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52.ショッピリンは回復アイテムです

◇◇◇◇


さーてと。

カインとコス王は風になったことですし。

しぃちゃん達がお散歩から帰ってくるまでは、またモニターで外の様子を確認しておくとしますかねぇ。



「ん~……そこら中に罠が張られてるってのには、さすがにみんな気が付いたみたいだねー」



さっきまではバラバラに手分けして探していたみたいだけど、あちこちでトラップが発動していることで警戒して何名かずつで固まって動き出したね。

感心感心。

ちゃんとチームで周囲を警戒してるね。

トラップはあっちこちに用意しているから、単独だったらすぐに病院送りになるよ。

……あのお馬鹿さん以外は、ね。

たくさんあるうちの一つのモニターに映るのはヘタレお馬鹿こと龍雅。



『あれ?みんなどこ行ったのー?』



森の中、不思議そうに周りを見回している龍雅。

うん、とりあえずは龍雅くん。

周りを見る前に、君の足元を見ようか。

かーなーり、深い穴があるから。

単純に君といつも一緒にいる緑髪と赤髪と青髪の可哀相な男子らは、その穴に仲良く落ちてったから。

トラップ式の落とし穴だからね、それ。

ちなみに、落とし穴のトラップを発動させたのは君だから。

土で隠した魔法陣を踏んじゃったの、本当に君なんだからね?

私たちが用意したトラップって、その魔法陣に触れた人の魔力を少し奪って発動するタイプなの。

だけどもあの子の魔力は異常に多いから、少しの魔力でもトラップ効果がでかいこと……。

本当なら1メートルちょっとの落とし穴なのに、あの子の魔力の影響で深さが10mは軽くあるかもしれない。

確実に死んじゃうから、あの子たちが落ちちゃう前に落とし穴の底にクッション大量に創造して送っといたけどさ。

だけどね、なんで発動させた君だけ無事なのかが理解できないよ。

踏んだ人も落ちるようになってるはずなのに。

あの巻き添えで落ちて行った男子ら諸君が可哀相になってきた。



『おかしいなー。先に行っちゃったのかなー?』



穴に気づかないままそのまま歩き出すヘタレ。

いやいや龍雅くん?

友達ならもう少し心配しようか。

君、前の世界では男子の友達いなかったんだしさ。

本当に全男子生徒諸君に嫌われまくっていたんだよ?

あのカラフル髪な男子たちにも思惑はあるだろうけども、それでも好意的に接してくれているんだから大事にしなよ。

あー……でも、自分に優しくしてくれる女子の方を優先しちゃう子でもあるから、言っても無駄なような気もするけど。


とりあえず、このヘタレはどこに行くのか観察していたんですけども。

……なんなのこの子。

さっきからトラップ発動させまくっているのに、全部避けまくってるんです。



『あ、宝箱みーっけ』



しゃがんで宝箱を拾ったその真上を、氷の塊(サッカーボール並の大きさ)が通り過ぎていくという。

しかも、本人はトラップがあったことにすら気づいていない。

え、なんかすっごくイラってくるんだけど。

あそこらへんのトラップ用意したのってカインだったはず。



「カイン」



召喚の応用で主であるカインを逆召喚。

試でやってみたけど、意外とうまくいくもんだ。

……カインはぼろ雑巾みたいな状態だったけどね。



「カインー?おかえりー。生きてるー?」


「だ……だれの、せい……だと……」



話をするのも絶え絶えみたいだねー。

まぁ身体強化する暇もなく音速で走るしぃちゃんとお散歩に行ったしね。

よし。

いつぞやの愛良ちゃん特製プリンの出番だね!

この間は色と味が不評だったので、今回はさらに改造してみました!

……今度の休みでギルドのおじ様たちに試してもらおうと思ったから、まだ実験はしていないけどね。



「はい、カインー。口開けてねー。……って何その嫌そうな顔は」



倒れているカインの傍に座って特製プリンを食べさせようとしたのに、すんごく嫌そうな顔で顔背けられたんですけど。



「……色」



ボロボロのまま、必死でスプーンを避けるカインが呟いた言葉。

んー?

また色が気に入らないのー?

紫色がいやって言うから変えてみたのに。

……まぁ、色はショッキングピンクですけどね。

配合考えたらドキツイ色しかできなかったんだよねー。

まだまだ改善の余地はあるはずだから、頑張るけどさ。



「……味は?」


「……さぁ?」


「……」



あらやだ。

カインの顔色が一気に土色になっちゃった。

だって、まだ試せてないから味は不明なんです。

私は体が頑丈過ぎて怪我しないから、コレ食べても効果は分からないし。

あ、でも味みるくらいなら私が食べても分かるか。

そうと気づけば、後は行動あるのみ!



「よし!じゃあ私が食べてみる!」



私が食べて、特に問題なかったらかカインも食べるよね!



「い、いや待て!俺が食べるから!お前は食べない方がいい!」



へ?

食べようと思ったら、スプーン持っていた手を握られて止められました。

どったの?

まぁ食べてくれるなら、それはそれでいいんだけどさ。



「はい、カイン。あーん」


「……」



あ、なんだかすごく諦めた感じで口開けたカインさん。

そんなに嫌なら自分で回復魔法かけたらいいのに、そこんとこに気づかないなんてやっぱりうっかりさんだねー。

うっかりさんを治しなさいって、言った傍からこれなんだから。

あんまり嫌そうな表情だから特製プリンをやめて回復魔法かけてあげようかと思ったけど、やっぱりなし。

罰として食べてもらいます!

スプーンにすくっていたショッキングピンクなプリンを、カインの口にぽいっとなー。

口にショッキングピンクプリン……ショッピリンが入った瞬間。



「ぐふっ……」



カインは白目になって倒れました。

意識飛んだのは一瞬だけで、傷も癒えたし体力も回復したから、ショッピリン成功で大丈夫だよね!

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