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135.幼等部から邪神の神殿にレッツゴー!

最初はリーンの使い魔クロちゃん視点、次は愛良視点になりますー。

◇◇◇◇


ここは学園の敷地内にある幼等部。


「ふぇええええん!!マーマぁああ!!パーパぁあああ!!」


朝、お嬢ちゃんとカインに預けられた幼等部で、ずっと泣いているリーン。

あやしても泣き止まないし、どうしたらいいのー?

しかも俺、使い魔としてここにいるから、お嬢ちゃんがべた褒めしてくれたキツネリス姿だしー……。

こういう時のあやし方ってどうやるのさ、セラフィム!

ちゃんと教えておいてよー!!


「はーい、みんなー。今日から新しいお友達のリーン・ルディスくんですよー」

「マーマああああああ!!」


そしてここの先生はなんなの?

リーンがこれだけ泣いているのに、気にせずに他の子どもに紹介するとか何なの!?

仕事放棄なわけ!?

そうに決まりだよね!?


「せんせー!リーンくん、どーして泣いてるのー?」

「リーンくんは、初めてお母さんとお父さんと離れて寂しいの。みんなー、仲良くしてあげてねー」

『はーい!』

「パーパぁあああああ!!」


ちょっと、リーンがここまで泣いているんだから泣き止ましてあげてよ!

ああ、もう!

お嬢ちゃんに、人前で人型になっちゃダメって言われてるから抱っこもしてあげられないじゃんかー!

まだ子ども抱っこするのは怖いけど!


(リーン、ママとパパはちゃんとお迎えに来てくれるから大丈夫だよー)


先生が他の子どもたちと一緒にリーンを呼んでいるけど、泣くのに忙しいリーンはその場を動く様子はないみたい。

しょうがないから、小さい手で頭を撫でてやるしかできないよね……。

どうしよ。

お嬢ちゃんに、大変だったらいつでも念話しておいでって言ってたけどなぁ。

けど、今って確実に授業中だよね?


「マーマぁあ!パーパぁああ!!しーたぁああん!!」


……うん、念話しよ。

こんだけ泣いているんだもん。

可哀相だよ。

別にお嬢ちゃんたちなら、授業受けなくても大丈夫だろうし!

俺、今はリーンの使い魔だもん!

主優先で考えても、問題ないよね!

て な わ け で。


(お嬢ちゃーん、授業中にごめん!リーンがずっと泣いてて泣き止まない!俺じゃ無理!先生たちも、泣き止ませようとしないんだよ!?ちょっと話しかけてくるだけだよ!?こんな所にリーンを預けて大丈夫なの!?)


あ、つい愚痴になっちゃったー。

ほんと授業中にゴメンナサイ。

だけどお嬢ちゃんはいつも通りののほほんとした声で念話を返してくれた。


(大丈夫大丈夫。んー……そろそろ1時間半かぁ。まぁ慣らし保育の段階だしねぇ、リーンも頑張ったみたいだし。先生もできれば2時間くらいで迎えに来てあげてって言ってたし、問題ないか)


……ん?

2時間くらいで迎えに来るって、いつ言ってたっけ?


(朝、先生が説明してたでしょー?少しずつ幼等部に慣らしていく段階だから、最初は1時間か2時間くらいで迎えに来てくださいって)


あれー?そんなこと言ってたっけー?

……リーン、ここに来た時点で大泣きしてたから、俺、そっちに忙しくて聞いてなかったかもー。

そういやお嬢ちゃんとカインが、先生と話していたかもー。


(今からそっちに歩いて行ったら、ちょうど2時間くらいになるし、それまでもうちょっとリーンをお願いね)


いやいや、走ってよ。

むしろ転移して。

カインも歩くの?

むしろ親馬鹿なカインこそが転移してくるんじゃないの!?


(生徒会長とサブが二人揃って早退はさすがに問題だから、迎えに行くのは私としぃちゃんだけだよ。慣らし保育が終わるまでは目を瞑るって学園長のおじいちゃんから許可もらってるし。じゃあ、今から迎えに行くねー)

(お願いだから、早くね!)


