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九十九霊

「へえー、ってあの“九十九霊”って自称していた公園にでる幽霊か」

「そう」

 セイヤは腕をくんで考え込む表情をみせる。

「本当に能力があったんだな、あながち本人のいう事も嘘じゃないのかもしれんな、だけど、なんで付喪神じゃなくて九十九霊なんだろうな?」

「本人がいうには、付喪神はモノに宿る本来人間ではないものなんだが、それに人間の霊魂が宿った結果らしい」

「へえ、そんなことあるのかねえ、今どこにいるの?」

「いまそこ」

「え!!?」

 セイヤが廊下のほうを振り返る。当然そこには何もいない。クレンがみるとクノハは先ほどと同じく手をふりつづけており、クレンは苦笑いしながら手を振り返した。

「へえ……」

 とセイヤはいみありげににやついていた。


「いーこーうよー」

「いやいや、二人に悪いし」

「悪いって何が?」

「いや、そのそれは、若いお二人さんにあとはまかせてですね、おじさんはちょっと」

 セイヤとカノンが放課後、よくわからないやり取りをしている。

「どっちでもいいけどさあ、早くきめようよ」

 クレンが口をはさむと、カノンがクレンをみて、まったく怖くない顏としぐさで両手を肩の上でぶんぶんふっておっとりとした声でおこりだした。

「昨日レンちゃんをたきつけたのはセイヤ君でしょ!!それにクレンちゃんに何があったのか知りたいし、そもそもどうして危ない思いしてまであんなことしたのか、ついでにくわしく聞かせてよ!!」

「やっぱりそういうことですか……」

 セイヤはこめかみをぽりぽりとかく。この夫婦のような親子のような関係は、セイヤとクレンとの関係とも違う、絶妙な空気間があってセイヤは少し入りづらいと思っている。

「まあ、しょうがないか、確かに俺にも責任はあるし……公園のわんこは俺もかわいがってたから、見に行くよ」

 というわけで3人で動物愛護所へ向かい、そこで“お祓い”をする生善と落ち合うことになった。時間は7時すぎ頃。クレンたちは、バスにのり移動した。その車内でクレンはこれまでの事をふりかえった。思えばあの九十九霊の少女と公園で出会ったのが始まり、急激に色々な事がおきた。父を助けるために無茶をしたし、もしクノハがいなければあの無茶もどんな方向に転がったかもわからない、けれど、生善の危機に、かばうようにして戦ったのは事実だ。もしこの活躍をみれば、中学時代、例のかつて自分をかばったせいで転校した友人も、少しは許してくれるだろうか。そんなことを思うのだった。



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