表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神は人の死を望まない  作者: ByBuyBy
死神は否定
12/40

*12

よく見てください!

 三話連続投稿ですよ!?



 まだえる君には居てほしい。失ってほしくない。そんな望みを叫ぶ。



 「える君、える君。える君!

 死を望んじゃダミェーーーー!!!」



 否定の思いは力となり、それに答えるように自律的に行動しだした。


 えっ! と驚き慌てそうになるが、何となくこの腕だけは離してはならないと思い、離さなかった。


 胸の奥から込み上げる何かが、える君の腕に繋がる。


 その経路を辿るように、僕の胸にある青の焔は、える君の腕に小さくなり消えかかっている焔に移る。



 ――ゴゥ、ゴオォ! ォゥ……。



 一瞬に紫色と初めて見る色となり、思わず声を出したくなるくらいに大きくなり、拳大に戻る。


 正に一瞬の出来事であり思考が追い付かないでいると、紫色の焔はまた赤と青の焔に分離する。そして、それぞれ持ち主である所へ落ち着き、共に拳大の焔となる。



 「える君……」



 それでも心配で、える君の顔を覗くと、その目には光を取り戻しつつあった。僕は心の底から歓喜した。



 「える君!」


 「ミソラ……ん?」



 そして、える君に抱き締める。



 「える君……良かった、良かった、良かったぁぁあ~! あぁぁぁあうぅあぁぁ~ん!」


 「ミソラん……そっか、そうだった……ごめんね、心配かけて、ごめんね、本当にグスッ、うわぁぁあぁ~ん!」



 最近は互いにしてはされての抱擁も、今だけは匂いやその感触が余りにも懐かしく、暖かく感じてしまった自分も、える君も泣き出した。


 止まっていた時を取り戻すように泣き出した。


 両親が何事かと来た時も、泣くことはなく止められず溢れていった。


 今日だけ、とある一軒家からは泣き声が漏れ聞こえていた。





 「お休みぃなさい」


 「ミソラんもおやすみ」



 その後、泣き疲れた自分とえる君は、同じベットに寝ることにした。そして、何度も求めるように抱き締める力を込めて眠った。




 ――――




 「眠ったわ、明日には元気に戻るかもね」


 「ん。そうか、える君には、これからが辛いかもしれないからな」



 薄明かりのリビング、二人揃ってソファーに座る姿がある。


 見宙の両親だ。話す内容は勿論える君について。


 最近仲良くなり始めた付き合いの中のえる君両親が、目の前で死んだのだ。二人だってショックであった。


 でも、子供らも、それは同じであり乗り越えようとしている。なら、大人である自分達が弱音を吐くわけにはいかないのであった。



 「ねぇ、私達で何とか出来ないかな」


 「ん。必要とあれば……助ける、全力で」



 「ふふ、父親の顔ですね」


 「一応、父親なんだけどな」



 父の不貞腐れた声に、あらあら、と母は苦笑する。


 父は母に腕を肩から腰に回し、見つめ合う。そして、母は父の唇に唇を押し付ける。


 昔に戻ったような気分で、二人も抱き締めあった。





 ◇◆◇◆◇◆◇◆





 さて、皆さん、どうも朝からえる君の寝顔を堪能するミソラこと僕。あれ? 何でえる君が僕と同じベットで寝ているのだろうか。


 よく思い出せないけど、良い朝であります。


 朝から天使のような、寝顔を拝めるとは、人生捨てたものではないと僕は胸を抑え感動します。


 える君、天使。える君、天使。える君、天使。


 そんなことを唱えていると、える君がモゾモゾとします。


 あらら、起こしちゃったかな。何だか申し訳無くなり、僕の頭が垂れます。気分はしょぼーんです。



 あっ、える君が起きた。


 仕方ない、爽やかな笑顔でいこう。


 大好きな、える君へ。



 「おはよう」





 える君とミソラの成長劇~

 「える君をみゃみょる (守る)!」

 「問題ないよ……。ミソラんが居れば、もう僕は壊れない」

 「える君……何歳ですか?」

 「なに言ってるの? 三歳だよ?」

 「…… (少し納得がいかない)」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