何か、お嬢ちゃんってば急ぐ気ゼロっぽかった!

けど、迎えに来てくれるのはありがたいよね!

だって、リーンにママが来るって教えてあげられるんだもん!


(リーン、ママが迎えに来てくれるって。だから、泣くのやめよー?)

「ぐしゅ……ほんちょ?」

(本当だよー。泣いてたらママが心配しちゃうよー?)

「あい……リーン、がまんしゅるの」


ちっちゃい手で目をごしごしと擦るリーン。

ああー!そんなに擦ったら腫れちゃうよー!

後で時間を巻き戻して、いつものリーンに戻したげるからね!


「リーンくん、落ち着いたかなー?」

「あい……」


泣き止んだリーンに気づいた先生が、ようやく傍に近づいてきた。

もっと早く来てよね!


「あともう少ししたらリーンくんのママがお迎えにくるんだけど、それまでみんなと一緒にかくれんぼしようか」


ニコニコと笑って誘いかける先生。

本当におっそいしー!

リーンだって、ママが来るの待つから今更遊びなんて……。


「かくえんぼ……しゅる」


……あっれー?泣き止んだリーンはお嬢ちゃんが迎えに来るまで遊ぶみたい。

……さっきまで大泣きしてたのに、子どもって謎。


「いーち、にーい、さーん……」


鬼役らしい先生が数を数えている間に、リーンを含む子どもたちは一斉に庭の物陰に身を隠す。

この幼等部の庭、そんなに広くないからすぐに見つかりそうだよねー。


「くろたん、リーン、みえにゃい?」


リーンは茂みに隠れることにしたみたい。

四つん這いになって、やわらかい茂みに頭を突っ込みながらしゃがんでいる。

……お尻はたぶん、丸見えなんだろうけど。


(あー……うん。見えない見えない)


俺がそう答えると、リーンは満足したみたい。

じっと息をひそめて茂みに隠れてる……のだけど。


「……う?」


何故か茂みの中にある一部を見て、急に首を傾げるリーン。

リーンが見ている所に目を移せば、そこにあるのは超強力な結界。

しかも、めちゃくちゃ小さいボタンが結界の中にある。

ついでに言うと『押したら、イ・ヤ・よv』なんてふざけたことが書いてる。

魔力は封印されていても潜在能力はかなり高いリーンだから、見えたのー?

あ、見えるってことは触れるよね……?


(リーン、変なの触っちゃダメだからね?)

「うー……」


一応リーンに注意をするんだけど……何で、リーンはボタンを見ながらウズウズしてんだろ。

そういえば、セラフィムが言っていたなー。


『いいですか、時神様。子どもというのは不思議なもので、ダメと言われれば言われるほどやりたくなるものです。そういう時は、話の話題を変えるとか、別の場所に移動するとかしてくださいね』


えーと……かくれんぼ中だから、別の場所に移動するのは無理ー。

よし、話題を変えるべきだよね!


(リーン、あのねー……)

「えい!」ポチッ

「キュ――イ!!?(何押しちゃってんの――!!?)」


俺がセラフィムに言われたことを実行する前に押しちゃったよ!?

なんの躊躇いもなく押しちゃったよ!?


「えへへー」


いやいや、リーン!?

にぱーって笑ったら許されると思ってる!?

可愛いから許すけど!

いや、でも後でカインに叱ってもらうからね!

……なーんて考えているうちに。

ガコンと音を立てて、リーンの足元の地面が消失した。


「う?……みゃぁああああああ!?」

「キュ――!!!(お嬢ちゃん、ごめんなさーい!!!)」


絶対にリーンに怪我させたりしないから!!

だからご飯抜きにはしないでね!!










◇◇◇◇


ぽかぽかと暖かい日差しを感じながら、しぃちゃんのお散歩がてらリーンを迎えに幼等部に迎えに行っている途中なのですが……ん?

なんか、急にクロちゃんの魔力が消えた?

てことは、クロちゃんの側にいるリーンも?

