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魔法手帖二頁 ルイスさんの家と、扉の魔法

突然の異世界到着から体感で一時間後。


…ルイスさんの家におじゃますることになりました。


警戒心がないと?

バカじゃないかと?

ええ、最初は思ってましたとも。

初対面の男性の家にホイホイついて行くなんて危険とか、声は良いけど中身が残念だったらどうしようとか。

でもね、知らない場所にふっ飛ばされて、いきなり野宿出来ます?

しかも、だんだん寒くなってくるし、お腹は空いてくるし。

だから不安はあるけど、ルイスさんからご飯と寝床の提供の申し出はありがたかった。

それにね、ルイスさん、それはもうスパっと言うんだよ?

「あ、もしかして襲われるかもとか思ってる?…うん、それはないかな。」

返事までの、ビミョーな間にアナタは何を考えたのかな?

…少しは照れるとか慌てるとか不審な態度とかして欲しかった。

万が一の時を考えて、家まで歩いている間に逃げ出せる算段はつけておこうと思いながら、ルイスさんについていくことを了承した。

了解、と軽く受けたルイスさん。

そして、ぽん、と手を叩く。


その次の瞬間。


扉だけが目の前に現れた。

ご丁寧にノッカー付きの、西洋風のアレですよ!

「なっ!扉?」

「エマが疲れていそうだからね、ちょっとね。」

唖然とする私を横目に、さっさと扉を開けてルイスさんは中へ入るように促す。

男だったら、何がなんでも歩かせるんだけどね、なんていい笑顔で言うルイスさん。

「ついでに、今はおとなしくしてるけど、まもなく魔獣が活動し始める時間になるから。ぼんやりしてると食べられちゃうよ?」

慌てて扉の中に飛び込むと、閉めた扉の向こうで重い何かが派手にぶつかったような音がした。…うん、野宿しないで正解だったわ。

家の中をぐるりと見渡せば、古い内装ではあるものの、掃除もされているようで、ひと安心する。

「あら、異世界からのお客様ね!ようこそ、歓迎するわ。」

まずは食事でもしようとルイスさんについて食堂とへ向かう途中、部屋の扉が開いて女の人が出てきた。

薄茶色の髪と、薄いグレーの瞳をした勝ち気そうな美人さんです。

ちなみに、ルイスさんは同じ薄茶色の髪と瞳は金色よりの茶色。声と同じように穏やかそうな、イケメンというよりは平均的な顔立ちでした。はい、すごく親近感がわきますね。


「私の名前はカロリーヌ。カロンて呼んでね。」

ご飯出来てるわよ、と言いながら美人さん、もとい、カロンさんが廊下の突き当りの部屋まで案内してくれる。

扉を開けた瞬間、それはもう、うっとりするくらいに料理の良い香りがした。

「そういえば、ルイス。後でいつものところに扉つないでおいて。食材買いに行きたいから。」


はい?


「ああ、今繋いでおくよ。エマに説明するのに、実際に見てもらったほうが早いから。」

そう言ってから先程入ってきた扉まで戻り、一回ノックすると躊躇うことなく扉を開けた。

森の中はとても暗く、夜だと思っていたけれど、実際はまだ夕方くらいらしい。

なんでわかるのかって?

それは、こちらも聞きたい。

目の前には、小さな花壇、敷地と道を隔てる柵、そして。

柵の外にあるだろう道を行き交うたくさんの人の姿が見えた。


ねぇルイスさん、なんで扉を閉めて開けたら全く別の場所にいるのです?





次話投稿の仕方がわからずバタバタしました(泣)

1〜2日間隔で投稿したいです←願望

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