とある夜
真っ暗な室内にさす微かな光を求めて、皆が寝静まっているだろう午前二時、裏口から息を潜めて外へ出た。ずっと冷たい空気が体を冷やしたけど、衝動は熱を帯びたままだった。屋根と屋根に押し込まれた空は昼よりもずっと弱い光で、意識して注目しなければ気づかないもので、それでも想像していたよりもずっとずっと強い無数の光が出迎えてくれた。ゆっくりと道路に踏み出せば、さっきは分からなかった星たちも目に入った。けれども鉄の灯りが塗りつぶしてきたから、遠ざかるように歩いた。遠くからの虫と風以外には何も存在を主張していなくて、いつかは知らないが昔と同じところに戻ってきたみたいだった。首をのけぞって全てを覆うドームの真ん中の目立つ星だけが私と一緒にいた。そのうち程近い軋む音に足を引かれた。急に人目が恐ろしくなって跳んで逃げた。そのまま家の中へ入ろうかとも思ったが、なにかの形として残しておかなければ今日の夜は無くなってしまうから、真っ暗な庭に座り込んで人工的な光に爪音を置いてゆく。