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115.訳があるんです

お、お久しぶりですー……長らく放置していて申し訳ありませんでしたー……。

そろそろ更新しようかなと思った時期にちょっとイラっとする感想をいただきまして、思わずこっちでの更新がストップしちゃいましたー……申し訳ないです。

感想は別に何を書いてもらっても構わないと思っていたのですが、自分の人格すら疑うような感想をもらうとは思ってもいなかったです。

言葉の暴力、駄目絶対。

感想は良識の範囲でお願いいたします。



ちなみに、今回の話はとある子がぶっ壊れますが、一時的な物なので広い心でお許しください。

「こほん……。まぁ、事情があってこの子を引き取ったのは分かりました。それで、そっちの打ちひしがれている男性は?どこかで聞いたことある声をしていますけど」


ラピスの視線の先にいるのは砂浜に両手をついてブツブツ言ってるコス王。

そっか……学園にも一緒に行っていたけど、ラピス達はコウモリの姿でしか知らなかったっけ?


「あの人はカインの使い「受けの人!?」……は?受けの人?」

「マーマ、うけにょひとってにゃーに?」

「わう?」


いや、私も聞きたい。

受けの人って、なんですか?

というよりも、今私の言葉を遮ってしゃべったの誰?

なんだかルナっぽい気がしたんですけど、気のせいですか?


「……ルナさん?」

「アイラ!!」

「はい!?」


あれ、この子って大きい声出せたんですか!?

え、なんか頬が紅潮して目がキラキラしているんですが。



「アイラ!受けの人がいた!!本物!!顔見てたら攻めの方がぴったりと思ったけど、この様子だとやっぱり受けだよ!それで、攻めはお兄ちゃんだよね!!陰のある銀髪美少年×攻めと見せかけた受けの黒髪青年!!ああ、でもやっぱりイケイケな黒髪イケメン×タジタジな銀髪少年も捨てがたい!!どうしよう!どっちがいいと思う!?僕はどうしたらいいんだろう!!」



いや、ルナがどうしたんですか。

何この子。

何でこんなに早口になってんの。

いつからこんなに早くしゃべれるようになったんですか?

というよりも……。


『ルナが腐った…』


この時、私たちは確実に同じことを思った。

いつの間にルナちゃんは腐女子の道を進んでいたんでしょうか?

そして腐女子の道を進んでいるのに何故赤ちゃんがどこから来るのか知らないの?

不思議っ子過ぎる……。

さっきまでのルナと違い過ぎて恐ろしい……。


「ルナが……俺の可愛いルナが……」

「あれ、さっきから言ってる受けの人って俺様のこと?……え、目つき怖いんだけどこの子」

「ふぅ……私、疲れているみたいです……グレイ、ちょっと踏ませなさい」

「ぐえっ!?すでに踏まれてます!!けど今の忘れたいからもっと踏んで!!」

「僕は何も見てない聞いてない知らない何も見てない聞いてない知らない……」


ほらほら、見てよ。

みんなショックすぎてテンパってますよー?

カインは頭を押さえて妹の変貌にショックを受けてるし、受けの人と言われたコス王は鳥肌を立たせている。

ラピス様とグレイはSMプレイで現実逃避しようとしているし、ルート君はぶつぶつと呟いて自分に言い聞かせている。

みんなの気持ちは分からないでもないけど。


「マーマ?パーパ、どーしたのー?」

「わう?」

「……うん、どーしたんだろうね」


いや、本当にルナちゃんはどうしたんでしょうか。

今まで腐女子の欠片も見られなかったんですが。

何で急に目覚めたの。


「お兄ちゃんが受けの人を羽交い絞めにしている写真みたいに、やっぱり絡んでほしいよね。ここは海、海だから……ふふふふ」


コス王とカインを凝視しながら怪しい笑みを浮かべるスクール水着の少女。

……怖い。

というか、カインがコス王を羽交い絞めにしている写真って言った?

なんのことだったかな~……?

……あ、二人が契約をするときの写真か。

確かあの時、カインがコス王を後ろから羽交い絞めにして契約していたんだったっけ?

あの写真って、どうしたっけ……?

えーと……何かで使った気がするんだけど……。


「あっ」


親睦会の景品として宝箱に入れた気がする。

それをルナが手に入れたってわけか。

……あれ、ルナが腐女子化しちゃったのって私のせい!?

あれま、どうしましょう!?


「……愛良?」

「ひっ……」


思い出したのと同時に、肩にポンっと手を置かれた。

もちろん、後ろにいたのは可愛い妹の変貌にショックを受け過ぎたカインさん。

滅多にみられない爽やかな笑顔が、逆にめちゃくちゃ怖い。


「愛良、どういうことか説明してもらおうか?写真って?」

「あ、あははー……あ、イベントの受付が終っちゃうから、先に行くねー!しぃちゃん」

「わう!」

「ぐっ!?」

「パーパ、しゃきにいってりゅねー!」


しぃちゃんに後ろから体当たりしてもらって、カインがバランスを崩している間にダッシュで逃げました。

こういう時は、さっさと逃げるが勝ちですよね!


「……ぼく、も……」


あ、ルナもショックから復活できてないみんな置いてついてきた。

というか、しゃべり方がいつものに戻ってる。

あのペラペラ口調は腐女子化している間だけなの……?

……よかった。

できればあの腐女子モードの腐ルナさんは永久に見たくないです。

無理なんだろうけど。

とりあえず、あの子たちの分もエントリーしてこなきゃね!






