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19.お胸様+αです

覚えたばっかの魔法陣を魔法陣専用のステッキで地面に描きつける。

このステッキで描いたら、そう簡単に消せないんだって。

同じように消す専用のものがあるみたい。

まぁとりあえずは出来上がった魔法陣に魔力を込めて訓練場の4分の1のスペースに結界が張れたことを確認すると、同じように結界を張り終えたカインと一緒に先生の元に戻る。



「ソルせんせー、張り終えたよ」


「もうか?魔法陣とかも間違えていないか?」


「問題なく終わりました」


「私もばっちり」



魔法陣ってかなり複雑なんだけど、この世界に来てからの私の記憶力ってすごいから本当に何の問題もなく描けました。

魔導書はあらかた読み終わったし、今度は魔法陣の教科書も読破しよう。



「……お前ら、本気で優秀だな。生徒に負けるって……」



ほぼ同時に描き始めたんだけど、いまだに描き終っていなかった先生は微かに片頬を引きつらせた。

試験でもないんだし魔法陣を描くスピードに勝ち負けも別にないと思うけど、そこは先生の自尊心のために黙っておきましょう。

頑張れ先生。



「……俺は残りを描いておくから、お前らは適当にクジを作っておいてくれ。同じ番号同士で戦ってもらうからな」



そう言って足元の魔法陣の続きを描く先生。

……先生、一つ言っていいですか。



「……ペアで戦うって決めてたなら、最初からクジを作っておくべきじゃない?」


「……めんどくさかったんだろ」


「おお」



カインは先生に慣れたのか、すでに諦めの極致にいる気がしてならない。

そして先生はちょっと反省してください。

何悪びなく頷いてんですか。

思わず半眼になって先生を睨むんだけど、当の本人は魔法陣に集中していて気づく様子なし。



「……ま、いっか」



なんか色々文句を言いたいけど、言うだけ無駄っていうことがよく分かりました。

最初から気にせずにクジを作っていた方が、よっぽど楽だったに違いないよ。

カインと二人で黙々と人数分のクジを作ったのとほぼ同時くらいに、他の生徒たちもチラホラ集まってきた。

みんな先に教室を出てたのに今着いたってことは、ここって教室からだいぶ離れているんだね。

カインに頼って転移ばっかりしてたら、道とか絶対に覚えられないんだろうなぁ……。

龍雅とそのお仲間に絡まれない限り、ちゃんと歩いて移動するようにしよう。

学校の中で迷子になるのは嫌です。



「なぁなぁ!」


「んー?」



静かに胸の中で決意をしてすぐに、私たちの前まで走ってきた赤い短髪の男子。

この子、質問コーナーで私の属性を聞いてきた子だね。

この子の後ろには、髪の長い金髪の綺麗な女子もいる。

というか、制服の上からでも胸がでかいのが分かる。

どうやったらあんなに大きくなるの。

しかも今はみんなまだ私と同じ15か16なわけで。

あの巨乳様はまだまだ成長される可能性があるわけですかい。

羨ましすぎるんですけど……。



「愛良、願望がだだ漏れだ」



はい、凝視し過ぎてカインに頭を叩かれました。

女の子も胸ばっかり見てごめんなさい。

だって、本当に羨ましかったんだもん……。

私たちのそんなやり取りを気にしなかったのか、満面の笑顔を浮かべてカインに詰め寄った男の子。



「さっきの転移って、カインがやったのか!?」


「そうだが……」


「すげーな!高等部に上がったばっかで転移ができるとか!!」


「あ、ああ……」



おお、詰め寄ってきた男の子にカインがタジタジだ。

そりゃあんだけ純粋な尊敬をぶつけられたら、引くわな。



「なあなあ!!俺も練習したらできるようになる、がっ!!?」



カインに掴みかからんばかりに目をキラキラさせていた男の子は、後ろから歩いてきた金髪女子に襟首を後ろに引っ張られて言葉を詰まらせた。

ついでに息の根も一瞬止まっちゃったような気がするんだけど。



「「……」」



突然何なのかな、この子達は。



「グレイ、落ち着きなさい。そんなに迫っては、迷惑ですよ」



落ち着いた声で注意する女の子だけど、その手は男の子の襟首を引っ張ったまま。

むしろ力を強めている気がする。



「ぐ、ぐるじい……ラピス、はなじで……」


「あらあら。どうしましょうか」


「「……」」



なんだろう。

このラピスと呼ばれた女の子、笑顔のまま楽しそうに絞めていて怖いです。

そしてこのグレイって子、首を絞められているのに微妙に口元がにやけているように見えるんですけど。

……え、怖い。

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