過去
あの男を探し、ディーナと旅をし2週間たった。
サングラス,葉巻,顔に大きな傷としかない。ディーナはあの男の顔は知らないとのことだ。 [恐らく裏切り者を処分する腕のきいたやつだとか]
昔の名前を呼ばれたときディーナの瞳は怒りに震えていた。
「ディーナ,話を聞かせてくれないかな?その....過去のことを」
「!」
ディーナは動揺している。
「レオニード....この争いの地ができた理由わかるか?」
「いや,知らない。むしろなんでこんな争いができたのかなんて疑問に満ち溢れてるね。」
当たり前だ。生まれたときからこんな地だ。
「争いの地ができたのは,私の祖父のせいなのだ。」
それからディーナは話を続けた。
「祖父の子供時代は平和だった,暴力で解決なんてむしろもってのほかといったところ。しかし祖父は,話し合うよりも力の時代だとつねに思っていた。弱いものは強いものの餌食に,まさに弱肉強食だ。祖父が20歳になったときだ,彼は政治家として活動を開始,26歳で若手の実力者なんて言われるぐらい説得があった。そして30歳。全ての権力を祖父は手に入れた。」
「まさか,そのあとって....」
「そう,全ての権力を手に入れた祖父はありとあらゆるものを暴力で解決し始めた。強いものしかいらない世界を」
ディーナは虚ろになりながら続ける。
「父もその教訓の上最強の兵へとなった。銃,ナイフなどありとあらゆる武器を使いこなせるものに。父は祖父よりも力はあったが頭がなかった。祖父が亡くなった後,父は次の候補となる権力者を片っ端に殺した。そして,現在私も訓練され生き延びる術を授かった。しかし私は父に反対だ。もう殺し合うのも見たくない。父とは2年前に勘当してる。」
ここまではわかった。しかし,一番の謎が残る。
「でもなんで争いの地に?」
「父が作ったものがある。弱肉強食法というものがね。」
聞いたこともなくふざけた法を制定したものだと思った。
「弱肉強食法というよりも生き残りをかけたサバイバルゲームというものかな。最後に残ったものを権力者にするという父の決めたものだ。つまり最後の一人になるまではこの争いが終わらないのだ。そして死んでいく」
身震いがする。
人がいなくなるまで争う?こんな世界間違っている。
むしろ前のときみたいに平和をなぜ望まない?
レオニードは空を見上げた。
空は相変わらず綺麗だ。この残酷な世界とは違って。