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47.公認されました

◇◇◇◇


なーんか後ろでカインとコス王が二人でコソコソと念話している気がする。

気にならないことはないけど、とりあえず今はこっちの用事をすませちゃおうか。



「で?生徒会とかクラス委員とか聞こえたんだけど、私の気のせいですか?」


「そ、それは……」


「気のせいだよね?」


「うぅ……」



学年主任の先生が、半泣きで口をパクパクさせています。

ごめんね、先生。

その先は言わせないからね?

だってね、誰がそんなめんどくさい役職に自分から突っ込んでいくと思うの?

ないない。

絶対にない。

あり得ないし。

だって、私たちってお仕事いっぱいあるし。

依頼のランク分けとかってギルドマスターがやっているとみせかけて、全帝の仕事なんだからね。

まぁ全部やってたらキリがないから、高ランクと思われる依頼だけだけどね。

それをきちんとランク分けしないと自分のランクの依頼に行ったのに、実はすごく強い魔物がいてギルドメンバーが犠牲になったりすることもあるからね。

この国全部の高ランクと思われる依頼の仕分けの数って、馬鹿にできない。

忙し過ぎるから、これ以上妙なお仕事なんてしないんだから。



「よし!返事しないし、帰ろっか。……はれ?」



カインの腕を掴んで生徒会室を出ようと思ったんですが。

んー?

なんか、生徒会室に向かって歩いてくる大きな魔力を感じますよー?

この土属性を多分に含んだ魔力って……。



「失礼するぞ」



そう言って入ってきたのは、学園長のおじいちゃん。

相変わらず豊かなお髭を撫でながら好々爺と微笑むおじいちゃんって、見ているだけで和みます。



「あ、やっぱり学園長のおじいちゃんだ」


「おお、アイラや。相変わらず、色々やらかしておるようじゃのぅ」



おじいちゃん、入ってくるなり入口で土下座したまま固まっている先生&生徒会諸君を見るなり、その笑みを深くした。

というか、すでに大爆笑した後?

お髭で隠れているホッペがピクピク痙攣しているように見えるよ?



「これはこの人たちが勝手にやったんだよ?それで、おじいちゃんはどうしたの?」


「ふむ。廊下を歩いていたら面白いもの(泥まみれの怠慢教師)が落ちていたんで、久々に大爆笑してしまってな。確実にやったのはアイラとカインじゃと思って褒めに来たんじゃよ」



あ、おじいちゃんもアレ見たのね。

んでわざわざ褒めに来てくれたというわけね。



「ありがとー」


「アイラにもらったカメラで写真を撮ったんだが、いるかのぅ?」


「いるいるー」


「ついでに儂らの(帝専用の)連絡網でも流そうと思うんじゃが、どう思うかの?」


「わーい!是非しよ!」


「ほっほっほ。ではそうするとするかのぅ」


「俺が(全帝として)責任を持って流しておきます」


「ほっほっほ。では頼んだぞ、カインや」



お互いにっこり笑って写真を受け取るカイン。

はい、帝専用の連絡網でソル先生の痴態が流されることが決定しました。

私たちを売ったんだから、お礼はたっぷりさせてもらうからね?

ふっふっふ……雷帝がソル先生であることは、全員が知っているみたいだから楽しみだなぁ。



「それで、今のこの状況はなんなんじゃ?」


「俺たちに生徒会役員とクラス委員を引き受けてくれと土下座して頼まれているだけです」



土下座している人たちは必至なのに、それを『だけ』と言ってしまうカイン。

君もなかなかの性格ですよね。

メンタル弱い鬱帝だけど。



「ん?二人が生徒会にか?……それは面白そうじゃのぅ」


「「……え?」」



お髭を撫でながら、ほっほっほと笑うおじいちゃん。

はい、嫌な予感がビンビンしてきましたー。

おじいちゃんは私たちの味方だよね!?

そうだよね!?



