番外編 みんなで年越し!
今年はこんなショートストーリーを書いてみました。
短い話ですが、ルイたちといっしょに年越ししている気分になってもらえればと思います。
すっかり冷えこんできた真夜中、オレたちはとある理由で教会の広場に集まっていた。
その理由なんだけど。
「わー、やっぱりすっごい人だかりだね~」
「皆さん、これを楽しみにしていますからね」
「わたしは教会で祝うのははじめてですが、これはすごいですね」
リアとステラ、そしてベティちゃんがまわりを見ながらわいわい言ってる。
そう、今日は一年最後の日。オレたちはこれから年越しして初詣しようと教会に集まっているのだ。
「お~、たたいてるね、鐘」
「この音を聞くと今年も終わりって感じがしますね」
「108回たたくのは古の聖人の人数に合わせているとわたしは聞きました」
「えー、私は英雄王ルイ一世がやっつけた魔物の数って聞いたよ?」
「由来には諸説あるみたいですから」
建物の方を見れば、結婚式で鳴らされそうな鐘がカーンってたたかれてる。108回とか除夜の鐘かよ。初詣といい、見た目思いっきりキリスト教チックな教会なのにイベントは思いっきり日本式だな。
さすがに着物を着たりはしてないが、ステラなんかは髪を結い上げててなんだかそれっぽい。みんなコートを着こんで、教会の方を見上げている。
視線の先には、明かりがともった時計みたいなのがあった。星座バトルもののマンガであんなの見たことあるぞ。ざっと30個くらいの明かりがマーブルチョコリングみたいに円形に並んでる。
と、まわりがおおっ、とどよめいた。
何事かと思って輪を見ると、明かりが一つ、二つと消えていく。おお? なんだあれ?
「あ、始まりましたね」
「いよいよカウントダウンだね~」
「あれが全部消えたら新年ってこと?」
「それ以外に何があるというんです?」
「う……」
そうか、あれが時計がわりなのか。こうして見ていると、だいたい二秒くらいで一つずつ消えてる感じだな。
「さー、そろそろカウントダウンだよ」
テンションの上がった声でリアが輪っかを見つめる。明かりも半分が消え、いよいよ残り少なくなってきた。
「残り十個ですね」
「それじゃいくよ~」
まわりではもう十、九とカウントダウン始めてる人たちもいる。その声がだんだん重なってきた。いよいよ年明けか。
よし、オレも気合入れてカウントダウンするか!
オレたちも声をそろえて大きく叫ぶ。
「ご――お!」
「よ――ん!」
「さ――ん!」
「に――い!」
「い――ち!」
続きは一時間後!
皆さん、よいお年を!




