一昨日打った麻雀を少し大げさに書いてみる
天鳳の三麻赤
35000点スタート
上家:エタさん
下家:siroさん
萬子→[○m]
筒子→[○p]
索子→[○s]
【東一局】
自分の親から始まった。――ドラは[白]。
[3p][5p][3s][4s][6s][9s][9s][東][東][南][西][白][發]
積もった牌は――[6s]。
まぁ三麻だし、親だし――序盤は染め手安定か……。
ドラの[白]は手元に残して、筒子を真っ先に落として――
そんなことを考える前に、[6s]が入ってくる。
南と西のどちらを先に落とすか迷ったが――[南]を切った。
次に入ってきたのは――[西]。
いいぞ――ツイてる。東家から始まったときは、なぜだか調子がいい。
七巡目に[北]を抜いて、ドラ1。
[3s][4s][4s][6s][6s][6s][9s][9s][東][東][西][西][白]――[2p]
と、いいところまで手が伸びていた。
途中で鳴くにしても、《対々和》《混一色》《ダブ東》《ドラ1》である。点数的には十分だろう。
このまま上がってリードを伸ばそうとした矢先に――
「ローン!」
九巡目。対面のエタさんが[發]を切った瞬間にsiroさんが笑顔でロン宣言。
「え――」
パタッと倒した手牌は――様々な種類の絵柄に彩られていた。
[1m][9m][1p][9p][1s][9s][東][東][南][西][北][白][中]――[發]
「《国士無双》……」
「おいおい! まだ東一局目なんですけど!?」
いきなり役満をぶっこんできたsiroさん。
自分の手牌の良さに目が行き過ぎて、河を見ていなかった――
それでも、まさか一局目で役満だなんて。いったい誰が想像しているだろうか。
エタさんの持ち点が、35000点から3000点へと一気に減る。
「まぁ、私ぐらいのレベルになると乱数いじっちゃいますからねぇ」
結構早い段階で聴牌っていたらしい。流石に乱数うんぬんは冗談だろうが――
自分も發を積もっていたら、真っ先に切っていただろう。
この先、自分も同じ目に遭う可能性を考えると、生きた心地はしない。
【東二局】
[1p][3p][9p][1s][1s][2s][2s][6s][7s][東][發][中][中]――[1m]
八巡目――エタさんは失った点数をなんとかして取り返そうと立直をかける。
こちらも同じ巡目で聴牌。鳴いているので《面前自摸》は付かないが、[發]と[中]で待っているため、必然的にどちらかに役が付く。
結果、十一巡目でsiroさんから[發]が出てロン。
索子の染め手。《發》《混一色》《ドラ3》。
子の跳満――直撃で12000点。トップであるsiroさんから奪う。
リーチ分である点棒を入れて13000点。
≪自分:48000点 siroさん:55000点 エタさん:2000点≫
次に上手く上がれば、逆転して終わりに持っていける点差まで近づいた。
【東三局】
[1m][3p][5p][6p][6p][2s][2s][6s][6s][7s][8s][西][中]――[1s]
真っ先に么九牌を切っていく。
七巡目からは、《清一色》も見え始めていた――
が、エタさんの5巡目リーチ。
逃げつつ、少しずつ筒子を削っていき、[7s]待ちの一盃口でリーチをかけるところまで持っていく。
しかし、次の巡目に引いたのが[9m]。[1s]を鳴いて聴牌状態だったsiroさんに振り込んでしまう。
《対々和》《混老頭》《ドラ3》
子の跳満で12000点。縮まっていた点差を再び開かれてしまった。
そして、親が一周したため――南入である。
【南一局】
再び自分の親。
――対面のエタさんの持ち点は1000点。対してsiroさんの持ち点は――自分の34000点よりも倍近い69000点だった。
状況は絶望的。逆転の可能性も無いことはないが、条件が厳しすぎる。
[1m][9m][1p][4p][5p][7p][3s][5s][5s][6s][6s][6s][白]――[5p]
[1m]、[9m]と捨てて行き、様子を見ていく。
七巡目になるころには――
[4p][5p][5p][7p][3s][3s][4s][5s][5s][6s][6s][6s][西]――[4p]
《一盃口》――うまくいけば《二盃口》まで見える形にまで来ていた。
ここで――ドラだが[西]を切った。
次で[4p][5p][6p][7p][4s]のどれかが入れば立直だ。
ツモ切り――
ツモ切り――
ツモ切り――
十一巡目で[7p]が入ってくる。
――[4s]待ち《七対子》!
「……立直」
牌を横向きに置き、点棒を出した。
自分が一位になるためには、エタさんからロンするわけにもいかない。かといって――中途半端な点数で自摸するわけにもいかない。
自分が聴牌して流局になったとしても、エタさんがノーテンならば最低でも1000点罰符で飛び――
結局、残された道は親倍以上で上がるか、siroさんからロンで上がるのみだった。
次の巡で[北]が入ってきたので抜く。
ここで自摸ってくれるなよ――
《面前自摸》と《嶺上開花》が付いても、親っ跳ねで18000点。
9000点オールで、≪自分:52000点、siroさん:60000点≫
奇跡的に裏ドラが乗れば、親倍で24000点。
12000点オールで、≪自分:58000点、siroさん:57000点≫で逆転。
ここで賭けにでるのか……?
……牌を見る。――[8s]。
少しホッとした。
これで――《立直》《断么九》《七対子》《ドラ1》。
逆転はまだ狙える――!
[8s]を切った――
「――カン」
ここにきての、エタさんの[8s]カン。
「なっ――」
ここでドラを増やした――!?
