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3-12 久々のクエストでキノコ狩り





「あ~、こっちのキノコおいしそうじゃない?」

「ダメです、それは毒キノコですよ」

 三十七階に到着したオレたちは、まずは階段から一番近いキノコの生えているポイントに向かい、三人でキノコ狩りを楽しんでいた。今までまったく興味なかったけど、結構楽しいわキノコ狩り。意外だ。

 黄色いキノコを手に取り、リアに見せる。

「これなんか、形は舞茸っぽいな」

「まいたけ?」

「見つけた人が嬉しくて踊りだすくらいウマいからそう言うらしい」

「あっはははは! じゃあルイ、踊ってよ! なんでもいいからさ!」

 うっせ! 誰が踊るか! てか、そもそもこれ舞茸じゃねーから!

「あ、こちらにもいっぱいありますよ」

 そう言ってステラが手招きする。ほら、ステラが真面目に働いてんだからお前もちゃんと働けよ?

「もう、ルイってばしょうもない事ばっか言ってないで、マジメに働きなよ」

 こっちのセリフだよ! お前さっきからクエストと関係ないキノコばっか採ってんじゃねーか!






 しばらくして、オレの肩かけカバンAの中はキノコでいっぱいになった。てか、リアがなんかマイバッグを持参してんだけど……。

「お前、なんだよその袋」

「何って、せっかくキノコ狩りに来たんだからおみやげ持って帰りたいに決まってんじゃん」

 決まってんじゃん☆ じゃねーよ! 手伝えよ! てか、何袋いっぱいに詰めこんでんだよ!

「ステラ、後で半分こしようねー」

「え、いいんですか?」

「いーのいーの、私とステラの仲じゃない」

「あ、ありがとうございます……」

 おい! オレの分はないのかよ! ステラもまんざらじゃない顔しちゃってるし! 少しはオレの事も気にかけてくれよ!


 せめてこれだけはと、オレはステラに肩かけカバンをかけてもらい、恒例の妄想撮影会を始める。うん、やっぱりパイスラは最高だぜ……。

 オレたちから少し離れた所では、リアがオレをゴミでも見るかのような目でニラんでいる。はん、お前みたいなぺたんこ娘がやったって特定の層にしか受けやしねえんだよ……うおっ!? リアが殺意のこもった視線をオレに向けている!? なんだアイツ、オレの思考を読んだのか!? いやいや、気にせず撮影会、撮影会……。











「じゃあ次は、ここの薬草採りに行こっか」

「おう」

「そうですね」

 撮影会(?)も終わり、オレたちは次のスポットへと向かう。さっきからリアはオレとまったく視線を合わそうとしない。ケッ、せいせいするぜ。

 とか強がってはみるものの、内心結構デカい心理的ダメージを受けてるんだけど。

 この階は深い森の中って感じになっていて、周りは薄暗く緑のニオイもキツい。もっとも視界はそこまで悪くなく、所々木々が開けた場所がある。またキノコでも探しているのか、リアが先頭に立ってキョロキョロしている。

 と、道を右に曲がり木陰で姿の見えなくなったリアが声をあげた。

「わ、何この生き物~。ヘンなの~」

 なんだ、なんかいたのか? オレたちも後に続いて右に曲がると、リアがなんだかよくわからない生き物四匹と向かい合っていた。なんだアレ……? 子供くらいの大きさのタケノコみたいなヤツだな。触手っぽいのが四本生えてる。

 リアが珍しそうに近づこうとしていたが、その時突然ステラが叫びながら猛然と走り出した。

「危ない! 離れて!」

「え? ステラ?」

 切羽詰ったステラの声に、ビクリと身をすくませるとリアが後ろへと飛びずさる。なんかネコみたいだな。

 かわって斧を構えたステラが四匹のタケノコと対峙する。その表情は険しく、形の整った額からは汗が一筋、二筋と流れ落ちている。え、何? このタケノコってそんなにヤバいの……?



 




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