……ちょっと急いだほうがいいみたいだね。


「しぃちゃん、抱っこしよっか」

「わーう!」


足元で尻尾を振りながら歩いていたしぃちゃんに声をかければ、足のばねを使って私に飛びついてきました。

うむ、もふもふ最高。

だけども今は急がないとね。

しぃちゃんをきちんと抱っこして、幼等部前に転移。


「すいませーん。ルディスですが、うちの子を迎えにきましたー」


不審者が入ってこれないようにセキュリティ万全結界の前で声をあげる。

すると、すぐに奥から幼等部の園長先生が出てきてくれました。


「あら、リーンくんのお母さん。リーンくん、さっきようやく泣き止んだんです。今はみんなと一緒にかくれんぼをしてますよー」

「そうなんですか。ずっと泣いているかと思いました」

「ふふふ……。こうやって少しずつ慣れて行ってくれるといいわねぇ」


ここの園長先生は、ほのぼのとした感じのおっとりおばあちゃんって感じです。

入学の手続きの時も思ったけど、この園長先生と話していると時間がゆっくりに感じちゃいます。


「あ、そうそう。リーンくんねー。こっちにどうぞ」


おっとりした感じで中を案内してくれる園長先生の後ろをついていくと、小さなお庭に出た。

元から幼等部は少人数で3歳から6歳までの子が10人もいないって言ってたし、これで十分な広さなんだろうね。


「あ、リーンくんのお母さん。ちょっと待っててくださいねー。リーンくん、隠れるのがとっても上手で、なかなか見つからないんです。今、みんなで探しているんですよー」


子どもたちと一緒に遊んでいた先生が、私に気づいてニコっと笑った。

子ども好きそうな笑顔だよねー。

だ け ど。

リーンが隠れるの上手ってのは、ちょっと聞き捨てならないな。

あの子、隠れる時はしぃちゃんのお腹に頭を突っ込むし。


「リーン、いるー?お迎え来たよー」

「わうわーう?」


……しぃちゃんと一緒に呼んでも、返事なし。

うん、何かに巻き込まれたか、首突っ込んじゃった可能性が高くなっちゃいましたねー。


「おかしいわねぇ……」

「そろそろ、隠れる場所はないと思うんですけど……」


さすがにこんだけ探しても見つからないとなると、園長先生と担任の先生の顔色も変わるよねー。

なんとなくだけどリーンちゃんがやらかした気がするので、あんまり気に病まないでほしいもんですね。


「しぃちゃん、リーンとクロちゃんの匂い探してくれる?」

「わう!」


腕に抱いていたしぃちゃんを地面に降ろすと、よく分かっているしぃちゃんは地面に鼻を近づけて歩き出した。

地面をくんくん匂いながら歩くしぃちゃんが行き着いた先は、お庭の隅にある茂み。


「わうわう!」

「リーンたちの匂い、ここから先はなくなっちゃってるの?」

「わーう!」


コクコクと頷くしぃちゃん。

んー……なんでか不思議なんですけど、茂みの中に超強力な結界とボタンがありますねー。

押したらダメ的なことを書いてるけど、こんなの見ると逆に押したくなるよ。

絵本をカインと一緒によく読んであげるから、あの子も短い文章だったら読めるようになってきてるんだよ?


「先生方、リーンがどこにいなくなったのか分かったので、ちょっとお迎えに行ってきますねー。危ないかもしれないので、誰も入らないように結界張っておくんでー」


近づけないように結界を張って……よし、これで二次災害は大丈夫だね!


「「……は?ちょ、リーンくんのお母さん!?」」


はい、先生方が驚いていますけど無視してリーンの所に行きます!

クロちゃんがついているって言っても、さすがに心配なんだよねー。

この学園の下って邪神の神殿だし。

てなわけで、ごめんなさーい。


「ポチっとなー」


ボタンを押すと、私の足元がガコンって音を立てて消失。

やっぱり落とし穴だったか……と思いきや。


「……へ?……うっきゃああああ!!?」

「わう~~♪」


浮遊感を感じるのかと思いきや、まさかの急斜面になってた。

というか、滑り台でした。

しぃちゃんは腹這いで滑り落ちて大喜びですけどね!?

