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出会い

とある森の中、そこには悪夢にうなされているようなうねりを上げる少年と、同じくらいの背丈の少女がいた。

「う〜…」

つんつん

少女は先程から彼が唸るたびに顔をつついていた。

「はっっ!」

ゴンッ

「いったぁ!」

少年は目が覚めたようだ。

ただ起き上がる際に少女の頭にぶつかってしまい今は痛みに悶えてのたうち回っていた。

「大丈夫?」

「ワッ!」

どうやら少年は問いかけられるまで少女に気づいていなかったらしい。

「アッ…だいじょうぶです。ただ、ここってどこでしょうか、そして俺はなんでここで寝てたんでしょうか?」

少年は以外にも冷静だったようだ。

「とりあえず一つづつこたえるね。」

少女はそう前置きすると話し始めた。

「まず、ここは始まりの島の召喚の森で、あなたはこの世界に召喚されたのです。」

「召喚ですか…」

少年は少女から伝えられたこの場所の名前の安直さに驚きつつ、その口からは、言葉が漏れていた。

「召喚と言っても、実際には複製された人格がこの世界で生を授かることをそう呼んでいるだけですが。」

「もちろん、あなたが複製された人格ですよ」

少女からも事実を告げられて少年はしばし俯き、頭を抱えてしゃがんだ状態で口を開いた

「つまり俺はコイントスに負けた方の俺ということか…」

少年の言葉を聞き少女は驚いて固まってしまった。

「どしたの?」

少年は素であろう口調で驚いて固まっている少女に問いかける。

「いえ、その言葉と全く同じことを言った方がいましたので。」

「へぇ…その人とは仲良く慣れそうだな」

少女の答えを聞いて少年の口から思ったことがそのまま出てしまった。

「よかったら会います?たぶん1〜2月ぐらいすればここに来ると思います。」

「じゃぁ、その時になったらお願いしようかな。ところで俺は今後何をすればいいの?」

「そうですね、それを考えるにはまず、あなたのスキルを調べる必要があるので、手を出してください」

「はい」

そう言い少年が手を出すと少女は両手で出された手を握った。

こんなことをいきなりされれば大抵の男はドキッとするものなはずだがなんでこの少年は無反応なんですかねぇ(アル並感)

「?????」

「どしたのそんなチョコを食べたらチーズの味がしたみたいな顔をして」

少女は一つ間を置くと少年の意味不明な例えを無視して話し始める。

「結論から言うとわかりませんでした。ただスキルスロットというものがスキルにあるみたいなのでもしかしたらコピー系統のスキルかもしれません。」

「はぇ~」

「まぁスキルが使えないということがわかったのでとりあえず街に行って仕事を探しましょう。」

「アッツカエナイノカ、そしてすごい唐突ですね。あとおいてかなで」

少女は困り顔から普段の顔に戻ると少年を問とともに置いて歩き出した。

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