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挿話 2

「国王陛下!王子がお戻りになりました。」


王室の入口で警備兵長からの伝言を聞くと、近衛兵は威勢良く叫んだ。


「うむ、待ち焦がれたぞ!すぐにこちらに来るように伝えてくれ。」


「はっ!」


国王シリウスの声を聞くやいなや、伝令役の警備兵長は再び城門の方へ走っていった。




「第一王子アルカス・エルランド、戻りました!」


王室の手前でアルカスが恭しく頭を下げる。


「うむ。此度のロベスト国境の平定、大義であった。今日はもう休んで明日の朝議から公務に戻るようにしなさい。

ところでメリッサは一緒ではないのか?報告にも一緒に来ると思っていたのだが。」


シリウスは少し残念そうである。


「は?父上、なぜメリッサが一緒に来るのですか?」


アスカルは不思議そうに言った。


「何冗談を言っておる。お前の誕生日にメリッサがそちらに行っていたであろう?

まだ戻ってないから一緒に帰ってくると思っていたのだが、寄り道でもしておるのか?」


二人のやり取りに騎士や近衛兵達も戸惑っている。


「いえ、メリッサは私の所には来ておりませんが。どういうことでしょうか?」




「ではメリッサは一週間前、転移魔法で私の元に向かったと。しかし、実際に私の所には来ていない。メリッサが魔法を失敗するとは思えませんが・・・。

だれか、魔導士隊の者を呼んできてくれ。修練場を見に行ってみましょう。」



「まだ転移魔法の残痕が残っておりますな。」


修練場に入ると、魔導士隊の隊長であるブラックが言った。

ブラックは初老の魔導士で、20年近く城に仕えている。メリッサに次ぐ魔力の持ち主でもある。


「魔方陣の記述ですが・・・。

むっ。これは。」


ブラックは驚いているようだった。


「どうした、何かわかったのか?」


シリウスは気が気ではない。


「転移魔方陣のこの部分には転移先の座標を記述するのです。

恐らく王子の装飾品には王女の魔法が掛けてあり、それが座標指定を出来るようにしていると思われます。

しかし、この部分の文字が一文字擦れてしまっています。

この世界の座標は16文字のルーンによって表すのですが、これでは15文字となってしまう。」


ブラックの説明は魔法の教本にも記されている、基本的なことであった。


「つまり魔法に失敗したわけか。ではメリッサはどこに転移したというのだ!」


シリウスは興奮を抑えられなくなっている。


「わかりません。この世界のどこかにいるか、別の世界にいるか、それとも次元の狭間に取り残されてしまっているか。

時間はかかりますが、転移魔法が出来る者を呼び魔力の痕跡を探索させるしかないでしょうな。」


ブラックの言葉にシリウスの顔は青ざめた。


「ではすぐに手配をしろ!なんとしてもメリッサを見つけるのだ!」



こんにちは、作者です。


今回は短いのですぐに書き終える事ができました。


始めに考えていた設定とか忘れている事がちょいちょいあります。

確認しながら書いておりますが、おかしかったら教えて下さい。

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