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番外編 新年おめでとう!

あけましておめでとうございます!


今年もどうぞよろしくお願いします。




「あけまして、おめでと――!」

「あけましておめでとうございます!」

「あけましておめでとうございます」

 オレとリアが声をそろえて叫び、ステラとベティちゃんがそれに続く。

 おー、ついに新年か。まわりからも、歓声と拍手がどっとわいた。盛り上がってるなー。オレ、初詣とか行ったことなかったけど、こんなに盛り上がるもんなのね。

 オレたちもお互い新年のあいさつをかわす。

「みんな、今年もよろしくね~」

「こちらこそよろしくお願いしますね」

「おう、よろしく」

「今年はさらに飛躍できるといいですね」

 おおう、さすがというか、ベティちゃんはあいかわらず上を見てるな。

「まかせとけよ、オレがバッチリサポートしてやるから」

「ルイはそろそろ新曲作ってよ、それとももう才能使い切った?」

「ほっとけ!」

「私も今年はもっとがんばります」

「いいね~ステラ、その調子だよ~」

 ま、ホントみんな今年もよろしくな。

 それにしても、思えば今年はホントいろんなことがあったぜ……。てか、こっちの世界に来たことが何より一番のビッグニュースなんだけどさ。

 一人感慨にふけっていると、リアがオレのそでをぐいっと引っぱった。

「ほら、ボサッとしてないで行くよ」

「わっ、引っぱんな。行くってどこにだよ」

「決まってるでしょ、あれだよあれ」

 リアが指さした方を見ると、教会に向かってすでに長い列ができていた。うわっ、なんだあれ?

「早く並ばないとお参りできないでしょ? さ、みんな並ぼ~」

 そう言ってリアはオレを列へと引っぱっていく。だからそでを引っぱんな! 自分で歩くよ!


 列は教会の中までずーっと続いてる。えー、これ並ぶのー? オレ、ラーメン屋に並ぶのもガマンならないタイプなんだけど。

 しぶしぶ列に並んでステラやベティちゃんと雑談する。あれ、リアはどこ行った? と思ってると、いつの間にかリアが両手に何か持って戻ってきた。

「はい、食べもの買ってきたよ~」

「ああ、出店に行ってきたのか」

 教会の広場にはここぞとばかりに出店が立ってるしな。リアはちょっとした豆スープを買ってきたみたいだ。

 オレもそれを受け取ってぐびりと飲む。うん、庶民の味だな。


 しばらくすると列が進んで教会の中へと入る。

 列の向こうには大きな女神像が見える。どうやらあれに向かって並んでるようだな。

「もしかして、あの像にお参りするの?」

「いや、他に何にお参りするっていうのさ」

 わかってるよ、聞いてみただけだろが!

「じゃあ質問ついでにもう一つ聞くけどよ、お参りする時はどうするんだ?」

「特にこれといった決まりはありませんが、手を二回たたいて頭を下げながら願いごとをするのが一般的ですね」

「へえ、サンキューステラ。どっかのちびっ子と違って、ステラはホントやさしいよな」

「むっ、ルイのくせにー」

 がるると牙をむくリアにあかんべーしながら、オレは列が進むのを待った。


 やがてオレたちも女神像の前までやってくる。

「みんな、願いごとはもう決まった?」

「おう」

「はい」

「大丈夫です」

「よし、じゃあ行くよ~」

 女神像の前に出ると、オレは言われた通り二回手をたたいて頭を下げる。

 う~ん、何を願おうかな……。とりあえず、みんなにあいそをつかされませんように。あと、チーレムとまではいかなくていいから、みんながもう少しオレにやさしくしてくれますように。それと、できればステラやマリ様ともうちょっとだけなかよくなれますように……。

 と祈ってたら、えりの後ろをぐいっと引っぱられた。

「うおっ!?」

「ちょっと、いつまで祈ってるのさ。よくばりすぎだってば」

 リアに引きずられ、オレは女神像の前からはなれる。

 ステラが少し困ったように笑った。

「ルイさん、気持ちはわかりますが、他の方もいらっしゃいますから」

「う、うん……」

 うう、ステラに怒られた。

 そんなオレをよそに、リアがみんなに聞く。

「みんなは何お願いした~?」

「私はもっと強くなれるようにお願いしました」

「わたしはもっと人のためになれる人間になりたいと願いましたね」

「うわ~、二人ともマジメ~」

 感心した様子のリアに、オレは聞いてみる。

「そういうお前はどうなんだよ」

「え……べ、別になんでもいいじゃん」

「お前ズリぃな、人の願いごと聞くだけ聞いといて」

「そ、そういうルイはどうなのさ」

「オ、オレのは別にいいだろ」

「いいから言いなよ」

「お前が言ったら言ってやるよ」

「はー? ルイが先に言ってよ」

「いや、お前が先に言えよ」

 オレたちがそんなやりとりをしてると、ベティちゃんがため息をつく。

「はあ……。似たものどうしとは、こういうことを言うんでしょうね」

「それだけ仲がいいということですよ」

 ステラが苦笑する。

 オレも言いあいっこにいいかげん疲れたので、切り上げてステラとベティちゃんに向かって言う。

「でも、オレも今年はもっとみんなの役に立てるようにがんばりたいかな。今年もよろしくな」

「こちらこそよろしくお願いします。私もがんばりますね」

「わたしはもちろんそのつもりです。皆さん、よろしくお願いします」

「私も私もー! みんな、がんばろうね!」

 話がまとまったところで、オレたちは教会の広場へと出た。

「さて、これからみんなどうする?」

「決まってます。これから食料を買いこんで皆さんの家でお祝いです」

「おお、ベティちゃんの口からそんな言葉が出るとは意外だぜ」

「わたしだってそのくらいはわきまえてます」

「それでは、そこの出店で買いこんでいきましょう」

 よーし、そうと決まれば宴の準備だ! オレたちの正月は、まだまだこれからだぜ!





というわけで、カウントダウン&初詣回でした。


作者としては、今年は本編完結への筋道をある程度示していきたいと思います。

エンディング自体はほぼできあがっているんですが、そこまでにこなすイベントなどがまだ固まりきっていない状態です。

話数的には来年まで続きそうですが、どうか今後もよろしくお願いします。

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