93.とりあえずは腹ごしらえです
終った……
今日、ようやく国試が終わりました……
別の意味でもオワッタけども、一応勉強から解放されました……
とりあえず、またぼちぼち更新頑張ります!
よろしくお願いします!
◇◇◇◇
最初に寄った村から一日。
大きくなったしぃちゃんに乗せてもらって、ようやく帝都に到着!
やっぱ音速で走るから早いわ~。
私はともかく、リーンに音速は結界張ってても耐えれないからスピードは落としたけどね。
あ、リーンってのは、拾った男の子の仮の名前です。
名前がないと不便だから、しぃちゃんに駄目だしされながら頑張って名前を付けました。
本来の名前は別にあるだろうし、しばらくの間の呼び名だね。
ついでに服はちゃんとズボン穿かしてます。
スカート穿かせたかったけど、男の娘にする気はないからね!
髪の毛はサラサラで綺麗だから切るのもったいないし、ツインテールにしてるけど!
「リーン、しぃちゃん。先に宿屋を探すよー」
「あい!」
「わん!」
城門は普通に身分証明のギルドカード見せたら入れたし、とりあえずは今晩の宿を見つけるのが最優先。
大型犬サイズのしぃちゃんと、しぃちゃんの上に乗ったリーンも元気にお返事。
リーンはかなり衰弱していたから、長いこと歩けないんだよね。
今は少しずつ一日の歩く量を増やして行ってる所です。
まぁ、犬に乗って歩く子どもって目立つけどね。
リーンもしぃちゃんも可愛いし!
あ、言い忘れてた。
私、髪の毛を設定能力で銀髪に変えてます。
この世界で黒髪は目立つみたいだし、同じ銀髪にしていたらリーンのことを知っている人の目に留まりやすいかもしれないからね。
頑張ってリーンを知ってそうな人のこと探しましょう!
「う?マーマ!」
何かに気づいた様子のリーンが、キラキラしたお目めを私に向ける。
ママじゃないって言ってんだけどねぇ……。
名前で呼ばせようと頑張ったんですけど、何故か頑として『ママ』を変えようとしなかったの。
どうやらこの子にしてみたら、一番言いやすいみたい。
まぁ言葉自体知らないみたいだったから、気にしないでいるけど。
一応この子にはたくさん話しかけて言葉を覚えてもらっています。
そのうち『ママ』じゃなくて『愛良ちゃん』って呼んでもらいたいもん。
小さい子にちゃん付けで呼ばれるのって、胸がキュンってなるんです!
頑張れ私!
「どうしたの?」
「あえ!」
「ん?」
「あーえ!」
リーンの指さしている方向に、宿屋の看板発見。
あら、偉い。
この子、全然教育受けてないと思ったんだけど、字が読めんの?
思わずリーンの頭を撫でちゃうと、リーンはリーンで乗っているしぃちゃんの頭をなでなで。
「しーたん!いーこねー!」
……ん?
なぜしぃちゃんをいい子いい子?
しぃちゃんは元からいい子だけどね?
「リーン?どゆこと?」
「あんねー!しーたん、あっちてゆったのー!」
「わう!」
……んん?
しぃちゃんに教えてもらったってこと?
……あれ?
話せるようになるのは3歳からって、フェンリルの育て方に書いてあったよ?
だから、しぃちゃんはまだ話せないはずよね?
私はなんとなく言いたいこと分かるから別にいいけど。
「しぃちゃん?」
「わう?」
「リーンとおしゃべりした?」
「わう!」
「あ、そう……」
とっても嬉しそうに首を上下に大きく振るしぃちゃん。
なるほど、リーンとしぃちゃん、お互いにツーカーなんですね。
あまり深く気にしなくていいや。
とりあえず宿屋で部屋を取ってから、都を探検。
というか、さっさと湖の場所を把握しておきたい……のだけども。
きゅるるるる……
リーンちゃんのお腹が盛大に鳴りました。
思わずしぃちゃんと一緒に見れば、お腹を押さえてしゃがみこんだリーン。
「あう……マーマ、めんね~?」
しゃがみこんだまま、涙目の上目遣い。
え、なにこの可愛い生き物。
「お腹減ったのね。別に謝らなくていいよ?」
「う~……リーン、めっ?」
「それぐらいで怒らないよ。ご飯食べるには早いけど、別にいいし。先にご飯食べに行こうか。リーン、まんましよ」
「あい!」
「わん!」
可愛い子のお願いは断れません。
ついでだから、お兄ちゃんに渡された雑誌も全部目を通しとこうかな。
とにもかくにも、リーンのために宿屋の近くにあったレストランに入って腹ごしらえだね!
