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20.初めて友達ができました

笑顔のまま男の子の首を絞めている女の子。

この状況、私はどうすればいいですか?



「えーっと?ラピスさん?」


「呼び捨てで構いませんよ?同じクラスなのですから、遠慮なさらず」



やっぱり男の子の襟首をひっぱたまま、碧眼を細めて首を傾げた。

さらさらと背中まで覆っている真っ直ぐな金髪が肩から流れる。

ほわぁ……すんごい綺麗な子です。

巨乳な美人さんです。



「えと……じゃあ、ラ……ラピス?」



何気に女の子の名前を呼び捨てにするの初めてです。

呼ぶのに緊張してどもりました。

え、同じクラスだったら呼び捨てオッケーなもんなの?

よく分からないなぁ……。

日本で学校に通ってた頃は、龍雅以外に私の名前を呼ばれすらしなかったからね!

……自分で言ってて悲しくなるから、もう考えるのはやめよ……。



「ええ。私もアイラと呼ばせていただきますね。仲良くしてください」


「あ、うん。よろしくー」



ラピスが綺麗な笑顔で笑って握手を求めてきたので、思わず握手を返した。

……だって、女の子にこんなに好意的に接せられたの初めてだもん。

いっつも龍雅目当ての女子に、睨まれるか意味不明な文句言われるか苛めてくるかのどれかだったんだもん。

むしろ、呼び捨てでいいなんて言われたの初めてです。

ちょっと感激。



「……なあ。そろそろそいつを離してやったらどうだ?顔色が土色に変色しているが」



……わぁお。

初めての体験に感激し過ぎて、カインさんに言われるまで全然気づかなかった。

そろそろグレイくんがお陀仏しそうです。

口から魂こんにちは状態です。

それなのに、締め上げている張本人は微笑んだままなんですけどね。



「大丈夫です。グレイですから」


「……そうか」



笑みを浮かべたまま、それで納得しろと、無言の重圧をかけるラピス。

メンタル弱いカインさん、すぐに降参しちゃいましたよ。

カイン情けな……。



「げほげほっ……ふう。俺はグレイってんだ!アイラ、カイン!よろしく頼む!!」



そしてこの子はすごい。

今まで首絞められてたことに、文句どころか一切触れてないよ。



「……よろしく頼む」


「よろしく、グレイ」


「おうよ!」



にかっと清々しい笑顔のグレイと、穏やかな物腰のラピス。

うん、仲良くできそう。



「でも意外だな。私たちに話しかける人って、教室じゃいなかったから」


「俺とラピスは話しかけようとしたんだぜ?だけどさ、先にもう一人の編入生と王女たちが来たからさ」



私の疑問にあっさり答えたのはグレイ。

王女?

何それ?



「愛良。お前の幼馴染にやたら構っていた金髪の女のことだ」



金髪の女?

……ああ、あの騒いでいた子か。

あの子が王女とか、この国の人たち可哀相……。



「カイン、知ってたならあの子に絡まれた時に教えてくれたらよかったのに」


「……教えたところで、お前は態度を変えるのか?」


「いや、全然」



呆れ交じりのカインに、一切本音を隠すことなく答えました。

だって、ああいう態度は気に入らないもん。

むしろ、いっぱいからかってやろうかと思いましたよ。



「やはり、アイラは思った通りの子ですね」



ん?

なんか、私の本音を聞いてラピスがすごく嬉しそうに笑ってる。

どうしたのかと思って首を傾げると、今度はグレイがニカッと笑みを浮かべた。



「俺らのクラスってさ、貴族ばっかだろ?だからどんなに理不尽なことを言われても、あの王女と6大貴族の奴らには誰も逆らえなかったんだよ」


「6大貴族?」



またまた知らないワードが出てきたよ。

とりあえずカインさん、教えてくださいな。



「水、火、風、土、雷、闇をそれぞれ極めた貴族だ。さっきは、闇以外の5大貴族が揃っていた。クラスだけでなく、初等部、中等部のころから好き勝手にやっていたな……」


「ふーん?」



説明をしながら、遠い目をするカイン。

好き勝手にやられてたから、身分とか気にしない私の発言に興味を持ったってことか。



「好き勝手にやられてるなら、やり返せばいいのに」


「無茶言うなって。奴ら、それぞれの属性に特化した一族だから勝てるわけないし、反抗したりしたら、俺らの家を潰されるかもしれねーし」


「どれだけ腹が立っても、私たちに逆らうことはできませんから。だからアイラみたいな子を見ていると、すごく嬉しいんです。身分なんて気にしないで物事を見れる子がいるというのは。今までは黙っているだけでしたが、これをきっかけに、私たちも変わりたいと思えたんです」



ん~。

まぁ、私にそんな期待しないで自分たちで頑張った方が自分たちのためになると思うけどね。

うん、この問題に口出すのは最低限にしておこうかな。

あっちが私に喧嘩を売らない限りは。

もしも喧嘩売ってきたときは、二度と立ち直れないぐらいにプライドを叩き潰してやろう。



「……また物騒なことを考えていないか?」


「……。ぜ~んぜん?」


「「「……絶対に嘘だ」」」



はい、自分でも目が泳いで嘘っぽいと思ったので、あまり突っ込まないでください。

泣いちゃうからね?

こっちはなかなか進めれない……。

亀足更新で申し訳ないです。

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