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150.場所なんか気にせず世界平和を目指しましょう!

お久しぶりです!

約1年ほどほったらかしていて申し訳ありませんでしたー!!

いや、相も変わらず更新しにくい生活が続いているんですけど、とりあえず更新をなんとか頑張ります!

ただ、感想とかのお返事はしにくくなるので、ご了承くださいませ(汗)


視点はカイン→愛良です!

魔族の男が喜々とした様子でプリンを食べ始めた数分後。


「うむ!どれも美味いな!是非作り方を教えていただきたい!」


本当にプリンを全種類制覇した魔族が満足げに言ってきた。

プリンパフェやらプリンタルトやら大量にあるのを制覇したのに、胸やけしている様子はない。

……魔族はシンのように胃袋が頑丈なのか?


「作り方ですか?んー……」


愛良が教えるのを躊躇っている。

プリンを広めたいなら、別に教えてもいいんじゃないのか?

何か考えでもあるのか?


「プリンの作り方は……内緒です」

「なぜだ?」

「まぁちょっと待っててくださいねー。あ、来た来た」


愛良が怪訝そうにしている魔族を放って、入口に向かって手を振った。


「マーマ!」

「わーう!」


走って入ってきたのはリーンとシリウス。

その後ろを使い魔ズが同じく走って追いかけてきている。

最後に皇帝と長男と次男が、のんびりとした足取りで入ってきて……って、ちょっと待て!?


「何で長男と次男が一緒なんだっ!?」


あ、思わず突っ込んでしまった。

元から店の中にいた三男も合わせて、三つ子が俺の所に向かってくる……。


「ほぉ?我らが教鞭をとる学園内で、我らが出歩いて何がおかしいというのだ?第一、可愛い我が妹のクラスの出店に我らが来ないとでも思ったか?」

「愛良から楽しそうな念話が来たから、これは来るしかないでしょ。何より愛良のメイド服なんて貴重だから写真に撮って父さんに見せびらかさないといけないし」

「わりぃカイン。兄貴たちも後から来るって言うの忘れてたわ。まぁ、カインならこいつらの行動なんて予想内だろ?」


シスコンのことをうっかり忘れていたから予想内じゃなかったです……。

次からは忘れずに教えてくれ……。







◇◇◇◇


「マーマ!かぁいーねー!」

「わう!」

「ありがと。リーンとしぃちゃんも可愛いよ~」


というより、うちの子たちが天使過ぎです。

もうこの可愛い生き物たち、何なの。

一人でいると絶対に誘拐されちゃいそうなくらい可愛いです。

絶対に一人になっちゃダメだからねー?


「ほぅ……ここがお前たちのクラスの出し物か。ずいぶん本格的なんだな」


皇帝さんは、教室内を見渡すなり感嘆のため息をついた。

そりゃ、教室全体に幻術魔法をかけているもの。

テーブルとイスは、もう閉店した喫茶店からご厚意に寄付してくれたものだし。

見た目だけなら立派な喫茶店ですよ~。


「クラスのみんなが頑張ってくれましたから」


私とカインなら、創造で本当に本格的なものも作れないことはないけど、そうなると他の生徒達がすることがなくなっちゃうから、クラスメイト達に頑張ってもらいました。

学園祭までの準備期間だって大事な授業の一環だし。

せっかくクラスメイト達と交流を深めるいい機会なんだから、出しゃばり過ぎないことも大事だよね。

まぁ、あの6大貴族+αたちとは、交流を深める気さらさらないけど。


「席にご案内しますね」


皇帝さんの案内をしようと思って声をかけながら、おまけのお兄ちゃんたちを探す。

えーと、お兄ちゃんズは……三人揃って仲良くカインを取り囲んでますね。


「お兄ちゃんたち、席に案内するからこっち来てね。あんまりカインを苛めてたら、リーンに嫌われるよ?」

「おじたん!パーパいじめるの、めっ!」

「む……リーンよ、すまないな」

「ごめんね?おじちゃん達のこと、嫌いにならないでね?」

「わりぃわりぃ。リーン、アメやるから許してくれな?」


ほっぺを膨らませてカインをかばうリーンちゃんのご機嫌を取ろうとするお兄ちゃんズ。

……お兄ちゃん達、甥っ子に甘々ですねぇ。

まぁ、可愛がりたい気持ちは分かるんだけど。


「リーン、助かった……ありがとうな」

「えっへん!」


カインにお礼を言われて、リーンがすっごく誇らしげに胸を張ってる。

あらまぁ……実の父親差し置いてのパパ大好きっ子だね。


「わふぅ……」

「しぃちゃん……」


別に放っててもいいのにぃ……なんて文句言わないの。

カインは私の(使い魔的な意味での)主人なんだから、しぃちゃんの大元の主人でもあるんだからね?