◇◇◇◇

悪夢だ……。

純粋でおっとりしたルナが、コス王の顔を見た瞬間に豹変したぞ。


「え、カインの妹っていつから腐女子になってたわけ!?俺様恐怖だったんだけど!何で俺様が受け!?俺様はどう見ても攻めだろ!?」

「いや、そっちかよ!?」


こいつは気にする所が違うんじゃないのか!!?


「まぁ、ルナが豹変したのはさておき、そろそろ本当にイベントの受付が終わってしまいます。とりあえずは、この中でおいて行かれるのは嫌ですし、あの子たちを追いかけますよ」


ラピスは何気に女子で一人残されたからショックみたいだな。

眉間に皺が寄っていて、近づきがたい雰囲気丸出しだ。


「おう!」

「けどその前に、この人って結局誰なの?」


ショックから抜け出せない様子のルートが、顔色を青ざめたままコス王を指さした。

ん?

そういえば、ルナだ豹変して大暴走をしたから、結局まだ教えてなかったな。


「俺様?俺様は……」

「俺の使い魔。コウモリの人型板」

「ちょいとカイン!?人型板って言わないで!こっちが本来の姿だから!!」


コス王、自分で人型モードとか言ってんだろ。

いちいち細かいことを気にするなよな。


「うん、わかった。じゃ、ルナちゃん達追いかけよ」

「おう!イベントで優勝してやるぜ!」

「さっさと行きますよ」


……こいつらもこいつらで、深く物事を考えないよな。

まぁ、一介の学生が人型になれる高位な使い魔なんて持つはずがないって考えに至らなくて助かりはするんだが。

とりあえずは愛良たちを追いかけるか。

嫌な予感がしてしょうがないからな。





イベント会場に到着して一言。


「そういえば……イベントの内容、聞いていなかったな」


『ザ☆ベストカップル対決!熱い絆で他の奴らをブッ飛ばせ!!』


周辺にたくさんある看板に書かれた文字。

どうやら、カップル限定のイベントのようだ。

……あのシスコン腹黒、よく俺と愛良にこれに出るよう勧めたな。


「あ、パーパ!!」


受付と思われる場所から、こっちに向かって走ってくるリーン。

その後ろから、疲れ果てたという様子の愛良と、尻尾をぶんぶん振っているシリウス。

そして、さっきと同じキラキラ笑顔を浮かべているルナが歩いてくる。

ああ……嫌な予感が止まらない。


「パーパ、抱っこ」

「あ、ああ……」


手を伸ばしてくるリーンを抱っこすると同時に、なぜか聞こえるシャッター音。


「リーンちゃん!こっち向いて!」

「あい!」

「受けの人!お兄ちゃんの隣に並んでこっち向いて!」

「え、俺様!?」

「早く!」

「はい……」


写真を撮りまくっているルナ。


「……愛良?」

「いや、私に振らないでくれる?というか、腐女子スイッチが入った腐ルナは、私には止められません」


諦めろと表情で語る愛良。

というか腐ルナって……その通りだけど。


「それより、エントリーは済ませたから。……腐ルナが」

「アイラ。なぜそんなに疲れた表情なんです?」

「ん……まぁ、組み合わせを聞いたら分かるから。うん、とりあえずはごめんって謝っとく」


愛良が差し出した紙に書かれていた組み合わせ。


・ラピス&愛良

・グレイ&ルート

・俺&コス王


「「「「「ちょっと待て!!?」」」」」


なんでカップルなのに男女別なんだ!?


「はい、ここを見ましょう」


愛良が指さしたのは看板の隅っこ。

そこには小さく、『男同士、女同士のカップルでも大歓迎!』と書いていた。

何でだ!!?

歓迎してるならもっとデカく書けよ!!

いや、それよりも!


「……俺、愛良と組むんだと思っていたんだが」


だって、今までの流れだと普通、俺と愛良だろ!?

何でコス王となんだよ!?


「うん、私もそう思ってた。けど腐ルナが絶対にこの組み合わせって聞かなかったから、まぁいいかなぁと思って」


いや、よくないだろ。

空しくなるから、そこはもっと拒否ってくれ!

というか、お前ももっと嫌がれ!!


「あれ、俺ってラピスとじゃないの!?」

「僕、ルナとが……」

「というか、俺様がイベントに出ると思ってなかったんが。俺様が人型なのってリーンの子守り予定だったんだけど……」

「ルナの名前がありませんが、どうするんですか?」

「リーン、ちゃんと……観戦」


いや、ルナの観戦って、ただ観ておくだけじゃないよな?

さっきの写真といい、この組み合わせといい、絶対に何かあるよな?


(あるに決まってるから、止めようとしたんじゃん。止められなかったけどさ)


疲れ切った様子の愛良からの念話。

やっぱり何かあるのか……。

さっきの腐ルナをみているから、想像できてしまうのが悲しい。

そんな俺たちの前で、涙目になって首を傾げるルナ。


「みん、な……だめ?」

『なんにも問題ないです。やります』


諦めるしかないな。

ルナが涙目になってるし。

うん、兄としてルナを悲しませるとかありえないよな。

よし、ルナの希望通りの組み合わせで行こう!

コス「いやいや、そこは兄として止めろよな!」

愛良「シスコンに何を言っても無駄なんだよ?」

コス「お嬢!お嬢だって被害者なんだから、頑張って止めて!」

愛良「シスコンのお兄ちゃん達を持っているがゆえに、止めることは不可能って分かっているの」

コス「あー……」

愛良「はい、諦めがついたら、イベントに向けて頑張ろうね」

コス「……うーっす」



☆腐ルナとは☆

何故か突然腐女子に目覚めたカイン溺愛の妹、ルナのこと。

腐ルナモードの時は何を言っても無駄!

諦めが肝心と思いましょう。


……本当に、腐ルナは一時的なものですからね??

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