開いたのは[1p]。手牌でドラが増えはしなかったが、これで裏ドラの枚数も増える。
強烈な誘惑――だったが、当たり牌は出て来ず。そのまま流局した。
自分が聴牌に対して、二人がノーテン。それぞれに1000点罰符。
≪自分:43000点 siroさん:62000点 エタさん:0≫
「0点――!」
0点飛びルールじゃないのが救いだった。
「まだ――まだ終わりじゃない……!」
親の聴牌流局だったため、南一局は続く――
【南一局 二本場】
[1m][1p][1p][1p][5p][6p][3s][3s][4s][4s][5s][6s][東]――[東]
一巡目に[1m]を切る。
[3s][4s][5s]の一盃口を狙える――
最悪[東]で鳴いて役さえ付ければ、そのまま[1p]でカンしてドラを増やすのもアリなのだが――
「リーチ!」
「はっ!?」
siroさんが[中]を切ってダブルリーチ。
「ホントに乱数操ってんじゃねぇだろうな――!」
緊張感が倍に膨れ上がる。
「ノーヒント状態……」
こうなるともう、ただの運試しである。
祈りながら牌を切っていく。が、決して守りに入らない。
どこまで保つ――?
頼むぞ、俺の運――
三巡目――[2s]が入ってきた。
[1p][1p][1p][5p][6p][6p][3s][3s][4s][4s][5s][東][東]――[2s]
――が、ここで立直をかけず、[5p]を切った。
四巡目――[南]が来たが、そのままツモ切り。
点棒を出して、立直をかける。
ここからはもう――アクセルの踏み合いだ。
五巡目で[7p]――[5p]を切らずにいたら自摸だった。そのまま上がるわけにもいかないので、見逃してフリテンになる所。
あっぶない……!
そして――六巡目でsiroさんから[東]が出てきた。
「ロンだ!」
「――はい、《立直》《東》で50符2飜。4800点ですね」
リーチ棒や本場点を入れて現在――
≪自分:43000点 siroさん:62000点 エタさん:0≫
「遠い――」
まだ19000点差――
親っ跳ねでは足りない可能性がある。
「なかなか終わらないですねぇ」
「…………」
嬉しそうなsiroさんに対して――
諦めたのか言葉を発さないエタさん。
勝ちの見えない勝負を前に、ガリガリと精神力が削られてゆく。
そして――
【南一局 三本場】
――更なる絶望が襲ってきた。
[1m][9m][2p][4p][4p][1s][2s][2s][7s][7s][8s][南][北]――[1s]
ドラは[6s]。
ここからどう手を伸ばす――!?
七対子? それとも、ポンからの加槓でドラを増やして一発逆転を狙うか?
「いや――」
腹を括って、どの形に向けて手を進めるかを決めた。
ここから絶対にブレないという――覚悟。
粛々と、牌が切られてゆく。自分とsiroさんはそのまま面前で手を進める形に。
エタさんは[6p]と[白]をそれぞれ鳴いていた。
九巡目には一向聴。北がまだ手元に一枚ある。
まだだ……
次の巡には、また牌が入ってきた。手が進む。
そして十一巡目――聴牌。
ここで[北]を抜く!
――来い!
……二巡目に切った牌――[9m]だった。
まだ……!
「リーチ!」
「――リーチしていいんですか?」
絶対にここで引く訳にはいかない。最後のチャンスだ。
望みを託して――[9m]を切った。
「ポン!」
今の[9m]鳴きで、三副露。これでエタさんの手牌は四枚。
――さすがに聴牌だろう。
ポンなので、積もらずエタさんが手牌から牌を切る。
――来い!
……[8s]。当たり牌ではない。
そして、自分のツモ――
タァーンッ
指を離す。――[4s]だった。
来た――
「……自摸」
「あー、これでエタさんの飛びですね。点数は――」
倒した牌を見たsiroさんの表情が凍りつく。
[1s][1s][2s][2s][2s][3s][赤5s][6s][7s][7s][8s][8s][9s]――[4s]
「《リーチ》《面前自摸》《清一色》《断么九》《ドラ2》――」
「な……」
裏ドラを捲る。――[9s]。
「――《裏ドラ2》。13飜――数え役満です」
驚嘆する二人――いや、三人である。
自分も予想していなかったタイミングで当たり牌が来たため、これ以上の言葉が出て来ない。
そして――
「ははっ――」
「あっはっは!」
「くぁっはっ」
さっきまでの張りつめていた空気が嘘だったかのように、一斉に笑いだした。
夜中にも関わらず。外に聞こえるぐらい大きな声で。
「はぁー……面白かった……」
「そ、そこでっ……清一色まで持っていくんですか――」
「久々に……こんな大逆転をしましたよ」
意図してできたことではない。偶然の積み重なりの結果がこの大逆転劇だった。
自分の予想の外から来る刺激に、脳内麻薬が溢れ出てくる。
「さて――まだ打ちますか」
その日は三人で――
飽きるまで三麻を打ち続けた――
深夜テンションということもあるのですが。
なかなかの逆転劇だったので、小説で書いてみようと思ったわけです。
某MMD動画を見たのも一つの原因。
というか、隠す必要もないので言うと
【『真・雀鬼』の名シーンを東方キャラで再現シリーズ】です。
あの表情の細かさがたまらん。
しかし、点数やらなんやらが面倒でしかたない。
途中見直すまでは、立直分の飜を入れ忘れてたりしてたし。
牌譜見ながら書いてるのにこれだよ……!
予想以上に疲れた……。
そういえば、牌譜見て気づいたのは【南一局一本場】での謎のカン。
あれで、自分に入ってくる筈の[4s]をずらされていたという。
来てたらそのまま自模ってたかもわからんね……。