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114.キャラ得って素晴らしい

お久しぶりです!

長らく放置してすみません。

亀更新のままでしょうが、よろしくお願いします。

ちょっとラピス様の素晴らしすぎるプロポーションに自信をなくしていたけども、こればっかりは仕方がないので諦めましょう。

だって、切なくなるくらい小学生のころからブラのサイズが変わらないし……。

むしろ、つけてもつけてなくても全く誰にも気づかれないというこの空しさ……。

いやいや、考えない考えない。

まだ16歳だから、きっと希望はあるはずです。


「……ん?なんで、君たちはここにいるの?確かギルドで修行していたはずだよね?夏休みの旅行?」


久しぶりに会ってテンション上がってそこまで考え付かなかったけど、よくよく考えればここって他国。

なんでこんなところでばったり会っちゃうかな?


「ギルド……依頼……」

「マスターから、息抜きもかねて依頼に行っておいでといわれたので」

「ラッキーだぜ!」

「うん、確かにラッキーだよね」


私の質問に、楽しそうに笑いながら答える4人。

まぁ楽しいなら別にいいんだけど……私的には、ルート君がいつの間にか戻ってきたんでしょうか。


「るー、くん……戻ってくるの、遅い……」

「はい!ごめんなさい!!次からは一瞬で戻ってきます!!」

「ん……」


わー……すっごく冷静な目で言い切っちゃうルナと、即座に返答するルート君。

完全に尻に敷かれてる……。

私がいない間に何があったわけ?


そしてカインさんや。


「……ルート?あまりルナにまとわりつくなよ?」


……そこでさりげなくシスコン発揮するのやめようよ。

なに無表情にルート君のパーカーの胸倉掴んでんの。

君のそういう所、大兄ちゃんみたいだよ。

大兄ちゃんのこと苦手って言ってるけど、人のこと言えないから。


「それより気になるんだけどねー。依頼ってどんな依頼なのー?」

「今回のイベントの優勝賞品です」


私の疑問に、あっさりと答えてくれるラピス。

イベントの優勝賞品は、神様のステータスブック。

けど、それを人間が見ても最初は分からないよね?

私も使い方がよく分からないし……。

でも、そんな物をいったい誰が欲しがるの?


「「……それ、依頼人だれ(だ)?」」


あ、カインと被った。

やっぱり疑問に思いますよねー。

人の人生すら左右できるものを欲しがる人。

依頼主がロクでもない人なら、ちょっとマークしておかなきゃいけない。


「依頼人?えーと、匿名じゃなかったか?」

「そうだよー。あ、でもなんか変なこと書いてなかったー?」

「かい、てた……ね……」

「確か『娘LOVEな偉い人!とにかく僕の娘が一番!!』とかふざけたことを備考の欄に書いてましたね」


「「あー……うん、わかった」」


はい、みなさんの説明で誰のことかすぐに分かりましたー。

というか、お父さん!

依頼出すとか人間界に思いっきり干渉してんじゃん!!

そこまで干渉しちゃってるなら、いっそ自分で参加して手に入れなよね!

もともとはお父さんの自業自得なんだから!


「それより、私たちも聞きたいことがあるのですが」


お父さんの自分勝手にプンプンしていたら、とある方向を見ながらラピスが首をかしげた。

んー?何ですかねー?


「あちらの男性と子どもは誰です?」

「はいー?」


ラピスがいう方向にいるのは、コス王と、コス王に抱っこされているリーンとしぃちゃん。

うん、私たちがラピスたちと話してたから暇だったんだろうねー。

リーンのホッペがすっごく膨れてて、それをコス王が焦りながら宥めている。

あちゃー……忘れてたわけじゃないけど、めちゃくちゃ拗ねていらっしゃるわ。


「リーン?リンちゃーん?ごめんねー?」

「悪かった。な?」

「リーン、ぷんぷんしてりゅの!リーン、にぃにといりゅの!」

「わーうー……」


カインと一緒になだめにかかるけど、ぷいって顔を逸らしてコス王の首に抱きつくリーンちゃん。

そんなリーンを慰めるように、リーンの頭に前足を置いているしぃちゃん。

うん、可愛い。

でもね、その前に……。


「俺様と一緒がいい!?俺様、お嬢に勝った!!」


コス王がめちゃくちゃ自慢げにニヤニヤしているのが気に食いません。

なんですか、その無駄に誇らしげなお顔は。

拳を埋めたくなっちゃうでしょ、そのニヤニヤ顔に。


「リーン……ママといるの、嫌?」

「にゅ……にぃにといりゅ」

「俺様はずっと一緒にいてやるぞ!!」


ちょっと迷ったみたいだけど、コス王を選択したリーン。

そしてさらにテンションを上げるコス王。

……あれ、なんかマジで凹むんですけど。


「そう……なら、お風呂もご飯も一緒に寝るのも全部にぃににお願いするね」

「わうっ!?」

「にょ!?やなの!!マーマといっしょ、ねんねしゅるの!!パーパ、まんましゅるの!!」


あえて全てのことをコス王と一緒にしてねとお願いすると、一気に顔色を変えて私に飛びついてきた。

普段はお風呂と寝るのは私と一緒だし、ご飯を食べるときに面倒を見ているのはカインだからねー。

むしろ、コス王は普段から適度に距離をとって適度にリーンを愛でてるだけ。


「俺様フラれた!?」


ふっ……勝った。

適度に愛でるだけの存在が、がっつり面倒見ている私たちに勝てると思わないでよね!


