~~ サヴァン ~~
サヴァン症候群とは・・・
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知的障害や自閉症などの発達障害等のある人が、その障害とは対照的に優れた能力・偉才を示すこと。
また、ある特定の分野の記憶力、芸術、計算などに、高い能力を有する人を示す。
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そしてこの障害のある者の10%に認められるという・・・
では残りの90%は・・・
そして障害がない者であっても認められる可能性は・・・
0パーセントではない。
0パーセントではない以上
これをマーフィーの法則のと言うべきか・・・
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生田は今日もいつもの道順で医療連携室に入り、持ち場に入った。
今日は10時に、脳梗塞で入院した87歳の患者の家族との面談が入っていた。
周りから気づかれないようにスティック状のハチミツを飲み込んだ。
(今日もやるか)
そう思いながら今日も相談室に入って行った。
「お見えになりました」
事務員に入ってきたのは、夫であろう老人
その息子夫婦の3名だった。
生田は先ずは夫であろう老人を見たが、見るだけで充分だった。
先ずは只、話を聞くところから始めることにした。
「あの・・うちのバァさんはこれからどうするべきか今日は聞きたくて・・・」
息子夫婦よりも30㎝程、前に位置した夫が話始める。
「一般的に脳梗塞発症後は後遺症が残りますので、後遺症のためにリハビリ病院へ転院することをお勧めしています」
「そのリハビリ病院て言うのは、月にいくらくらいかかるものなんですか?」
資料によると長男と思われる息子が入り込んできた。
「入院費用の事ですね?」
「はい・・」
「遠藤さんの場合、御主人と二人暮らしで、市民税非課税世帯なので10万円を切ると思いますよ。」
「そうですか・・母は国民年金で月に換算すると5万円なので・・・」
悲しそうに訴えるが違和感を感じた。
(この息子を見ても面白くないな・・・)
(しかも非課税で通常より安く入院できるというのに・・・)
(普段、なにもしていないくせに、金の事ばかりか・・・)
生田は心の中で呟いた。
「わしの年金を足せば、それくらいなんとかなりますから・・少しでもバァさんが元気になってくれるようにお願いします。」
少し擦れた声で、訴えるこの言葉を(少しだけ力を使って確認した)
(このご主人の為にやるか・・・)
ーーー長男の嫁を凝視する
(やはり財産目当て・・・非課税にしているのはかなり前から預金を移しているからか・・・金がないとか良く言ったものだな・・・長男もこの嫁に都合よく使われて・・馬鹿な男だ)
更に奥まで潜ることにした。