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104.リーンの将来が心配です

ω・`)チラ

どうも、お久しぶりです……。

更新、遅くなってすみません!

だけども、亀更新は続きます……

申し訳ないです……orz


◇◇◇◇


ぞく……。

今、すごく嫌な予感がした。

というか、確実に愛良からだが。

いや、でも一般常識がないのは愛良だし、その愛良に感化されてリーンも同じようになるのは、さすがに問題がある。

だから、リーンの教育に関しては折れるつもりはないからな!


改めてそう認識した瞬間、直接頭の中に聞こえる愛良の声。


(カイン……後でたーくさん……あそぼうね?)


……やっぱり折れたい。

むしろ泣きたい。

愛良からの仕置き宣言に項垂れる俺の頭を、近づいてきたリーンが手を伸ばしてきた。


「う?いーこいーこ!」


ああ、リーンが唯一の癒しだ。

いい子だな。

いい子なんだが、このリーンが愛良の影響を受けて育ったらどうなるだろう……?



『僕の言うことに、何か反論でもある?あるの?ねぇ、一回潰れてみる?それとも落とし穴?どっちがいい?選択肢をあげるからさ、選びなよ』ニヤ



…………。

なんか、リアルすぎる想像だったんだが、今の何だ?

愛良よりもすごい性格になってた気がするんだが、何故だ!?

やっぱりリーンの教育に関しては死んでも折れない!!

あんなリーンは嫌だ!


「……おい、カインはいったいどうしたんだ?」


思わず地面に手をついて項垂れていたら、皇帝に不審そうに言われた。

……ショック過ぎて、皇帝の前なのを忘れていたな。

微妙な表情で俺を観ている皇帝に対して、卵焼きを食べながら愛良が手を振った。


「カインは被害妄想が逞しすぎるだけなんで、気にしなくても大丈夫ですよー」


被害妄想が逞しいって言うな。

不気味なほど想像がリアルだったんだよ!


「たべうー?」


俺が落ち込んでいたからか、リーンがフォークで突き刺した肉団子を食べさせてくれた。

うん、いい子だ。

絶対にあんなふうには育てないからな!


「あ、うまい」

「マーマ、じょーじゅねー」


確かに愛良の飯はうまい。

コス王も愛良の飯を食うために捜すのに必死になっていたぐらいだし。


「……あ」


愛良の禁句ワードに触れたコス王のこと、忘れていた。

でも、あれだって愛良を探すためだし、しょうがないよな?

なにしろ愛良の一番の特徴だから、捜索するために言うことは必要だ!


「……カイン?君、さっきから死にたいの?」


……俺の内心を読んでいたのか。

不気味なほどニコニコ笑った愛良が、俺に顔を向けている。

殺気を感じないのが、逆に怖い。


「……死にたくないです」

「気を付けてね?」

「はい……」


もう愛良の前で正座をすることに慣れてきた気がするんだが、俺の気のせいだろうか?

いや、でも理不尽なのはこいつだよな?

本当に俺、なんでこいつ探しに来たんだ……。


「それで、なぁに?」

「ああ、コス王を出してやってくれないか?お前の飯を食いたがっていたから」


シリウスの胃袋の中で、食べたがっていた愛良の飯と一緒に消化されているとか哀れ過ぎるだろ。

せめて出して食わせてやれよな。


「……しょーがないなぁ。まぁ、探してくれたことには変わりないから出しとくか。皇帝さん、リーンの教育上あまりよくないものが視界に入るかもしれないんで、この子を後ろに隠してくれます?」


教育上よろしくないって、いったいコス王はどんな状態になっているんだ……。

消化されているなら、溶けているのか?

よっぽどえげつないものなのか?

……こいつ、やっぱりやることがえげつない……。


「……分かった。リーン」

「あぅ……しーたん……」


呼ばれたリーンが涙目でシリウスに抱きついて皇帝の後ろに移動した。

……ビクビクとしながら。

そんなに実の父親が怖いのか?

さっきからの度重なる心労で、皇帝が一気に老け込んだ気がしてしょうがないんだが。


「ほい、とりあえずコス王排出ー」


あ、コス王らしき男が俺たちから少し離れた所に排出された。

……うん、えげつないな。

リーンが見ないようになっていてよかった。


「……カインも大概、ひどい性格していると思うんだけどな」

「何がだ。というか、勝手に俺の内心を読むな」

「今は読んでないもん。ただ、あの状態のコス王を見ても表情変えないカインさんを見た感想です。君、コス王とも契約しているって分かってる?」

「……は?」


コス王と契約しているから、なんなんだ?

……いや、待て。

あいつも天界では地位の高い神族だ。

変態だが。

そしてあいつと契約したことで、俺、何か能力を得たよな。

奴が生きている限り不老不死って。

今はまだ成長したいから、愛良の設定能力で不老が効かないようにはなっているが……ちょっと待てよ。


「お、おい!?コス王!生きているか!?お前が死ぬと、道連れで俺も死ぬんだぞ!?」


こいつが倒れると、俺もやばいんだな!

