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98.そろそろ追いつきそうです

◇◇◇◇


「ここが帝都で間違いないな」


あの村でお嬢の行方を聞いてすぐに空間転移で帝都まで移動した俺様とカイン。

空間属性っていいよなー。

自分で行ったことがある場所じゃないと移動できない転移と違って、距離と方向が分かれば移動するの一瞬だからな!

俺様も空間属性が欲しいぜ。

そしたら秋葉原に行き放題なのに!

転移魔法じゃ空間が違うから行けないんだよなー。

異世界旅行許可証をいちいち発行してもらわないといけないし。


「おい。なんか妙なことを考えてないか?」

「気のせいでっす!」


何か最近カインの奴も感が鋭くなったもんだ。

確実にお嬢の影響だと思う。


「それよりカイン。お嬢を探そうぜ!」

「ああ。コス王も人型になってくれ。手分けして探すぞ」

「りょうかーい!」


久々の人間モードに変☆身!

探すとしたら、やっぱり宿屋を中心だよな!


「お嬢を早く見つけて、ご飯を作ってもらうのだ!お嬢の作ったご飯が恋しい!!」


お嬢が居なくなった日の晩飯は、悲惨だった……。

晩飯を食いに行こうにも、店は閉まってたからな。

仕方なく台所にカインが入れば、何故か爆発音やらキーンっていう謎な音やら、何かが潰れるグチョッグチョッと言った音、何かの絶叫が響いた。

そして出てきたスパゲッティらしき物体は、なぜかどす黒くで麺が蠢いていた。

その蠢く麺が、俺様の腕に巻き付いてきたのにはビビった……。

もちろん、食う前にオカマスターが真っ青な顔して全力で燃やし尽くしてたぜ!

さすが元全帝の現炎帝だった!

あの得体のしれない料理のみを、見事な火力で焼き尽くしていた!

……お嬢がなぜあれほど台所に自分以外を立ち入らせなかったのか、よぉく分かった。

わざわざ台所に『カインの立入禁止!』と書いてある意味が、すんごく理解できた。

あれはダメだ。

カインの残念スキルは、うっかりだけじゃなかったんだって初めて知ったぞ。

台所の神様(お嬢)を早く見つけないと俺様の命が危険。


「うっしゃ!全力でお嬢を探すぜ!!」

「意気込みはどうでもいいから、さっさと行け」

「げふっ!」


せ、せっかく人がやる気になったところで、後ろから蹴りいれるとか、カインさんヒドス。

いくらお嬢がいなくて苛立ってるからって、八つ当たり反対!

というか、お嬢がいなくなってから苛立ってんなら、その理由にいい加減気づけよ!

このニブチンが!!


「愛良を見つけたら連絡してくれ」


軽く片手を上げて大通りに消えるカイン。

うーん……とりあえずは、お嬢の聞き込みだな。

カインは宿屋を中心に探すみたいだし、俺様は食事処を中心に探すか。

あれだけ力を持ってるお嬢なら簡単に見つかるはずなのに、そこはあの鬼畜長男が隠蔽しているらしい。

お嬢の存在をひとかけらも感じない。

天界で噂になっていたスーパーシスコンだという話は、事実だったんだな。

あの三つ子、性格が神王様すら頭痛を覚えるほどの破天荒過ぎるんだが……執着した者に対する愛情が怖い。

天界で一番関わりたくない神、ダントツ一位の座をここ数百年……下手したら千年以上独占している奴らだからな。

変態(世界神)と三つ子に囲まれて育ったお嬢の性格、あいつらに比べたらまだ真面な分類に入るのが驚きだ。

それでも中々酷いとは思うけど。


……今はそんなこと、どうでもいいな。

個人的には超気になるけど、カインのイライラがこれ以上増えると俺様が危険。

てなわけで、真面目にお嬢を探します!


「……ん?」


そういや、鬼畜がカインに渡した雑誌って、俺様も持ってたよな?

だーいぶ前のだけど、天界で雑誌が発行されるのって500年に1冊くらいしか発行されないし大丈夫だろ。

えーと……。


「お、あったあった」


興味なかったから邪神の神殿以外、今まで行ったことなかったけど。

お嬢の目的は、ルクレィチャ湖に行くことだろ?

てことは、ルクレィチャ湖を探した方が手っ取り早くね?

……そんな簡単なことにも気づかなかった俺様たちって、いったいどこまで焦ってたんだ。

よし、お嬢が作ってくれたスマホを取り出して、カインに電話だ!



『……お前、愛良の性格をもう一度よく思い出してから出直して来い』ブチ



あっれー!?

カインさん、それだけですか!?

お嬢の性格!?

えーっと、お嬢だとどんな反応する?


…………。



『わー!湖綺麗だねー!……はい、見た。課題クリア。じゃ、次行こうか』



……あの飽きっぽさからすると、滞在時間が1分となさそうだな。

いや、でも誰か一緒だとピクニックとか言って長くなるかも?

何か子ども連れてるみたいだし?

う~ん……。

お嬢が綺麗な湖の前でピクニック……。



『はい、お弁当食べてピクニックー。ご飯食べたらー、次行くよー!』



お嬢の性格からいって、どっちにしろ1時間もいなさそうだな。

つまり、一番滞在時間が長そうな帝都を探すしかないってことだ。

……とりあえずは、歩くか。


「……お?」


なんか、でっかい魔力の塊を感じる。

というか、この魔力の根源って邪神の奴のじゃん!

なになに!?

あいつも変態神みたいに何か行動起してたわけ!?

くー!!

馬鹿神たちの喧嘩に巻き込まれる奴ら、ドンマイ!!

あれ?

つーか、お嬢の魔力の痕跡も近くにあるくないか?

これは、行くっきゃないな!

邪神側の子といえば、彼しかいない!

場所はやっぱりゴミ捨て場なのか!?

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