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38.誰か、父親を交換してください

人外たちに人外宣言をされた私ですが。



「それこそないない。私、いたって普通の女の子。この世界に巻き込まれて召喚されちゃったけど、一般人ですから」



なんなの、みんなで揃いも揃って人外扱いとか泣いちゃいますよ!?

ちょびーっと馬鹿力みたいな能力を持ってるだけで、魔法量はカインに1だけ負けてるし!

いいもんいいもん。

隅っこで『の』の字をひたすら書いていじけてやるんだから!



「は?異世界から来たのか?めずらしーなー。この世界って平和だから、他の世界から人間なんて滅多に呼ばないのに」


「しかし、召喚というからには世界神が許可したということですな。陛下、この世界に何か脅威的なものはありましたかな?」


「いやー?特に問題ないやつらがいるくらいだぞー?」


「……俺は、魔王が国を攻めてこようとしているためと聞いているが」


「「それはない」」



……まさかの誰もいじけてる愛良ちゃんを慰めてくれませんデシタ(泣)

いや、しぃちゃんは寄り添ってくれているけどもね。

言葉が欲しかったのだよ。

この人たちに期待した私が馬鹿だったけどさ。

もういいし。

普通に会話に入ってやる。

それに気になること言ってたし。



「魔王は平和主義なの?」



魔王が国を攻めることはないとか言ってたし、実は魔王って平和主義者?

それだったらそれでいいことだし。

だけど、そんな思いはニヤリと笑った死神王の言葉を聞くまででした。



「それもない。アイツは城中に地球のアニメやゲーム、ライトノベルにフィギュアを集めたり、可愛い幼女の写真を見ながらニマニマ笑っているぞ。城の外に出るのも嫌がるニートだ」



……つまり、魔王はオタクなロリコンなんですね。

魔王城には絶対に行かないように気をつけます。

むしろロリコン滅べ。



「……ん?地球の物をこっちに持ってこれるの?じゃあ、私、地球に戻れたりする?」



物の行き来が出来るなら、人が移動するのもできるんじゃないの?

もしそれが出来るなら、私地球に帰れる!



「お主は地球出身か?」


「うん。帰れる?」



お母さんとお兄ちゃん達に会いたいなー。

あのまま行方不明とかになってたら、絶対に心配してるだろうし。



「戻れるかどうかは神に聞かねぇと分かんねぇなぁ……」



私の期待に満ちた視線に、頭を掻きながら目を泳がせる死神王。

え、神様っているんだ?

世界の移動って、神様の許可がないとできないの?



「じゃあ死神王、ちゃちゃっと聞いてきて?」


「よし、お嬢。まずは人にお願いするときの方法を学ぼうか」


「コスプレ王様、お願いしますー。コス王様ならやってくれますよねー。さっさと神様んとこに行って聞いてこいやです、コス王様ー。そしたら禁忌召喚しちゃった子達の代わりに、私の魂ちびっと上げるからさぁ」



一千穣分の一なら、特に問題なさそうですもんね。

知らない生徒たちだけど、寿命が10年も縮むのはちょっと可哀相だし。



「俺からも頼む、コス王」


「コス王陛下、話が進まないため行った方がいいでしょう」



はい、カインと死神くんも乗ってきましたー。

もう死神王の名前、コス王でいいよね。

コス王で決定。



「ほら、コス王。さっさと行ってきて?」


「……もうコス王でいいです。行ってきます」



何かを諦めたコス王はその場から消え去りました。

その目に光るものがあったのには、もちろん誰も気にしないです。

お茶しておこ、お茶。



「おい大変だ!」



消えたと思ったコス王は、速攻で帰ってきましたけどね。

帰ってくるの早過ぎ。

まだ1分も経っていないですよー。



「何ー?」


「今から休憩するんだが」


「コス王陛下。空気を読んでください」



せっかくちゃぶ台を創造して緑茶と抹茶プリンでお茶しようとしていたのにー。

もうみんなでいつでも食べれるように、座ってスタンバってたんだよ?



「あ、俺のプリンってある?……じゃなくて!!とりあえず全員まとめて転移!!」



へ?

なんか急に周りが真っ白な風景が変わったんですけど。

真っ白で何もなくて、ちょっと気持ち悪いかも。



「あ、でもちゃぶ台も一緒に転移って気が利くね」ズズー


「コス王のくせにやるな」ズズー


「コス王陛下、たまにはよいことをされますな」アムアム



真っ白な空間の中で緑色の緑茶とプリンって、とっても目に優しいです。

んー……抹茶プリン、おいしい。



「いやいやいやいや。君たち、お願いだから目の前見て?僕悲しいでしょ?」



ん?

