表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

春は突然やってくる

先) 「えー、突然だが、転入生を紹介する。」


え、ちょっと待って。私の学校、中高一貫だし、中学受験してきた子(内部生)と高校受験してきた子(外部生)は交わらないでしょ。なのになんで転入生くるの⁉︎普通に考えたら外部生の方に編入するんじゃないの⁉︎やだなー、今のクラスの雰囲気好きなのに…


先) 「えー、この子が新しく、4-Bに加わる新山亮(にいやまりょう)君だ。新山君は、両親の都合で我が校に来ることになった。皆、仲良くしてあげるように。」

亮) 「こんにちは!新山です!これからよろしく!ってあれ、高咲?」


え、今、新山亮って言った?嘘でしょ?だってさ、新山はさ、公立高校受かったんでしょ?しかも、別に両親とか兄が亡くなった訳でもないし、引越しした訳でもないし…しかも新山、今"高咲"って言ったよね?私に気づいたよね?あーもう本当に最悪!このクラスで目立っちゃうと、網山(あみやま)さんのグループに目をつけられて、もしかしたら真由と美音にまで、新山自身も武内(たけうち)君のグループから嫌がらせ受けるかもしれないのに…でも、くよくよ悩んでたら余計怪しまれるし…仕方ない、返事しよ。


瑠) 「え、えっと、人違いじゃないですか?」

亮) 「ま、その反応が高咲らしいな(笑)久しぶり!これからまた、よろしくな!」


え、なに、全然話噛み合わないんですけど!ってか、聞いてないんですけど!ほーんと、新山らしいわ。 ばれないように、くすっと笑った。






あれから、担任は提出物やら模試のことやら、色々話していたけど、私はそれどころじゃなかった。私達が知り合いだとわかった担任が、わざと私を新山の横にした。そこまではまだいいんだけど、新山はずっと話しかけてくるし、真由と美音はなんか嬉しそうだし、クラスの子からの視線は痛いし…でもまあ、なんだかんだ言っても、ちょっと嬉しかったな。まだ新山、私のこと覚えてくれてたんだ…もう3年半以上経ってるのに…新山のことだから、もう忘れてるかな、って諦めていたし、あの頃と違って髪も伸ばしてるし、顔つきも大人っぽくなってるし…しかも!身長もだいぶ伸びたんだよね〜。もうチビなんて言わせたくないし。それよりも何より、新山カッコよくなりすぎて…昔から社交的で明るかったけど、なんかさらにイケメンになってる…面影はあるんだけど…やばい、直視できない。笑い方も話し方も、なーんにも変わってないのに…


とか何とか考えてると、もう下校みたいで、みんなが

「腹へったー飯食いに行こうぜ!」とか

「もう部活とかありえないよね!」とか

「早く帰ろ!電車乗り遅れる!」とか言いながら、慌ただしく教室から出て行った。

真由と美音も、

「ごめん、今日早く帰んなきゃいけないんだ!」

「あとは仲良くやんなさいよ」とか謎の笑み浮かべたまま帰っちゃった。意味わからん。

新) 「なあ高咲、一緒に帰らねえ?ゆっくりお前と久しぶりに話したいしさ!」

はいいいいいいいいいいいいい?今なんて言った?一緒に帰る?話したいことある?え、なんか嬉しいんですけど照れるしっていうかこれカップルみたいじゃん!まあ、断る理由も特にないから、一緒に帰るか。

高) 「いいよっ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