよ。それに茨城は納豆の種類が多いし、納豆のゆるキャラもいますし、水戸駅のキャラクターだって納豆モチーフで……。」
「そろそろ茨城県のラーメンについての話に戻ってください女神様。」
このまま話が脱線していたらいつまでも話が終わらない。
「そうですね。茨城県のラーメンについてはシンプルに美味しいから流行ったんです。海に面している茨城だからこその豊富な海産物によって美味しいラーメンができています。家系ラーメンに二郎系ラーメンまで魚介が効いていますからすごい美味しいですよ。」
茨城県の海産物を使ったラーメンだから人気がある。
わかりやすい。けど話があっさりしている。納豆の時のように熱く長く語ると思っていた。
「そしてすたみなラーメンの話をしますね。この話は私すたみなラーメン好きですから長くなりますよ。」
すたみなラーメンの話が長いのか。あまり聞きたくはないな。
「すたみなラーメンはそもそもひたちなか市発祥のラーメンなんですよ。ひたちなか市で生まれてそこから水戸とかにも広がった感じです。」
ひたちなか市発祥なのか。それは知らなかった。
「勝田駅周辺のラーメン屋さんでできたみたいですよ。その後ラーメン屋さんが水戸で2号店を開店したのでひたちなか市と水戸市にすたみなラーメン屋が多いんです。」
この女神すたみなラーメンの歴史から解説するのか。
すたみなラーメンへの愛がすごい。
「すたみなラーメンはレバーやかぼちゃが入ってて、とろみのついた醤油ベースのあんがかかってるので普通のラーメンと違った美味しさがあります。レバーとか普通のラーメンに入っていませんし、かぼちゃとかも珍しい食材だと思いますよ。私はすたみなラーメン好きです。」
俺はあまりすたみなラーメンが好きではないが、そう言われればすたみなラーメンが好きになるような理由もわかる気がする。
「レバーや野菜、あんかけ要素に一味唐辛子と子供が食べてもあまり好きにならないようなラーメンですから水戸さんがすたみなラーメン苦手なのは仕方ない気がします。」
たしかにそうだ。中学の時すたみなラーメンを初めて食べた時は美味しいのかよくわからない感じだった。レバーはあまり好きじゃなかったし、ラーメンにかぼちゃ入ってるのは違和感しかなかった。
「異世界の茨城県では魚介ラーメンとすたみなラーメンこの2つのラーメンが高い知名度を誇っています。
水戸ラーメンは全国レベルで有名です。」
俺はここが異世界だと実感する。茨城県民でもすたみなラーメン知らない人がいるくらいなのに、すたみなラーメンが全国レベルで有名というのは俺にとって異世界だ。
「要するに魚介を活かしたラーメンとすたみなラーメンという珍しいラーメンのツートップでこちらの茨城県は発展しています。水戸納豆ではなく、水戸ラーメンが話題なのが異世界の水戸なんです。」
これが今の茨城県の現状。ラーメン県となった茨城県。この異世界で俺は納豆を広められるのか?というかそもそも……。
「女神様。何で俺はこの茨城県で納豆を広める必要があるんですか?納豆がない代わりにラーメンでこれだけ栄えてる茨城県なら、この異世界には納豆は必要ないんじゃないですか?」
そう。納豆を広める理由がない。俺は納豆のない茨城は魅力度がないから大変なのだと思っていた。納豆がなくてもラーメンという魅力があるなら、むしろ納豆より魅力的かもしれないものがあるなら……。
「水戸さんのいう通り、この茨城県はラーメンの効果で魅力度ランキング20位内に入っています。ですが、私が納豆を好きなんです。この納豆のない世界で女神として生きるのがつらいんです。だからこの茨城県が魅力度ランキング最下位になってでも、私は納豆を広めたいんです。」