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3-2 そんなバケモノが出るのかよ!




 五十一階へとやってきたオレたちは、目的地の五十三階めざしてダンジョンを下りていく。

 その間、前を行くギュス様はセーラさんとあれこれしゃべってる。

「高名な槍兵であるセルヴェリア殿とこうしてごいっしょできるとは、私も大変うれしく思います」

「こ、こちらこそ、調査隊長で文化科学庁の長官であるギュスターヴ様とごいっしょさせていただけて、こ、光栄です……」

「ああ、申しわけありません。今我々はルイさんのパーティーの一員でしたね。私のことは皆さん同様ギュスターヴと呼んでください、セーラさん」

「は、はい! よろしくお願いします、ギュスターヴさん!」

 どうやら二人ともなかよくやってるみたいだね。

 リアが横からちょいちょいとオレをひじでつついてくる。

「なんだよ」

「ねえねえ、あの二人、結構お似合いだと思わない?」

「んん~? まあ、たしかにな」

 二人とも美男美女だし、まじめだしな。オマケにチョー強いし。

「年も近いし、ちょうどいいと思うんだよね~。セーラさん、その気はないのかな?」

「その気も何も、こうやってしゃべるのは今日がはじめてだろ。まあ、これからなんじゃないか?」

「そだね~。もしその気があったら、私たちで応援してあげないとね」

「よけいなお世話って気もするけどな」

 まあ、でもホントお似合いだよ実際。こうして後ろ姿見てるとな。

「ステラとギュス様もお似合いだと思うんだけどさ、セーラさんはギュス様くらい強い人じゃないとつり合わないかもね~」

「ステラはギュス様いいとか思ってるの?」

「え? い、いえ、もちろんすてきな方だとは思っていますが……」

 そう言うと、ステラが顔を赤くして目をそらす。くっ、やっぱ強くてイケメンはモテるか。ギュス様、これ以上オレから女の子を取っていかないでくれよ。


 で、その道中ギュス様にいろいろと質問するわけだけど。

「セーラさんにも聞いたんすけど、五十三階ってどんなところなんすか?」

「そうですね、この五十一階や五十二階をもっと広くした感じでしょうか。かなり広いダンジョンです」

「あ、ステラがいつもの斧でオッケーって言ってましたもんね~」

「ええ。セーラさんも戦いやすいフロアですよね」

「はい、思う存分戦えるのでやりやすいフロアです」

 おお、そいつは頼もしいね。セーラさんが全力で戦えるなら、オレたち何も心配せずにクエストできるよ。

「モンスターはどんなのが出るんすか? 五十三階から急に強くなるって聞いてるんすけど」

「その通りです。五十三階からは一階下るごとにモンスターが格段に強くなります。あの階だと、イビルワームや鋼鉄ムカデなどの虫系モンスターがやっかいですね」

「えー、私虫ニガテ~」

 いや、虫ニガテ~、じゃねえよ。ちゃんと戦えよ?

 あ、でも返り血がわりの変な粘液を浴びたステラとか、ちょっといいかも。

「他にもいろいろとやっかいなモンスターがいるのですが、最も手ごわいのはやはりアースドラゴンでしょう」

「ア、アースドラゴン!?」

 いかにも強そうなモンスターの名前に、オレとリア、ステラ、そしてベティちゃんまでもが叫ぶ。

「はい。まあ、めったに遭遇することはないのですが、それでも調査隊も何度か遭遇していますから。あれは私たちでも大変な大物でしたね」

「私も調査隊をお手伝いした時に、一度戦ったことがあります。あの時はリシュリュー様もいらしたので事なきをえましたが、もし私だけだったらと思うとぞっとします」

 セ、セーラさんにそこまで言わせるほどのバケモノなのか……。セーラさんなら、ドラゴンの一匹や二匹サクッと倒しちゃいそうなのにな。

 オレたちを安心させるかのようにギュス様が言う。

「まあ、そうそう出くわすようなモンスターじゃありませんよ。そんなに心配しないでください」

「なーんだ、も~。ビックリさせないでくださいよ、ギュスターヴさん~」

「はじめから言っていたでしょう、めったに遭遇しないと」

 ほっ、なんだよ、おどかさないでくれよギュス様。マジで戦わなきゃなんないのかと思ったじゃん、一瞬。

 と、前を行くギュス様がオレたちに注意をうながす。

「さあ、五十三階への階段が近づいてきましたよ。皆さん、気を引きしめてくださいね」

「うっす」

「了解で~す」

「わかりました」

 よーし、いよいよ調査隊でもキビしい五十三階だ。ヘマしないよう、オレも気合入れていくとするか!





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