プリンをおいしく食べていたら、白い空間でコス王の隣に立っていた男の人が一生懸命手を振っていた。

誰、この金髪金眼なおじさんは。

白い服に8枚の羽生やして頭の上に金色の輪っかって……。



「リアルイタイ人発見!誰か!お巡りさん呼んで!!」



思わず叫んじゃった私は別に悪くない。

変質者を見つけたら、すぐにお巡りさんを呼びなさいってお母さん言ってた。

悪いのはこんな変質者な格好をしているイタイ人だ。



「ちょ、愛良ちゃああああん!?お巡りさんなんか呼んだらパパ泣くよ!!?」



大焦りで叫ぶイタイ人。

……へ?

パパ?

ん~??

このイタイ人、良く見たらなんかお父さんに似てる……てか、髪と目の色はともかく顔はまんまお父さんだ。

お父さん、日本人特有の黒髪黒目をしていたと思ったんだけど。



「……いやいや、なんでお父さんがそんな格好してるの?二次元に憧れるあまり、ついに発狂しちゃった?」



私は至って真面目です。

真面目にお父さんなら発狂するのもありえると考えています。



「久しぶりに会った愛娘からの第一声がこれってパパ悲しい!」


「久しぶりに会った父親がこんなイタイ格好している私の方が悲しい。とりあえず、落ち着いてくれる?」



なんだか涙を浮かべながら身悶えているんですけど。

本当にその残念さが悲しい。

何でお父さんがここにいるの。

というか、そのイタイ格好で身悶えないでよ。

気持ち悪い。

顔はかっこいいのに、その仕草が全部残念過ぎるよ。

とりあえず、一発顔面に入れておきましょうか。

きっと少しは正気にもどるはず……と思い込んでいる時期もありました。



「げふっ!ああ、愛良ちゃんのパンチ、ママにそっくりだね!」



父親を殴ったのに、当の本人に喜ばれたという。

……お父さん。

何回も言うけど、子どもが親に手を出したなら怒ろうよ。

喜んじゃだめだよ。

お父さんが喜ぶから、思わず私も続けちゃうんだよ?



「もう愛良ちゃんは本当にママそっくりでパパ嬉しいな!胸以外は本当によく似てるよ!」



……。

何いい笑顔で親指たててくださってんの、この親父は。



「まだパンチが欲しいんだね?じゃあパーパ?あっちで愛良とお話しようか」


「お話しと書いてリンチと読むんだね!本当にママにそっくり!!そしてキレた時だけパパって呼んでくれるのがまた快感……!!!」



うっとりした様子で両手で自分の頬を抑えるお父さん。

うん、ある程度慣れたつもりではあるけど、やっぱりウザイよ。

小さい頃はまだマシな頼れるお父さんだったのに、年々親馬鹿が加速していくのってどうなの。

お父さん、本当に残念だよ。



「はい、パパー。この中に入ってねー」



何にもない真っ白な空間に耐久度を極限まで上げたコンクリートでできた箱を創造。



「愛良ちゃんの頼みならなんだって聞くよ☆」



そしてその中に、自発的に入って行ったパパ。

うし、今からリンch……話し合いだね。

もう完全に空気になって固まっているカイン達なんか放置で八つ当たりさせてもらいますとも。



「はい。じゃあ、パパ。覚悟してね?」


「あれ?愛良ちゃーん?パパは知っているよ?力をセーブする腕輪をはずしちゃだめじゃないかい。さらに身体強化なんかしたら、パパ、さすがに鼻血がでちゃうよ?」


「むしろその程度しかダメージないのかよ。いいからとっととぶっ飛べや!!!」



とりあえず、思いっきし殴りますか。

私が気にしてることをサラッと言いやがった罰は、十二分に受けてもらうからね!!



ステータス希望があったので、とりあえず一人目ー。



紫藤愛良(16歳)

腰までの黒髪ストレート。髪とお肌の手入れはとても頑張っている子。

見た目は華奢な可愛い女の子。しかしそれゆえ絶壁。

そこに触れたら、次の日の朝日は拝めない。

カインのうっかりミスで、一応カインの使い魔的立場。

(ただし、上下関係はすっかり逆になっている)

趣味は家事。性格さえ目をつむればいい嫁さんになれる子。

プリンが好物で、夢はご当地プリンの制覇。

もふもふの可愛いもの好き。使い魔のシリウス激ラブ。

屑勇者に八つ当たりをして、鬱帝を振り回しながら活動中。

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