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第6話  ホームルーム

教室の前に着くと、ホームルームの時間は過ぎているのに何人か廊下に残っていた。


「おい、早く教室に入れ!時間過ぎてるだろうがっ。」


担任である山田が叫ぶ。


「お、一郎ちゃん、おはよう!

まあ自分も遅れたんだからしょうがないじゃん。

おっ。噂の美少女留学生はもしかしてうちのクラスかよ!?」


優馬と同じくヤクザの息子であり、クラスの問題児でもある木村は、そう言うと教室のみんなに向かって留学生が来たことを知らせた。


「ああ・・・。転校生が来たときのアレ、やりたかったのに。」


山田はそう言って肩を落としている。

どうやら、ホームルームで突然転校生を紹介するベタなアレをやりたかったらしい。



「こらー、転校生紹介するから早く席につけー!」


山田は半ばやけくそに叫ぶ。

生徒達が席に着くと山田は咳払いをしてからホームルームを始めた。


「えー、ではみんなも知っていると思うが、今日から留学生が来ることになり、このクラスに配属されることになった。

じゃあ自己紹介をお願いできるかな?」


山田は落ち着きを取り戻してからメリッサを紹介し、自己紹介を促した。


「メリッサ・エルランドと申します。この国の事や、学校のこのなど、わからないことが沢山あるので皆さんに教えていただけると嬉しいです。」


メリッサは深々と頭を下げた。


「では、メリッサさんの席は・・・相川の隣だな。開いてるのはあそこだけだし。」


そう言って山田は開いている席を指さした。


「はい、わかりました。」


「相川さん、よろしくお願いします。」


メリッサが相川の隣に行き、頭を下げた。


「あ、ああ。よろしくお願いします。」


相川も頭を下げた。

相川あいかわ 十蔵じゅうぞうは、成績は学園トップクラスで、物言いもはっきりとしているためにAクラスの生徒から疎まれる存在だった。社長の息子ではあるが、この学園内では家柄はいい方ではないが、Aクラス相手でも正面からぶつかるため、度々嫌がらせを受けていた。しかし、優馬の助けもあり、今では嫌がらせはなくなり、平穏な学園生活を送れている。そのため、相川は優馬を親友と考えていた。


「あー、あとこれメリッサさんの教科書ね。在庫があったからもらっておいたよ。

相川、残念だが転校生に教科書を見せるというフラグは不成立だな。」


山田はニヤニヤしながら言った。


「別にそんなこと考えてない。」


相川はぼそっと言った。



ホームルームが終わるとメリッサはクラスメイト達に取り囲まれていた。


「メリッサちゃんはどこの国からきたの?」

「日本語上手ねー。」

「なんでこの学園に来ることになったの?」


などなど、質問攻めでメリッサは戸惑っている。


「更科くんとはどういう関係かしら?」


優馬の耳はその質問に反応した。


「実は、優馬さんの家に住まわしてもらってるんです。」


メリッサが答えると。


「ええ~~。」


みんな一斉に叫び、優馬の方をみた。


「おい!更科!どういうことか説明しろ。」


男子達が詰め寄ってきた。特に優馬と同じくヤクザの息子である、木村と藤森の剣幕は相当のものだ。


「いや、うちの親父の知り合いの娘で、たまたまうちにホームステイすることになってだな・・・。」


「なんだとてめえ、自分だけいい思いしやがって!今からでもうちに変更するようにしてやる。」


藤森はめちゃくちゃなことを言い出した。

彼らは多くが甘やかされて育ったため、思い通りに行かないと怒り出すという嫌な性質を持っていた。


「少し黙れ。」


優馬は呟くと、藤森に向かって剣気を叩き付けた。

すると、先程までの勢いは嘘のように、顔は青ざめて脂汗をかき始めた。


「あ、いや。悪かったよ。冗談だって。優馬くん相手にそんなことするわけないだろ。」


藤森は息を切らしながら言い訳をした。


「ほらー、みんなも、もうすぐ一限目が始まるよ-。」


学級委員長であるかがみ 美姫みきが皆を諫めるとその場は収まったのだった。

お久しぶりです。作者です。


本当に久しぶりになってしまいました。


もっと頑張ります。

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