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皆、皆、生きているんだ、友達なんだ。
そんな歌がある。
では、生きてるとは言えないような人は?
それは人ではない。だから、友達ではない。
そう思われるのだろう。
私は今、退屈している。
一言で言えば、暇の一文字。
何故こんなに暇なのだろう……。
哲学的過ぎて私には分からないや。
はぁ、える君は真面目だな。皆も真面目……私は不真面目。
何故こんなに暇なのだろう……。
黒板を何度もチョークで叩く音が聞こえてくる。皆はそれを一心不乱にノートに書き写している。ハッキリ言えば、まるでロボットのように皆が同じような動きをしている。
それを一番後ろで見ている私からすれば、気味が悪いの一言で表せる。
これは生きてるの? これは人なの?
私の趣味が人間観察になりそう……。
どうも授業をまともに受けようと思わない、思えない、とてもじゃないけど無理な私こと見宙です。
いや、本当に小学校時代もさることながら、中学校の授業もつまらないな。何かしないと、と思ってはいるんだけど。
中々ね……。
転生前である記憶が憎たらしくもありありと存在感がある上に、私の娯楽という娯楽の殆どを邪魔してるようにしか思えない。
現に、こんなの知ってるよという内容の授業の面白さなんて無いに等しい。
時々える君に、中学授業の派生先である高校生がやるような問題を出しては困らせてニヤニヤしてるけど、それもやり過ぎると嫌われちゃうからな。少し自重してレベルは低め。
一日一回までとえる君に交渉済みで、もうそれはやってしまった。ちなみに結果は、える君の正解だ。いつのまにかドンドン知識を吸収していくえる君に私は舌を巻くしかない。
でも、一日一回まで……。
つまりは今、暇なのだ。
携帯もといスマホは貴重品に部類するので律儀に家に置いてきてしまったし、大学の勉強を今からしようだなんて……ん? それもありか。
でも、目立ちそうなので止めておくしか選択肢が無い。ハッキリと言おう、人生詰んだ。
鬱になる五秒前って状態のなか、先生がコチラに視線を向ける。目線はハッキリと私だ。目線の後ろをたどり振り向くも後ろには誰もいない。
何だろうね?
「暇そうね……この問題出来るかな?」
そして出された問題は……何だ、これか。
とりあえず、考える振りをしながらも私は黒板に向かい、黒板に字を書き始める。あっ、ちょっと丸っこい癖字になってしまったけど良いよね。
「出来ました」
言葉数少なく私は席に戻る。
先生は黒板の答えを見て合ってるかを確認してる。間違うはずもないんだけどな。
隣のえる君はこちらを見て、「流石、頭良いね」とアイコンタクトで伝えてくる。ので、私も「ありがとう、でもそれほどでもないよ」とアイコンタクトで返す。
他人からみれば見つめあってるだけなのだが、アイコンタクトで伝わるものは伝わるのだ。
何て言ったかな、確か「クオリア」ってヤツが関係するとかなんとか。大学の講義で聞いたことがある。
いや、「パロール」その言葉が一番適切だろう。
その言葉自体、言葉、メッセージを意味する。
人は、人の表情を見ただけでも、その人の感情……つまりメッセージを受け取っている。アイコンタクトはそれに言葉を乗せただけなのだ。
言葉にしてみれば簡単な、いや、どちらも曖昧にしか伝わらないのが、伝える意志……それが「パロール」というものだ。
メッセージには思いが込められ、受信者側に届ける。
そこには雑音や減衰が生じる。それは仕方の無いこと。
私はスケルチ回路みたいな雑音を0にするようなものはない……でも、伝わる。それが「クオリア」である。
~~の感じというのは正に、雑音や減衰が生じた「パロール」の事だろう。理想的なものはそれが生じない物なのだが、そんなものは無いに等しい。
える君に伝わるのか私には分からない。
でも私にはえる君のパロールは伝わる。
ちなみにこうして見つめあってると、私の頬辺りが段々と熱くなるのを感じてくる。える君は女顔だけど、イケメンでもあるから。
ん? える君も顔が赤くなってるような?
もしかして変なパロールでも――!?
「ん、んんっ!」
「あっ……と」
暫く見つめていると、先生がごほんとわざとらしく咳をする。える君はあっと思い出すかのように目をそらし、授業にまた集中しだす。
私は……また暇になってしまった。
こんな話がある。
何かをしたい時、何かをするのではなく、何かをしようと計画を立てることの方が効率が良くなると。
つまりは私は計画表を立ててみようと思う。
取り出すのはルーズリーフとシャーペン。
まずは今日、4月18日(火)。
すべきことはっと……。
える君……?
える君を愛でる?
何か違うな、何だろうね。私には分からないや。計画は無難が一番らしいが、愛でるのに無難な度合いが分からないや。どうしようか。
私は考える。
そして思い付いた! そうだ、部活に入ろうと。
まだ部活動に入れる期間だから、この授業がおわってからでも見に行こう。勿論、える君と一緒に。
私は計画表に「部活見学」と書いた。
える君とミソラの成長劇Ⅲ~
「える君、これは伝わる?」
「お も て な し?」
「おしいっ」
「むっ、結構いい線いってると思ったのに」
「確かに惜しかった」
「じゃあ、正解! プリーズ、アンサー!」
「お も ろ な い!」
「……おもろない」




