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60.パワーアップの秘密は…?

「……はあ、また話がずれてる。愛良、シリウス。お前らは少し黙っていろ」


「えー」


「わうー」


「へ・ん・じ!」


「はーい」


「わーう」



またしぃちゃん取り上げられたら嫌だから、ちゃんとお返事。

少しだけ黙っておきますよ、少しだけ。



「で、コス王。お前はいったい何をしていたんだ?」


「はい!宝箱に入ってたのが写真じゃなくて、この飲み物でさ。のど乾いてたし、ちょーどいいから飲んだんだ。ヘタレ潰した後に」



そう言って空の瓶を振るコス王。

ああ、だからあっちでヘタレ勇者が沈んでいるんですね。

たぶんドサクサに紛れてしぃちゃんが殺ってたんだと思う。

体中にレーザービーム受けた跡があるし。

しぃちゃん、後でいっぱい褒めてあげるからね!



「んで、これ飲んだら体中から力が出てきて、ついでに冥界神の方の力もめちゃくちゃアップして光ったわけだよ。分かったかね?」


「何か分からない物を口に入れるな阿呆」


「げふっ!」



わー、コス王がうざったい表情でニヤニヤした瞬間に、カインに即座に沈められましたね。

さっき私のホッペ掴んだ時に身体強化したままだから、そんな彼の拳を受けたコス王の顔面は崩壊決定!

自分もイケメンのくせして、容赦ないねー。

イケメンの顔面を潰すのは私の十八番なのに。



「それで?これは何なんだ?」


「知らね。入れたのどうせお嬢なんだし、お嬢に聞けば?」



ん?

二人の視線を感じて顔を上げれば、説明を求める二人の表情。

あー、その飲み物?



「コス王?」


「ん?」


「元気ハツラツー?」



私の突然の言葉にコス王は目を見開くと、すぐにニヤッと笑ってビンを前に突き出した。



「オロ○ミンC!!」



はい、それが答えでしたー。



「は?いや待て訳が分からん」



そりゃ元私が生活していた世界の飲み物ですから、カインが知ってたらびっくりだよ。

さすがにコスプレ好きのコス王は日本によく来ているっぽいから、知っていると思ったけどさ。



「私の元いた世界の栄養ドリンクだよ。動き回ってたら咽が乾くと思ったから」


「はい、お嬢?その心遣いはとーってもいいと思うんだけどもね?単なる栄養ドリンク如きで俺様の力がアップするはずないよな?何を混ぜたのかお兄さんに教えて御覧?変なものじゃないよな?な?」


「失礼ですなー」



一般の生徒も飲むかもしれないのに、変なもの入れるわけないじゃないですか。

なんでそんなに疑われてんの、私。



「単なるショッピリン+αですよ」


「「それは劇物だろ」」



あらまー。

この二人、息ぴったりだわー。

使い魔と主人って似るの?

でも私とカインも使い魔での契約だけど似てないから、単なる性質が似てるだけなんだね!



「ショッピリンは毒じゃないです。回復薬です」


「いや、あれは回復する前に一度止めをさしてから蘇生するようなものだ」


「というか、お嬢?+αって何?」


「+αはね、お父さんのお部屋にあったお薬。効果については秘密ー」


「「………世界神の部屋にあった薬……」」



あれ、なんでそんなに顔色が悪くなっちゃうのさ。

お父さんって、一応世界神様なんだから、別に悪くはないと思うよ?

効果も別に問題なかったし。



「ちなみに、コレねー?一般生徒が飲んだら体力回復するだけなの。んで、私が仲間って認識している子達が飲んだら、お父さんのお薬の効果が発揮できるように設定してるの」



いくら私でも、天界のお薬をどうでもいい人間が飲むのは問題ありだってのは分かってるもん。

設定能力って便利だよねー。



「ついでに言っておくとね、ビッチ達の場合はひたすら馬鹿笑いした後に記憶喪失で、ヘタレ勇者の場合は身体強化なしの全力疾走を親睦会終了までやる予定でした」



ビッチ達は一回記憶なくした方が再教育しやすそうだしね。

どうでもいいけど。

それよか、まともに鍛錬もしてないだろうヘタレ勇者に対して強制的に修行させるって、私ってばなんて優しいんだろう。



「こいつに飲ませるから、もう一本今すぐ作ってくれ」



カインさん、行動早いねー。

すでに気絶してるヘタレの口を強引に開けています。

だけど残念。



「お父さんのお薬がもうないから無理ー。創造で出すのも、なんか嫌だし」


「ちっ……なら捨ててくるか」



……あれ?

カインさん、かなり本気ですね?



「なぁなぁ!捨てるならG地獄に捨ててこようぜ!!」


「ああ、ついでに消毒代わりに塩水をかけてやるか」



いやいや、ちょっとそこの主人と使い魔。

ただでさえ死に掛けなのに、それきっとトドメになるから。



「うっは!カインがヘタレ勇者限定で鬼畜過ぎる。なんで?」



一回大好物のうどんを盗られかけたからです。

食べ物の恨みは恐ろしいということですね。

ちゃんと死守していたけど、あれから輪をかけて嫌いになってるもんねー……。



「気のせいだろ。さっさとゴミ捨てに行くぞ」


「りょうかーい!お嬢!ちょっくらゴミ捨て当番に行ってきます!」


「あー、うん……いってらっしゃい」



もう突っ込むまい。

龍雅ならきっと大丈夫。

イケメンの勇者だけど、ヘタレなギャグキャラでもあるから、きっと死なない……と思う。

二人がゴミ捨て(仮)に行っちゃいましたけど、どうしようか?

一応親睦会終了まであと1時間ぐらいはあると思うけど……。

今残っている数は……うん、もうほとんど残ってないね。

1年生は片手で足りるぐらい残して全滅、2年3年合わせて30人くらい残ってそうだけど、やっぱり少ない。

ポイント数的には、Sクラスが全体の4割近くで断トツトップ。

うーん……罠って、一応1年生全体を見てからレベルを考えたんだけど、予想外過ぎたのかな?

カインも最初は初めて見たって言っていたし。

あ、でもそれなら今残っている子達って結構すごいってことか。



「よし。しぃちゃん、まだ残っている子達って見どころありそうだし、見に行こうか」


「わん!」



残った子達は3グループくらいに分かれているね。

誰がいるかな?誰がいるかな~??

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