愛良もそれを知っているなら、こいつを死にそうな目に合わせるなよな!


「いやいや!お前の心配するとこそこ!?俺様の心配じゃないの!?」


あ、一瞬でコス王が復活した。

なんだ、こんなに早いなら放っておいてもよかったか。


「最近の俺様の扱い酷過ぎ!?俺様、この湖がなかったから復活に時間かかってたからな!?二人とも、そこんとこ分かってるか!?」

「大丈夫!復活にはショッピリンを食べさせてあげる気満々だったから!」

「お嬢ぉおお!?それトドメ!本気で湖の傍でよかったぁああ!!」


号泣しながら湖に向かって頭を下げまくるコス王。

そういえば愛良に叩き込まれた記憶に、リーンもこの湖で癒されたってのがあったな。

いったいどうなってんだ?

愛良の弁当の前に、すっかり忘れていた湖の存在を思い出して、じっと見つめる。

……なるほど、アレには神の加護が強く宿っているようだな。

その影響で、心身の傷を癒してもらえるということか。

リーンも辛い時の記憶は綺麗になくなっているようだし、ここに連れてきた皇帝、よくやった。


「え?カインの奴、死に掛けた俺様の存在すでに忘れてる?ねぇ、お嬢?俺様忘れられてる?」

「どんま~い」

「おじょぉおおお!!元凶はお嬢ですよぉおおお!!?」

「大丈夫!コス王なら簡単に死なないって信じてるから!!」

「そんな信用いらないぃいいいいい!!!」


すっかり湖を観察することに集中していた俺をよそに、コス王が何故か嘆き、愛良がそれを見て指さして笑っていた。

……煩いな。

コス王……。

お前、さっきから何騒いでんだ?

せっかく出れたんだから、さっさと飯食えよ。

無駄に騒いでいたらリーンが怖がるだろうが。

声が聞こえてきたからか、リーンも皇帝の後ろから走って戻ってきているんだからな。


「わうわう!わーう!」

「う?リーン、知ってりゅ!へんたいしゃん!!」


頬を赤くしながら愛良に抱きついてコス王を指さすリーン。

……またシリウス情報か。


「うぇええええ!?俺様、こんな幼気な子どもに満面の笑顔で『変態さん』って言われたぁああ!!だけど事実だから否定できねぇ!!」


変態を自覚しているんだから、お前はいちいち反応するなよ。

めんどくさい。

そんな俺たちの様子を見ながら、なぜか諦めに似た表情で弁当の近くに戻ってきた皇帝。


「……すでにリーンは手遅れな気がしてきたぞ」

「大丈夫ですって!私みたいに心身ともに丈夫な子に育つのは確実だから!」


愛良が満面の笑みで返すが……なぁ、それって余計に不安を煽っていないか?

お前、ちょっと今まで皇帝の前でやってたことを思い出してみろよ。


「お前みたいに……」


ほら見ろ。

皇帝の表情が絶望に染まっているじゃないか。


「失礼だなぁ。ちゃんとした教育は(カインが)するから安心しなってば。お顔怖い皇帝さんじゃなかったら、お仕置きしちゃうレベルだよー?」


頬を膨らませながら腕を組む愛良。

……ちゃんとした教育をするのは、俺なんだな。

いや、お前に任せるのは不安過ぎるからやるけどさ。


「あ、ちなみにさっきから失礼なことを想っていることが顔に丸出しのカインさんは、お仕置き決定ね」

「マジか……」


……余計なこと言うんじゃなかった。

○皇帝様の内心


……不安だ。

懐いているからと思って預けたが、リーンの将来が不安になってきた。

いや、悪い娘ではないことは分かったんだが、やることが破天荒すぎる。

あの突然出てきてすぐに復活した男も、変態らしいし。

真面なのはカインだけか。

いや、でもこんな連中の中で平然と関わっていける奴も、ある意味真面じゃないのか。

……こいつらに息子を預けても大丈夫だろうか。


「マーマ!プリンー!」

「ん?ちゃんとごはん食べた?」

「あい!」

「肉しか食ってないからダメだ。野菜もちゃんと食べろ」

「むぅ……」

「あああ!?俺様まだ食べてないのに、野菜系しか残ってねぇええ!!!」

「わうわう!わう!」

「へんたいしゃん!しーたんが、あげうーて!」

「こら。人にやらずに自分で食べろ」

「カイン、厳しー」

「しー!」


……まぁ、大丈夫か。

だが、やはり心配は心配だな。

とりあえずは、あの怪しい動きをしている馬鹿共の不祥事を集めるか。

さっさとあいつらを潰してリーンを迎えに行こう。

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