大喜びで可愛いんですけどね!?

落とし穴だと思って、いつでも飛翔できるように準備をしていた私の心構えを返せ!

というより、この滑り台、かなり急ですよ!?


「いーやぁあああ!!絶対に摩擦で制服が溶ける――!!」


摩擦力って馬鹿にできないんだよ?

体育館で勢いよく転んだら、ジャージが溶けて穴開いて痛かったもん。

まぁ、今は私もしぃちゃんも超頑丈ですから怪我はしないけど。

滑り落ちてるから被害にあうのはスカートじゃなくてスパッツだけかなー。

うわー……スパッツに穴開くとか、地味に嫌すぎる。

でも、こんだけ急激に滑り落ちてる中で魔力を練りあげるだけの器用さを、私は持ち合わせていないんです。

……諦めて後で穴空きスパッツは直そう。

……ん?滑り落ちる先がほのかに明るい。

というか、人型のクロちゃんが魔力で出してる光ですよねー。

私が滑り落ちるであろう場所の直線にいるクロちゃん。

……やっばーい。

あ、リーンはクロちゃんから少し離れてるや。

なら、リーンは大丈夫だよね?

はい、みなさん。

学校で習いましたね?

慣性の法則を。

車は急には止まれないのと同じで、急に滑り落ちるのを止めるのも現在進行形でパニックってる私にはちょっと無理です。

な の で。


「きゃぁあああ!!クロちゃん、マジでごめーん!!」

「へ?げふうっ!!!?」


……滑り落ちた私に轢かれたクロちゃんは、綺麗に吹っ飛んで行きました。

しかも滑り落ちていたから、足で思いっきり顔面蹴っちゃいました……。

なんか……本気でごめん。


「あー!マーマ!!しーたん!!」


私がクロちゃんを轢き飛ばしたことに全く気付いている様子がないリーンが、満面の笑みで飛びついてきた。

この鈍さ……ちょっとこの子の将来が心配になりましたよ?

まぁ、無事みたいだし、今はハグしとこ。


「リーン、無事でよかったぁ」

「お……俺、無事じゃないよー……?」


顔面を抑えたクロちゃんが、腹這いになりながら異論をあげる。

……ごもっともです。


「クロちゃん、ごめん。まさか滑り台になってると思わなかったの。んでもって、クロちゃんが滑り降りた先で立ってるって思わなかったの。本気でごめんね?」


これがコス王とかルシファーだったら罪悪感は軽いんだけど、クロちゃんだとすんごい罪悪感がありますよねー……。

この子、なんとなく弟属性な気がするもん!


「時間戻したから痛みもないし、もう大丈夫だよー」


むしろ、時神様が時間を戻さないといけないくらい痛かったことにびっくりです。

私の体重が重かったから、滑り落ちるスピードもかなり出ていたとか?

……ちょっと、プリンを食べる量を減らそうかな。


「マーマ!リーン、もっかいしゅべる!」


そして、リーンは空気読まないねー……。

まぁ小さいからしょうがないんだろうけども。


「また今度公園に連れて行ってあげるから、今は我慢しようねー」

「むぅ……あい」


うわー、すんごい不服そうだねー。

けど、何があるか分からないところで遊ばせません。


「クロちゃん、ちょいと聞きたいんだけどさ」

「ん?なーにー?」

「地上から結構滑り落ちたけどさ、ここってまさかの邪神の神殿だったりする?」

「するするー。ここ、邪神の神殿ー」


内心、外れていてほしいなーという私の想いは、にっこり笑ったクロちゃんに打ち砕かれた。

この真っ暗で灯りを出さないと何も見えないところが、邪心の神殿ですと?