「マーマ!プリンー!」
リーンはプリンをご所望らしい。
一回プリンを食べさせたら、大好物になっちゃったみたいです。
柔らかくて食べやすいしね。
「プリンはご飯の後。何食べようかー?」
「……う?う~……」
メニュー表を見ながら、睨めっこするように唸るリーン。
今までまともにご飯も食べてなかったみたいだし、何が食べ物か分からないのは仕方ないね。
「オムライスにしようか」
「おむあいすー?」
「……なんか惜しいなぁ。オムライス。リーンは自分で食べれる?」
「あい!」
イスの上で大きく手を上げるリーン。
何でも自分でやってみたい様子です。
拾ったばっかの時はお粥とかプリンとかは私が食べさせてたけど、自分で食べれるならそっちの方が私も助かるし。
……なーんて思っていた時期もありました。
「おむあいすー!」
「わうっ!?」
オムライスが来た途端、手づかみで食べようとしました、この子。
しぃちゃんが必死に袖を噛んで止めたから未遂だけど、びっくりした。
この子、閉じ込められていたからスプーンの使い方とかも知らないのか…。
「リーン。やっぱり私がリーンに食べさせてあげたいな~」
「わー!マーマ、あ~ん!」
一人で食べる気満々なリーンにそう言えば、リーンは満面の笑顔で口を開けた。
よし!
傷つけずに気を逸らせたね!
食器の使い方、その他諸々は追々教えよう。
そうした方が、私のためだ。
リーンにオムライスを食べさせ終えた頃には私としぃちゃんはぐったりだったけどね。
いやね?
幼児にご飯食べさせるのって思ってた以上に大変だったんだよ。
すぐに他のことに気が散っちゃったり、噛まずに飲み込んだり、気が散っちゃってる割に次を自分で手づかみで食べようとしたりさ…。
辛抱強く育て上げた世のお母さんたちを尊敬する。
いや、マジですごいよ。
地球に帰った時は、絶対に母親孝行しよう。
お父さんはどうでもいいけどね!
お腹がいっぱいになったリーンは寝ちゃったから、ゆっくり食後のお茶でも飲みながら雑誌の続きを読もう。
抱っこしたままで読みづらそうだけど、寝てくれた方が助かるから大丈夫です。
寝ている子どもをずっと抱っこできるくらい力が強くてよかった!(切実)
寝ているリーンに防音の結界をセットすれば、普通に話しても大丈夫。
「何々?ベスト4が『ルクレィチャ湖』で……ベスト3はツヴァイス皇国にある『霊峰ジュレイス山』てとこみたいだね。ベスト2がフィルス公国の高山のみでみられる『オーロラ』だって」
どれも人間にはたどり着けない場所みたいだけど、私たちなら問題なしだね!
神族万歳!
「ちょっと楽しみだね、しぃちゃん」
「わ~う~!」
皇国って、確かフィレンチェ王国の西にあった国だよね?
帝国は王国の北で、公国は南。
北から西、南って回ったらいいか。
「わう?わうわう」
ん?
しぃちゃんが次のページを鼻でめくって、前足でぺしぺし叩いてます。
「あ、そういやベスト1を見てなかったね」
「わん」
「えーっとねー、ベスト1は、フィレンチェ王国にある『邪神の神殿』だって!」
邪神の神殿かぁ……って……
「……は?」
「……わう?」
邪神の神殿とな?
「……『邪神様が封印されてる地下神殿です!扉越しでも邪神様に声は届くので、邪神様に苛められた人たちが悪口を言うのに最適な場所!この世界の世界神様容認のおススメ場所です!』」
……パパは、いったい何をやってるのかな?
てか、場所はいったいどこ?
「えーと、場所は……王都の王立リンズバーン学園の地下……。しぃちゃん、私たちが通ってる学園ってリンズバーンって名前だったっけ?」
「わう」
「だよねぇ……」
世界って、狭い……。
……あら?
前に感じた大きい魔力の持ち主が近づいている感じがする。
……まぁ、大した害にならないから別にいいか。
放っておこう。
更新再開したはいいけど、試験に落ちていたらまた来年も受験……。
あ、なんか胃が痛くなってきた……泣