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きっかけ

 生善が話を元に戻す。

「まあ、それはそうと、お祓いを始めるか」

「ああ、頼む」

「むっ……」

「まだ何かあるのか?」

 クレンが尋ねると、申し訳なさそうにまゆげをハの字にまげる生善。

「いや、ホラみてみろ、この子相当人間をこわがっている、この子の気が……クレン、お前よく封印できたな」

「うーん、そういえば……」

「怯えていると払えないの?」

 カノンがクレンに尋ねる。

「いや、そういうわけじゃないんだ、ただ“払う対象と気の質があったり、すんなりその人を受け入れていたり”すると、憑き物や悪霊が払いやすい」

「クレン、お前がやったほうがいいかもな、まあとりあえずこの犬少し衰弱しているようだし、二回にわけてやってみるよ」

 そういって、生善は皆の前でお経を読みながらお祓いを始めた。そして15分ほどたったころ、一度目を終えたといってふりかえったが、少し困った顏をしていた。

「今日中に終わらせる予定だったが、終わるかどうか」

「え?私、身近で明日から新しい飼い主さんを探す予定で……」

「ふむ……いやあ思ったよりこの子に拒まれているようで……」

 皆が犬をみる、すると犬は

「クゥン……」

 と申し訳なさそうに上目遣いでこちらをみていた。その時、今まで気を使ってから喋らなかったセイヤが口をひらいた。

「あの……クレンがやるのはどうですか?無理にとはいわないけど、本人も昨日のこと“懐かしい感じがした”って、禁止しているとはいえ昨日つかっちゃった能力だし、直近でつかっても、あまりたいした差はないでしょう?」

「うーん、確かにもしものときに全く使えないとこまるしな……完全に封印しておくのもっていう考えもあるにはある」

 クレンが悩んでいると、生善も表情を変えた。

「うむ、やるか?クレン、なんならまた跡継ぎとしてがんばってもらうか、ガハハ」

「……」

 クレンが無言で半目でわかりやすくにがい顏をすると、生善はたじたじになり

「冗談だよ、まあ一人でやることはない、気を貸してくれるだけでいいんだ」

「いや、俺の気のほうが抵抗がないというのなら、俺が払おう、相当弱っているんならなおさら、昨日のことでわかった。封印はしておきたいが、時折必要になることもあるかもしれない、つらくなったら封印して、もし必要なら力をつかう、そんな風にふるまってもいいんじゃないかな」

 そういうと、クレンは生善と同じように経をよんだ、生善との違いは、クレンが払う対象に手をあてて、気を送り込んでいたことだ。犬は優しい顏をして、その間ずっと眠っていた。


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