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55.宣言しときます

今日は短めー。

◇◇◇◇


さーてさて。

カインをG地獄に放置して、とりあえず学園の森に浮かんでいるわけですけども。

次はどうしよっかなー。

あっちで悲鳴が聞こえたり、向こうで派手な爆発音立ててるけど気にしない。

だって、前者はカインで後者はコス王と龍雅だろうし。

後者には近づきたくない。

私のあの頃の写真を持ってテンション上がっている龍雅と、巫女姿をコスプレと勘違いしたコス王がいるところになんか近寄るわけないし。

とりあえず親睦会が終わるまではあいつら放置。

今行ったところで腕輪のペナルティ効果で奪えないし、放置が一番。

とりあえずは親睦会に参加している子達の魔力を探索。

……うっわー。

半分以上、トラップにやられてるよ……。

3分の1ぐらいしか残ってないんじゃない?



「わうー……」



抱っこ中のしぃちゃんも結果が分かったのか、残念そうに尻尾をぺたんと下げた。

情けないよねー?



「一応1年生レベルで、ギリギリ回避できるようにしていたんだけど……」



王女様たちは別なんだけどね。

学園長のおじぃちゃんからあの子たちは、『理不尽ルールでオッケー。むしろ日頃の教師たちの恨みを込めて地獄に叩き落としてくれ』って言われたんで、遠慮なくやりました。

案の定、写真の取り合いでペナルティの電撃喰らっておめでとう、だよねー。



「シドウ?」



ほえ?

今、下から名前呼ばれたー?



「お前、こんなところで何してるんだ?」



あ、ソル先生だったんだ。

下にいた先生が、あっという間に隣に飛んできました。



「あらまー。誰かと思ったらやる気なしだけど、実はかなり強いソルせんせーじゃないですかー」


「……お前、本気で何者だ?1年生のレベルで飛翔魔法なんざ使えるはずがないだろ」



呆れ交じりの視線を投げてくるソル先生。

はい、ここで豆知識ー。

飛翔魔法は無属性の転移と並んで難易度の高い魔法のことです。

だけど残念でした。



「これは飛翔魔法じゃないよ?単なる無属性の初期魔法、浮遊だもん」


「……ウソだろ?浮遊じゃ、せいぜい小物を浮かべる程度だろうが」



ところがどっこい。

魔力コントロールを極めれば、浮遊魔法でも人をここまで持ち上げることできるもんです。

先生、教師で帝なら知っておいた方がいいと思うよ?



「現に、私が今実演していますから。オカマスターとカインに、魔力コントロールの練習を嫌ってほどさせられたんだから」



料理も掃除も勉強。

それを一切手を使わずに全部道具を浮遊魔法で浮かせてやらされたりしたんで。

掃除と勉強は妥協できても、料理は妥協できなかったんです。

得意なはずの料理で、味は変になるし切り口は雑だし!

さらには変過ぎて食べれなかった時に、代わりに台所に入ったカインの料理!


お皿に盛られて時間が経っているはずなのに、なぜかいつまでたってもグツグツ煮だっている赤黒いシチュー。

真っ黒なイカ墨パスタかと思ったら、パラパラと崩れて炭と化したイカ炭パスタ。

そして!

野菜を千切って盛り付けたらいいだけなのに、なぜかわざわざ頑張って作った蠢くポテトサラダ。

押しつぶしたポテトが、手の形になってましたよ。


もうね、見た瞬間泣きましたよ。

料理がモンスターになれるもんだって、初めて知った。

もちろん、食卓に上る前に帰ってきたオカマスターが全力で燃やしていたけどさ。

アレを食べるくらいなら、死んだ方がマシと言えるもんだった……。

もう死ぬ気で魔力コントロールを極めたよ。

浮遊魔法だけでも、手を作った時と変わらない料理ができるぐらいまで極めたんだから。

今じゃ手だけで作るよりも同時進行で作れて便利だから、積極的に使ってます。

とりあえず、宣言。


二度とカインは台所に入れません!

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