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59.最強最恐な護衛です

「……ん?なんかヒドイ惨状だね?」



なんか、本読んでる間に周辺の木々に穴が開きまくっていました。

そしてその中心にいるカインとコス王もボロボロ。

あれ、何事?



「えーと……ショッピリンいる?」


「「いらない!」」



二人がボロボロだから回復させてあげようと思ったのに、即答で拒否されました。

そんなにショッピリンの味ってマズイ?



「うーん……じゃあ何でそんなにボロボロになったの?」


「元凶野放しにした奴が何を言っているんだ?あ?」


「……しゅみましぇん」



……怖い。

完全に据わった目で口元だけ笑みを作ったカインさんに、思いっきり両頬を引っ張らられました。

身体力強化までして。

うぅ……神族の肉体って頑丈過ぎるから、久しぶりに痛いって思ったよ。



「わうわーう?」


「うん、大丈夫だよ?」


「くぅ……」



はうぅ……『だいじょーぶ?』って心配してくれたしぃちゃんが、かわゆい。

もうしぃちゃん癒しだよー。

しぃちゃんを抱っこしてモフモフしたら、カインに引っ張られたホッペの痛みも忘れちゃうよー。

……と思ったら。



「おいこら。元凶が何知らんぷりしてやがんだ」



おめめを据わらせたままのカインさんが、しぃちゃんの首根っこを掴んで私から取り上げました。



「わうっ!?」


「私のしぃちゃんー!かーえーしーてー!」


「くぅん……」



く……自分の方が背が高いからって、しぃちゃんを高く掲げちゃってさ……。

しぃちゃん、私から離されたから尻尾丸めておめめウルウルさせてるのに!

届かないー!

くーやーしーい!



「ちょ、カイン。お嬢とお犬様を苛めるのもそれくらいにしとけって。あとの報復が怖ぇぞ」



コス王、それはどういう意味?

失礼じゃないのかね?



「ふん……この危犬から目を離したことを反省したか?」


「反省した!ごめんなさい!だからしぃちゃん返してー!」


「ん」



あ、素直に謝ったら返してくれたや。

今度からちゃんと謝るようにしよ……。



「しぃちゃんおかえりー!」


「わうー!」


「しぃちゃん、最近1才になったんだねー?誕生日知らなくてごめんね?帰ったらプリンいっぱい作るねー」


「わう!」



うん、私の腕の中に戻ってきて尻尾も元気になったしぃちゃん。

レーザービームが打てるようになったお祝いするから、楽しみにしててね!



「……で。愛良はすっかり忘れていそうだから聞くが、さっきまでの光は何だったんだ?」



私がしぃちゃんとラブラブしていると、唐突にそう言ってコス王に話しかけるカイン。



「……あ。」



……そういや私、光って他の目当てで来たんでした。

しぃちゃんのレーザービームですっかり忘れていたや……。



「えへ♪」


「はい、お嬢ー?そんな可愛く言ってもお兄さんは誤魔化されないぞー?」



笑って誤魔化そうと思ったけども、騙されてくれないコス王。

そこは騙されて欲しいのになぁ……と思っていたら、軽い身のこなしで私の腕の中から飛び降りたしぃちゃん。

てくてくとコス王の前でお座り。



「わう?」



キョトンという様子で首を傾げるしぃちゃん。

可愛い姿だけども、小さいしぃちゃんから発せられる殺気が凄まじい事。

余裕こいていたコス王の顔色が真っ青になりました。



「お犬様ー。俺様誤魔化されたらいいんですねー?はい、俺様何も突っ込みません」


「わう」



わぁ、子犬の前で土下座をする大の大人の姿ってなんだか切なーい。

コス王って死神の王で冥界の神様なんだよね?

フェンリルの育て方の本に契約者によってフェンリルの能力は多種多様になるって書いてあったけど、私と契約しているしぃちゃんって、もしかしてとっても強いのかも。

きゃー!

可愛さ最強で強さも最恐な無敵な護衛ですね!

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