表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エル・カダルシアの魔法手帖  作者: ゆうひかんな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/187

魔法手帖十七頁 土下座と、魔法手帖

「申し訳ない。」


誰が想像しただろうか。


世界を超えてまさかの『ザ・土下座どげざ』。


ちょ、強要なんかしてませんよ?!

元の世界で最上級の謝罪があるのかと聞くから、とりあえず土下座という謝罪の文化があって…と問われるがままに解説しただけなんだよ?!

そしたらね、気付いたら目の前でルイスさんが見事な土下座キメてるんだよ?!


私はどこで選択肢を間違えたんだろうか…



「部屋にノックもせずに突入した挙句、女性の着替えを覗くとは…」

え、いや、着替え終わってましたよ?

ただ、クローゼットにしまおうかなと思った寝間着がうっかり足元に落ちただけでね?

って、聞いてます?ルイスさん。

カロンさん、気持ちは分かるが食堂の机バンバン叩きながら爆笑しないでください?!

ルイスさんからライフがどんどん削れてるから!!

結局カロンさんが力技でいつもの姿勢に戻すまでルイスさんの土下座は続いた。


「で、一体何か起きたの、あの時。」

ひとしきり笑って満足したカロンさんから聞かれたので、魔紋様まもんようの発現から、繭玉モドキから本が出現するまでをざっくり説明した。


「で、その時出たのがこれなんですけどねー。」

手に意識を集中させると、魔紋様まもんようがぼんやりと浮かび上がる。

そして、そこから湧き上がるように本が現れた。


はい、こんなこと出来るようになったんですよ。


渋い赤の表紙に銀糸で花や蝶の舞う刺繍が施された華やかな装丁本。

持ち歩くのはちょっとためらわれる位の重さがあり、どうしようかな〜とか思ってたんですよ。

そんな空気を察した、ルイスさんが持とうとしてくれたのだけど、彼が触れた瞬間、金色の光を発して本は跡形もなく霧散しました。

消えたなーなんて思ったけど、体の中の何処かにあるような、不思議な感覚がしていて。

そういうと、ルイスさんがその場で指導をしてくれまして、練習&試行錯誤の末こうなりました。


「エマは割と器用なんだね。試行錯誤の末とはいえ、即日に出来るなんて優秀だよ。」

褒めてくれるルイスさん。

ありがとうございます!褒められて伸びるタイプなんです!

ちなみにこれができるのは魔紋様まもんようの効果のうち、空間魔法(収納)のおかげだとか。

ルイスさんも収納が使えるそうで、容量や性能は集められる魔素の量に比例する。

元の世界で例えるなら冷蔵庫。

買うのにも維持する電気代にもお金がかかる。

そして、容量が大きかったり、性能が良かったりすると、またまたお金がかかる。

このかかるお金が使う魔素の量だと思ってもらいたい。

とはいえ、この世界で収納が使える人はそこそこいるそうなので、たいして珍しくはないらしい。

もちろん、性能の部分は個人差があるようだけど。


あれ、カロンさんが下を向いてプルプルしている。

どうしたのかな、除け者にされたようで寂しかったのか?

…なんて、思っていた時もありました。


「…ほ、本物?エマちゃん!エマちゃんー?!」

カロンさんに拘束され高速でガクガクされました。

あ、やばい、私中身出ちゃいますよ?




「初めて見たわ!それがエマちゃんの魔法手帖なのね!」


はい?まほうてちょう?!





キター魔法手帖!

良かった〜たどり着けて!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