「どうするー?このまま神殿の奥に行って、邪神シメるー?お嬢ちゃんなら、楽勝だと思うよー」


にこにこ笑って名案とでも言いたげに手を挙げるクロちゃん。

いやいや……何を言うかねクロちゃんよ。


「うちのお父さんと同等の神様なら、せめてカインを連れてこないと。それに邪神さんは龍雅に押し付けるから、私は関わるつもりないよ?」


龍雅は勇者として召喚されたんだから、たまには使えるようにならないといけないよ。

本来はカインの役目だった邪神討伐の役目、私と契約を完全なものにしちゃったおかげで人間の枠からカインも外れちゃったから、龍雅に移ってるんだもん。


「マーマ、リーンとあしょぶの!」

「ねー!リーンとしぃちゃんと一緒にいるのに忙しいもんねー!」

「わーう!」


私はリーン達と一緒にいる方が大事です!


「そこに、カインの名前も入れてあげようよー……いまだに一方通行でかわいそーな子……。それで、結局この神殿どーするのー?」

「え、放置ですよ?」

「……え?」


そんなに意外?

だって、龍雅に押し付けるって決めてるんだし、こんな禍々しい感じの気持ち悪い所なんて放置以外ありえないよね?


「それに、新学期始まってすぐで忙しいんだもん。邪神さんの相手なんてしてる暇ないし」


あ、なんか禍々しい感じにプラス、ジメジメした暗さが加わった気がした。

気のせいだといいなぁ。


「いや、たぶん気のせいじゃないよー?一応ここって邪神の神殿の中だから、微かな邪力に乗って声も届くと思うしー。邪神もそんなにメンタル強いほうじゃないから、相手してる暇ないとか言われて落ち込んだんだよー。ざまぁ!」


クロちゃん……最後、清々しいまでの笑顔だったね。

君、結構素で相手のイタイとこ突いてるよ。

的確に相手の一番痛いところを突いていくとことか、さすがは中兄ちゃんの元使い魔だとしか言いようがないけど。


「でも、神殿の入り口が、幼等部のお庭にあるのとかちょっと心配だね。他に出入り口ってある?」

「正式な出入り口があるよー?てか、なんであんなところに滑り台みたいになってる入り口があったのか謎。俺、ここに何回か来てるけど初めて知ったよー?」


クロちゃんも不思議そうだねー。

でも正式な出入口があるなら、別にあそこは無くてもいいってことだよね。


「よし、じゃあ地上に戻ったら幼等部の入口は壊しちゃお」


リーンがまた入ったりしたら大変だもん。

……と思っていたら。


「めー!マーマ、こわしゅの、めー!」

「わうわうわーう!」(楽しいからだーめ!)


あの急斜面滑り台が気に入ったリーンとしぃちゃんから大反対されました。

リーンは顔真っ赤にして両手を振り回してるし、しぃちゃんは尻尾をピンと立たせて怒ってる。

えー……。


「ここは暗いし危ないの。一人で落ちたりしたら大変でしょ」

「やー!!しゅべりゅの、たのちーの!!」

「わうわうわうー!(もっかい滑るー!)」


こらこらこらこら。


「ダメって言ったでしょうが」

「マーマぁ……ダメ?」

「……くぅん?」


いやいや、そんな涙目で見上げたってダメなものはダメに……。


「いいよ」


あら不思議。

内心とお口が別なこと言っちゃいました。

だって、可愛かったんだもん!!

しょうがないよね!?

~ちょっと小話~


愛良「……うわ、やっぱり穴空いてる」スカートめくってガックリ

クロ「何してるのー?」

愛良「んー?滑り台の勢いが良すぎて、スパッツに穴空いちゃったのー」平然

クロ「えー……それって、もうちょっと恥じらいとか持って言おうよー」呆れ

愛良「恥ずかしいから直そうー」魔法でちょちょいのほい

クロ「……え、俺『恥ずかしい』って意味がよく分かんなくなってきたー」頭から?でいっぱい

愛良「意味?辞書で調べるー?」

クロ「んーと……もういいやー」首傾げながら


愛良ちゃんの言ってる言葉と行動が一致しないがゆえに、人間界のことに疎いクロちゃんプチパニックになってたり……。

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