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90%の可能性  作者: 子見
4/12

〜〜 予兆 〜〜

 生田は事故で入院した時、確かに麻酔はかけられていた。


しかし意識が存在していた。


それは今でも鮮明に記憶している。

(今俺は手術されている?俺が寝ている..臨死体験?     

               

       

       ・・・・・助けてくれ..)


麻酔をかけられた後からは、

 自分の体を上から見下ろしている時間がかなり長く続いた。


手術が終わるのを見届けて、ベッドに寝かされた一瞬、高層ビルから飛び降りたような感覚になった。


そして本当に目を覚した。 


目を覚ましたと言うよりは目を一瞬開けただけだ


周囲から

「浩太!ねー?わかる?」


「生田さん?わかりますか?手を握ってみてください」


「浩太⁉ダイジョブか⁉おい‼」


これは、自分の耳から聞いた。


それと同時に頭に直接入ってくる声が言葉として重なって入ってきた。


(せめて声だけでも聴かせて・・・)


(このまま意識戻るのかな?若いのにこんな大きな事故にあって可哀そうに・・・)


(こいつがまさかこんなことになるなんて・・・)


二重に聞こえる声に戸惑った


戸惑いの中



・・・・・今度は本当に意識を失った。



............



目を覚ました時、そこには誰もいなかった。

窓からの光が眩しすぎる・・・・


(生きてる...良かった...)



目ヤニが気になって手を動かした

そのとき指に軽い力で、洗濯ばさみの様に挟まっている機械が外れた。


そんなことも気付かず、目ヤニをこすっていると看護師がやってきた。


「生田さん!意識もどりました?わかりますか?」


「は・・い・・ここは・・病院ですか?」


「はい、そうです!直ぐ先生呼びますから!待っててくださいね!」


「はい・・カシワギさん・・・ありがとうございます・・」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


看護師の柏木は、昏睡状態だった生田が目覚めた事に慌てて先生の元へ走る。


「高橋先生!生田さん、目を覚ましました!お願いします!」


医師と生田が寝ている病室へ向かう。


柏木看護師は病院の廊下を速足の医者の後ろを歩く、


(?・・・・柏木って呼ばれた? 名札もしていないのに・・・・・)

疑問よりも看護師業務が優先された。


高橋医師が生田の前に立つ

「生田さん、気持ち悪かったり、手足が痺れたりしていませんか?」


「いえ・・手足は重く感じますが・・痺れとかはないと思います」


「ちょっと失礼しますね」

そう言うと、布団を剥がし、全身を観察しはじめた。


ズボンの裾から管が出ている、管の途中に留まっている黄色い液体に目がいった。

 (あれからずっと入れられていたんだ・・・やだな・・・)


今一番の疑問を聞いた「今日は何日ですか?」


「今日は10月6日です、ここにきて12日間が経っていますよ」

柏木看護師が答えた。


「意識はちゃんと戻ってそうだけど・・・ちょっと手・・動かせるかな?」

髙橋医師は確認する。


生田は、両の手を天井に向かってゆっくりと上げて見せた。


「足はどうかな?」


ベッドの上で、ゆっくりとしたバタ足のように見せた。


「動かして痛みはないですか?」

「はい、大丈夫です」



話をするのも慣れてきた、それより・・・



(この声はいったい何なんだ・・・)













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