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池畔の黎明

作者: 支倉文度

 陽が昇り、まだ冷たい色彩が降る

 空、土、水

 果ては頬を撫でる風にさえ


 水面を揺らし、可能な限りの光を飲み

 私に安息をもたらしてくれる


 空が映る

 草が映る

 土が映る

 わずかな陽の光も逃すまいと


 それは希望である

 それは新たな生命である

 それは世界の姿である


 そう言い聞かせてくるように




 しかし


 水の底には届かない

 水の中は暗いままだ


 それはモノクロと冷淡の世界


 目には映らない

 誰の気にもとまらない

 水の世界の闇の中では、きっと私は生きられない

 本当の意味での、冷たい孤独死だ

 

 大いなる正午がやってくる

 そのとき、水の中にはどれほどの色が降るのだろう


 「今私が見ているような鮮やかな世界ですか?」


 やわらかな泥と穏やかな水が私の視界を遮るというのに

 私の鼻と口を詰まらせるというのに

 


 私にようやく、安楽を与えるというのに




挿絵(By みてみん)

 


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― 新着の感想 ―
[良い点] イラストから広がる世界が魅力的でした。 『空が映る 草が映る 土が映る』という部分のリズム感も好きです。
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