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4-14 ついにAランク!




 ゲートを抜けてギルドへと戻ってきたオレたちは、受付のアンジェラのところへ向かう。

 受付のある大部屋は結構人が増えてきてたけど、オレたちがやってくるとしんと静かになる。まあ、そりゃ『氷帝』がいたらビビるよな……。そして、そのセーラさんと普通にしゃべっているオレたちに好奇の目が向けられる。

「あら、おかえりなさい。今日もおつかれさま」

 オレたちに気づいたアンジェラが、こっちに向かって手を振ってくる。毎度のことながら、お姉さんの笑顔には癒されますわ……。

「ただいまー、アンジェラ」

「ふふっ、おかえりなさい」

 リアに笑顔を返すと、アンジェラが少し嬉しそうな顔をした。

「あなたたち、いつの間にセーラと仲よくなったのかしら? リアなんてあんなに怯えていたのに」

「お、怯えてないもん!」

 口をとがらせて抗議する。いや、さっき怖がってごめんなさいってあやまったばっかだろ。

「ルイ君もすっかり仲よくなったみたいね。何かあったのかしら?」

「別にそういうわけじゃないけど、セーラさんがスゴいいい人だってわかったからな」

「そうそう、強くて美人でやさしいし、料理も上手なんだよ~」

「あらあら、すっかりなついちゃったみたいね。よかったわねセーラ、仲よくなれたようで」

「はい」

 姿勢よくセーラさんがぺこりとおじぎする。うーむ、無口系美女ヒロインだなあ……。

 ステラとベティちゃんも、口々にセーラさんをホメる。

「初めて間近で拝見しましたが、噂以上の槍の冴えでした。状況判断も的確で、私も前衛として、セーラさんの戦い方を見習いたいと思いました」

「全体的な戦況の判断は本来わたしのような後衛が行うべきなのですが、そのわたしよりも状況が見えていらして、負けてはいられないと痛感しました」

「二人とも勉強になったみたいね。セーラ、これからもこの子たちのことよろしくね?」

「はい、もちろんです」

 セーラさんがぺこり、と頭を下げる。

 その後もしばらくオレたちがセーラさんのスゴさをホメていると、アンジェラが思い出したように口を開いた。

「そういえばルイ君、あなたそろそろAランクになってるんじゃないかしら? この前のクエストでレベル50になってたわよね?」

「あ、もうそんなになるのか」

 アンジェラに言われて思い出す。そういやそうだったな。

 リアとステラが口々に言う。

「あ、じゃないって! ほら、早く早く!」

「そうですよ、さあ、早く」

「お、おう」

 二人とも興奮してるなー。リアなんか、いつもはまたレベル上がってズルいとか言ってるのにな。

「はい、それじゃこれをつけてみて」

「ああ」

 アンジェラから腕輪を受け取ると、すぽっと腕にはめる。球がどんどん光り、ゲージがのびてって……。

「おお!」

「おおー!」

 オレとリアが叫び声を上げる。やった、十個の球が全部光ったよ! レベルアップだ!

「やったわね、ルイ君! これであなたも、ついにAランクの仲間入りよ!」

「凄いです、ルイさん!」

「おめでとうございます」

「やったー! ルイ、Aランクだよー!」

 みんな口々にお祝いの言葉をかけてくれる。あ、セーラさんもパチパチ拍手してる。

「これはもうお祝いだねー」

「そうですね、日をあらためてお祝いしましょう!」

「わ、わたしも参加してさしあげてもいいですよ?」

「おう、みんなサンキュー」

 なんかこれをダシにパーティーしたいだけって感じもするけど、それはそれでいっか。正直Aランクになった実感とか全然ないけど、素直に喜ぶことにするぜ。

「そうだ、セーラさんもいっしょに参加しませんか?」

「私も、ですか?」

 オレが誘ってみると、セーラさんがきょとんとした顔をする。

「そうっす、オレがレベルアップしたのもセーラさんのおかげだし。あ、いや、忙しいなら無理にとは言わないっすけど……」

「いえ、仕事は大丈夫です!」

 ちょっとあわてぎみにセーラさんが叫ぶ。おおう、ちょっぴりコワい……。

「でも、いいんですか? 私がお祝いの席にまざったりして……」

「もちろん、むしろぜひ来てください! な、リア!」

「そうそう! セーラさんもぜひ来てください!」

「私もあなたに来てもらえると嬉しいです」

「それに、いろいろ勉強にもなりますしね」

 オレたちの誘いに、セーラさんもぺこりと頭を下げた。

「そ、それじゃ、私も参加させてもらっていいですか……?」

「もちろんっす! ありがとうございます!」

「やったー!」

「ありがとうございます、セーラさん」

 よかった、無事参加してもらえそうだ。ベティちゃんもうんうんとうなずいてる。

「それじゃあなたたち、お祝いの予定が決まったら後で私に教えてね。セーラには私が伝えておくから」

「りょーかーい」

 リアが手をひらひら振って答える。

 そんなリアに笑みを返すと、アンジェラは嬉しそうに言った。

「セーラ、今まではあまり友だちがいなかったんだけど、あなたたちと会わせたのは正解だったようね。これからも仲よくしてあげてね?」

「おう、もちろん!」

「むしろ私たちの方こそ、これからもご指導よろしくお願いします」

「お願いしまーす!」

「よろしくお願いします」

 そう言って、オレたちは再びぺこりと頭を下げ合う。

 それから、リアがはいはーいとセーラさんに質問した。

「セーラさん、どんなお店がいいですか? 私たち、いつもはよくモンベールでパーティーしてるんですけど」

「モンベールですか、楽しそうですね。私はなかなかそういうお店に行く機会がなかったので」

「でしたらモンベールに行きましょう、セーラさん! 私のおすすめを教えてさしあげます!」

「ステラさんのおすすめ!? ぜ、ぜひお願いします!」

「では、お店はモンベールで決まりですね。日時はいつにしますか?」

「そうですね、それでは……」

 スゲえなあ、女の子たちってマジですぐ仲よくなるな。

 アンジェラがにこにこしながらつぶやく。

「あの様子だと、すぐにパーティーの予定は決まりそうね。ルイ君、セーラのこと、本当によろしくね?」

「お、おう」

 言われなくてもわかってるさ。てか、セーラさんと仲よくなれてマジで心強いぜ。

 よーし、Aランクになったことだし、パーティーも楽しむことにするか!




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