「よし、学園長権限で二人は生徒会に強制加入じゃ。ちなみに拒否権なし」


「「はぁぁぁあっ!?」」


「学園長!」


「ありがとうございます!!」



いやいや、何喜んでやがりますかね生徒諸君。



「おじいちゃん、今の、私の聞き間違いだよね?」


「いやいや。聞き間違いでもなんでもないぞ?」


「学園長は俺たちがそれなりに忙しいことは知っていますよね?」



描写してないだけで、毎日夜遅くまで事務作業していますから。

それでも時間が足りないから毎日私、時魔法で時間止めて頑張っていますから。

そのおかげで、最近お肌が荒れ気味なんですからね!

それだけ働いている私たちに、さらにまだ仕事を増やせとおっしゃるか、このじじ様は。



「絶対にいや」


「これ以上面倒事を増やしたくない」


「ほっほっほ……安心せい。お主たちが夜遅くまでやってるもん(全帝の仕事)は、全部他の者(帝たち)が分担するからのぅ」


「「マジですか!!?」」



おじいちゃんの言葉に食いつく私とカイン。

え、ドッキリだったりしたら泣くよ?



(うむ、本当じゃよ。お主たちはまだ学生なんじゃから、学生らしいことをさせてやろうと、お主たちの正体を知っている帝たちで話し合ったんじゃよ)



正体知っている帝たち!!ありがとー!!

知らない帝(ソル先生)はドンマイ!!



(……俺、2年前から全帝やってますけど、そんなことしてくれたこと一度もなかったですよね?本音は何ですか?)


(……アイラみたいに素直に喜べんのか?まぁ、本音は1-Sの王家と六大貴族の子供らの再教育をしてほしい、と言ったところじゃな。親はまぁ、まだ良識あるといっていいかもしれないのもおるのに、子供らはダーク家以外、揃いも揃って全くないからな。このまま大人になられれば、結局困るのはわし等じゃ。余計な仕事を増やされる前に手を打っておかんとな)



こっそり本音を教えてくれるおじいちゃん。

なるほどねー。

あの子達をそのまま放置していたら、そりゃ数年後のこの国は終わってるよね。

今でさえ我儘放題みたいだし。



「いいよ。生徒会役員とクラス委員、やる」



私がそう言い切った途端、学年主任+生徒会&クラス委員の生徒たちの目が輝く。

何もないままやれ、なんて言わせないよ?



「あいつらを黙らせるだけの権限をよこせ。まぁここは学園だし、奴らの成績に関与できるぐらいの権限でいいが」


「そうだね。後はあの子たちを言いくるめるだけの話術は自信はまぁまぁあるし、成績も圧倒的に私たちのが上だから文句は言わせない。武力で来たとしても返り討ちにすることなんて簡単だし、あのヘタレお馬鹿をエサにこっちの言うこと聞かせることもできるだろうし、残りは成績関与ぐらいの権限で十分だね」


「……それだけあれば、成績関与の権限は必要ないんじゃないかのぅ……」



おじいちゃん以外の人たちは絶句していますねー。

相手は王家+その次の地位にいる六大貴族なんですからね。

必要な権力はまだまだあるのに、遠慮して一つにしている時点で偉いと褒めてほしいよ。



「……生徒に成績関与の権限を渡すのは問題なんじゃが……相手がアレじゃ仕方ないかのぅ」


「学園長!?さすがにそれは……」



んん?

賛成した学園長のおじいちゃんに、学年主任の先生がくってかかった。

成績関与の権限はもらうけど、実際に使うつもりはないんだからね?



「スージー先生や。この子らに任せておけば、まず間違いなく苦労させられてきたあの子らを大人しくさせることが可能じゃよ。二人も、他の無関係な子に対して権限は使わんじゃろ」


「はい、もちろんです」


「そんなの使わなくても相手を黙らせるなんて簡単なんだから」


「……」



あれ?

安心させる目的で言ったのに、学年主任の先生は余計に不安そうな顔になっちゃった。



「……本当にあの子たちをどうにかできますか?」


「できるできる」


「問題なしです」



むしろ、テンション上がってきました。

だって、これ以上面倒事を増やしたくなかったから放置していたあの子達をシメル代わりに、お仕事から解放されましたからね。

いっそあの子達には感謝の心で愛情たっぷりの再教育をしますよ。



「……じゃあ認めます。途中で投げ出さずに頑張ってください」


「はーい!」



さーて!

学園と帝公認のビッチ共の再教育。

どうやってやろうかな♪♪

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