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146.使い魔たち奮闘中

皆さん、明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします!!



視点は、コス王➡クロちゃんです。

◇◇◇◇

ただ今、リーンが好きそうな店を探し中。

そんな俺様の目の前にあるのは射的。

しかも景品にはリーンとお嬢が喜びそうな犬の人形もある!

これはリーンを連れて来いってことに違いない!


「なあなあ!あの射的とかならリーンも喜ぶんじゃないか?」

「冥界神、馬鹿ー?コウモリの頭は小っちゃいからー?リーンはまだちっちゃいから、射的なんて出来るわけないじゃん」


はい、景品目当ての発言なのに、さっそく時神に馬鹿扱いされましたー。

最近の俺様の扱いひどくねっ!?

しかも、今は人型だからコウモリじゃねぇよ!

てゆーか、擬態なんだから脳みそのデカさは関係ない!


「ちっげーし!俺様が言ってんのは、射的の景品をとってやったらリーンが喜ぶってことだよ!」

「あ、そっちかー。てっきり自分が楽しみたいのかと思ったよー」

「それもある」


だって、楽しそうじゃねーか!

射的で一発で人形とってやったら、リーンがきっと俺様を見直すし!

『にぃに、だいしゅきー!』って言ってくれるかもしれない!!

だって、リーンが大好きって言う対象ってお嬢とお犬様だけなんだぞ!

あのカインですら大好きとは言ってもらってないんだぞ!?

目指せ、リーンの大好きカテゴリ!!


「……見てて痛々しい奴だねー。かわいそー」


ちょいと待て。

何で俺様がそんな憐れみの目で見られてんの!?


「夢を語って何が悪いんだ!?」

「……夢って、叶わないから見るもんなんだよー?」


時神ひどい!!

こいつが傍にいたら、リーンも夢見ない子になっちゃうんじゃないか!?


「ちがうしー。俺が言ってんのは、冥界神がリーンの大好きカテゴリになることは無理ってことだしー」

「なぜ断言!?」

「最近はルシファーとゲーム部屋に引きこもってばっか、たまに出てもカイン達にくっついて授業中ダラダラしているだけなのに、リーンに大好きって言われる要素があると思うー?むしろ、そんな夢を見る方がおこがましいしー」

「……」


……正論でっす!

同じようにゲーム部屋に引きこもってんのに、昼間はリーンと幼等部に通ってる時神が優しくありません……。

よし!ゲームやる時間を減らします!……明日から。

……自分で言っといてなんだが、無理な気がしてきた。


「あれー?そういえばルーはー?」


時神の正論に打ちのめされてるのに、当の本人は全然気にしてませんでしたがね。

はい、慣れてるからいいよ。

つーか、ルシファーどこ行った?

さっきまで普通に俺たちの店を物色してたはずだよな?