本当はカインのことも好きなくせに、カインに対しては素直になれない子だねぇ。

とりあえず皇帝さんとお兄ちゃんズは、カインの結界の中で放置していた魔族のおじさんの所に連れて行くとしますか。

魔族のおじさんはプリンを与えていたら大人しいし。


「……てなわけで。お兄ちゃん達、後はよろしくね」

「うむ。任せておくがいい」


私のお願いに、自信たっぷりにうなずいてくれるお兄ちゃんズ。

わーい、頼もしい!

リーンとしぃちゃんは使い魔ズと一緒にお店の隅の私たちの休憩スペースに連れて行って、プリンを出しておいたらOK。

他のお客さんの相手をしよーっと。


「ちょ、愛良!?」

「ん?」


お仕事しようと思ったのに、カインに首根っこ掴まれてリーン達がいる隅っこに連行されました。


「何で皇帝たちを魔族の男がいる席に案内したんだっ!?」


小声で怒鳴るという芸当を披露するカイン。


「生徒会長が仕事サボるのはダメだと思います」

「人の話を聞けっ!」


んもう、うるさいなぁ……。

私だって考えなしにあの組み合わせにしたわけじゃないんだよ?


「あのね、お兄ちゃん達と皇帝さんで、魔族のおじさんに交易を持ちかけてもらおうと思ったの」


お兄ちゃん達は私のお兄ちゃんでもあるけど、同時にこの世界の大国の王子様として転生しているからね。

一番トップではないけどお兄ちゃん達がただ静かに王子様やってるとも思えないし、確実に各国の政治の中核部を牛耳ってるはず。

大兄ちゃんがいるフィレンチェ王国がそうだからね。

お兄ちゃん達がいない帝国は、トップの皇帝さんもいる事だし、ちょうどいいと思ったわけ。

中兄ちゃんに念話で話を持ちかけたら、嬉々として賛成してくれたし。

何でも、魔大陸でしか採れない鉱石とか薬草があるから前から気になってたみたい。

特に薬草。

魔力が濃い魔大陸で作られた薬草って、病気の治療とかにすごく役立つんだって。

魔族のおじさんはおじさんで、魔力が強すぎて魔大陸では農耕出来ない各国の食材を手に入れたいみたいだし。

新しく魔王になった真魔ちゃんのお父さんみたいだし、話はまとめようと思ったらまとめられると思うのよね。

というか、中兄ちゃんが乗り気になった時点で話は確実にまとまります。


「戦争を回避できて、貴重な薬草も鉱石も手に入る。魔族とのわだかまりも軽減していけるだろうし、各国も新しい貿易相手が出来て万々歳でしょ?」


交易をするにあたっての問題も出て来るだろうけど、その時はその時に対処したら大丈夫だと思うのよね。

お兄ちゃん達や皇帝さんという超優秀な人材が揃っているし。

……私は一般人なので、さらさら手伝う気はありませんよ?

お兄ちゃん達にお願いされたら別だけど、それ以上は自分から面倒事に首突っ込みません。

そう思ってカインに笑いかけると、頭を押さえて唸ってました。


「そんな重要な話を、学園の文化祭でするのに問題があるってことに気付いてくれ……」

「場所?そんなこと気にしてたの?気にしなくていいと思うよ?カインの空間遮断の結界のおかげで他の人に聞かれる心配はないもん。それに魔族のおじさんもプリンを食べて御満悦だし、皇帝さんはリーンを抱っこできて機嫌良いし、何よりお兄ちゃんたちは場所なんて気にしないよ」


うん、何も問題ないよね?

むしろ、カインがまだそんな一般常識にとらわれていたのが不思議。

まだギリギリ一般常識を保ってたんだね。

私たちに毒されまくってるけど。


「パーパ、あたまいたい?リーン、いーこいーこする!」

「リーン……お前が唯一の癒しだ」


リーンをぎゅっと抱っこするカインと、カインの頭を小さい手で撫でるリーン。

失礼な。


「しぃちゃんだって癒しだよねぇ?」

「わう!」


ほら、癒しの数に入れてもらえなかったしぃちゃんが怒ってるよ?


「ぐるぅっ!」

「いっ!?シリウス、噛むなっ!」

「わふっ」


もう最後なんて『知らないもん!』って感じでしぃちゃん拗ねちゃったよ。

あ、しぃちゃんのお目めが微妙に潤んでる気がする。

うちの子を苛められた私の被害妄想?


「くぅん……」


……被害妄想じゃないね。

お耳と尻尾もペタンって元気なく垂れてる。

……落ち込んでるしぃちゃんも可愛いって思ったのは内緒ね。

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