「カイン――!俺様のリーンが、リーンがぁああ!!」

「いや、さっきのお前には俺もイラっとした。むしろざまぁみろ」

「のぉおおおおお!!」


リーンにフラれて、カインにも冷たくされて大号泣するコス王。

よし、このまま放っておいて、ラピスたちに紹介しよう!


「おまたせー。この子はリーンだよ。リーン、このお姉ちゃんたちはママとパパのお友達ねー」

「……リーンなの」


初めての人だからか、不安そうに私の胸にぎゅっと抱きつくリーン。

お名前言う声も小さいこと小さいこと……。

さっきまでの声量はどこに消えたの。

やっぱり慣れない人がいると人見知りをするねぇ。


「アイラ?ちょっと質問があります」

「ん?」

「パパ、ママ……って、言った?」

「言ったよ?」


ラピスとルナの質問に正直に答えると、今度は唖然としていたグレイが口を大きく開いた。


「え、カインとアイラの子ども!?」

「……グレイ。君、それ、真剣に言ってたりするの?」


ルート君の言葉に全力で同意します。

だけど、授業をまともに聞いてないグレイならありえそう。


「うにゅ?マーマとパーパ」


そしてリーンがご丁寧に私とカインを指さした。

たいへんよくできましたー。


「やっぱり!え、どこのキャベツ畑から産まれたんだ!?」

「「……はい?」」


キャベツ畑?

なぜにキャベツ畑?

グレイが言った言葉が理解できなくて、私とカインが思わず顔を見合わせた。

このおバカ、いったいどうしたというんでしょうか。


「あなたはやっぱり馬鹿ですね」

「ぐべっ!?」


ラピス様、たいへん素晴らしいです。

一瞬でグレイの鳩尾に肘を埋め込んでいらっしゃいました。

というか、グレイってどういった頭をしているんだろう?

馬鹿の思考回路が理解できない。


「グレイ……赤ちゃんは、キャベツ畑から産まれるんじゃないよ?」

「お前、高等部なのに知らないのか」

「一応勉強したはずだよー?」


上から私、カイン、ルート君。

全員が全員、超呆れていますから。

同じようにうんうんと頷いていらルナも、カインの袖を掴みながらゆっくり口を開いた。


「……赤ちゃん……コウノ、トリが……運んでくる……よ?」

「「「そうそう……は?」」」


今、ルナちゃまは何と言ったのでしょうか?

思わず揃ってルナを見れば、きょとんとした様子で首を傾げているルナちゃま。


「……ぼく……間違って、る?」

「全然間違ってません!!」

「ルナはそのままでいい」


全力で首を振るルートくんと、安心したような笑顔を浮かべてルナの頭を撫でるカインさん。

グレイの場合はなぜか『馬鹿め!』とドつきたくなるけども、ルナちゃまの場合は『ぜひそのままのルナちゃまでいてください』と言いたくなる不思議さ。

好感度の差でしょうか。

私、この子の友達になれて本当によかった!

ラピ「ルナ。初等部の時の保健体育で勉強しませんでしたか?」

ルナ「いつも……保健体育の日……おとーと、熱で……淋しーって」

ラピ「つまり、保健体育がある日に限って熱を出す弟が寂しいから傍にいてと言わるがままに休んでいたんですか?」

ルナ「ん……」

ラピ「……カイン。あなたの弟は策士ですか?」ラピス様、直球

カイ「は?弟は俺のために泣きながら祖父に立ち向かうほど、優しい子だぞ」

ルナ「ん。おとーと……いーこ」

ラピ「訂正します。弟くんはシスコンブラコンですか?」

カイ「いや……俺は7歳で別れたっきり会っていないから違うと思うぞ?」

ルナ「おとーと……おにーちゃんに、会いたいって……言って、た」

カイ「来年なら弟も高等部に上がってくるから、会えるだろ。俺も楽しみにしていると言っておいてくれ」

ルナ「ん。……言っとく」

ラピ(……なぜでしょうか。弟くんが、腹黒い性格をしてそうな気しかしないですね。まぁ私に被害がなければどうでもいいですがね)


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