んー……カインから、ルシファー一人で色々な年代(特に幼女!)が集まる文化祭に放置するのは怖いから、閉じ込めておくか行動を一緒にしろって言われてたんだよなぁ。


「……これってマズイ?」

「まずいまずいー。これで何かあったら、カインとお嬢ちゃんに怒られるよー。困ったねー」


うん、時神。

焦ってるなら焦ってるなりに早口になろうぜ。

全く困ってるように聞こえないから。


「えーと、あいつの魔力は……うわ、ばれない様に消してやがるし」


ルシファーの魔力を感知しようにも、全く感じない。

確実にわざと離れただろ、あいつ。


「電話も出ないー。どーしよー?」


ルシファーに電話していたらしい時神は呑気に首を傾げている。

電話も無理、魔力で探すの無理なら、地道に探しに行かねーと無理だよなぁ。

うわぁ……捜すのめんどくせぇなぁ……。

何かあいつが釣れるエサないかなー……。

よし、ダメ元でやってみるか。


「おーい!るーちゃん、るーちゃん出っておいでー!出ないと、お前が隠し持ってるお嬢の子ども時代の写真を焼っき尽っくすー!」

「いっくらなんでも、それで出てきたら怖い……」

「のぉおおおおおおおおっ!!!」


時神の言葉を遮って転移して現れた変態。

……はい、お嬢の子ども時代の写真を隠し持っていることが発覚しましたー。

前に馬鹿親神を殺りに行った時に、どさくさに紛れて盗ってたんだな。

後でカインに報告しとこ。

とりあえずは……変態にドン引きだ。










◇◇◇◇

俺と冥界神でルシファーの行動にドン引きしてたら、三つ子に回収されちゃったー。

まぁ、冥界神がでっかい声出すし、それに反応してルシファーが絶叫上げてたから超目立ってたもんねー。

今は文化祭で使ってないお部屋で、冥界神とルシファーが黒い触手に縛られながら正座させられてまーす。


「……で?君たちは僕たちがいる学園内で何を騒いでいたのかな?」


背景真っ黒でニコニコと笑ったまま尋問する次男。

次男の後では黒い触手を出している張本人の長男と、どこかに電話している三男がいる。

懐かしいなー。

三つ子の使い魔やってた時は冥界神とルシファーが馬鹿やる度に長男が触手で雁字搦めにして強制的に正座させて、次男がお説教して、三男が後始末に追われていたんだよねー。

でも、早くお説教終わらせないとリーンの子守りの時間になっちゃうしなー。


「次男ー。あのねー、リーンが好きそうなお店を探してたんだよー。そしたらルシファーが勝手にいなくなってたんだー」


こういう時は一人差し出せば長男が食いつくはずー。

案の定、ギラッとした目つきでルシファーを見下ろす長男。


「また貴様のせいか!学習せん奴だなっ!!」

「ぎゃああ!!お、俺だって理由なく離れたんじゃないしぃいいい!!」


あっはっは。

黒い触手を鞭代わりに、ルシファーをベシベシ打つ長男って、かっこいいよね!


「クロノス。アメあげるから、そっちを見るのはやめなさい」

「はーい」


長男に拍手してたら次男に怒られちゃった。

でもいいや、次男がアメくれたから!

次男の手作りアメちゃん、おいしー!

後でリーンとしぃちゃんにもあげよー!


「三男ー!俺様悪くないって分かっただろ?これ、解いてくれよー!」


あ、触手付き正座のままの冥界神が、放置プレイに耐え切れなくなって三男に助け求めた。

……だけど、三男は今電話中だよ?

たぶん電話の相手は学園長とかのお偉いさんじゃない?


「てめ、今電話中なんだから話しかけんじゃねぇえ!!」

「ぶべっ!?」


あーあ、やっぱり怒られてるし。

頭地面に押さえつけられてやんのー。

ルシファーはビシビシ触手で打たれてるしー。

痛そー……アメうまうま。


「……で、何で勝手に離れたりしたのだ?」


一通りお仕置きがすんだ長男が、ちょっと冷静になったみたい。

ようやく触手を消してくれた。


「俺様の顔がぁ……」

「あ、危うく新しい扉を開けちまうところだった……」


手加減してもらってよかったねー。

じゃないと冥界神の顔面確実に潰れて、ルシファーも新しい扉を開くところだったろうねー。


「何が原因なの?さっさと答えな」

「はい!見たことある魔族の男が人化して文化祭に紛れ込んでいたんで、自分の魔力を消して後追ってました!」

「「へー……は?」」


ルシファーの言葉に、思わず俺と冥界神が被っちゃったよ?

今、こいつ何て言った?

魔族がいたの?この学園に?


「え、それって大問題だよね?」


今日は文化祭だから生徒も一般人もたくさんいるんだよー?

お嬢ちゃん達、気づいているのかなー?

人化しているなら気づかないか。

俺たちも気づかなかったしー。


「「「別に対して問題じゃないだろ」」」


……あれー?

何で三つ子は危険視してないのー?


「何のために僕たちがいると思ってるの?まだまだ半人前の愛良たちだけじゃ荷が重いからに決まっているでしょ」


「俺たちがいるんだから、一般市民に手出しさせるわけねーだろ」


「ここにいるのは我の国民だ。問題が起きる前に対処する」


……でっすよねー。

お嬢ちゃん達だけだとちょっと心配だけど、三つ子がいるから大丈夫だね!



ルシ「……なぁ、冥界神。俺、魔族を見つけて報告したし、いいことしたんだよな?何で誰も謝ってくれないんだ?俺って、やられ損?」


コス「あー……普段、変態なことばっかしてるからだって。三つ子は悪くない」


ルシ「ぐす……理不尽に慣れた自分が悲しい……」

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