表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/141

悪霊

 ただ、たしかに男が襲い掛かってきたのだが、憑き物は完全に人型の黒い影、悪霊の姿をあらさし、男と折り重なるように覆いかぶさっていた。

(力の強い悪霊だ、男の意思に干渉している!)

 クレンは、襲われながらもそんなことを考えていた。

「おい、ちょっとあんた、意識をもて!!あんたすでに取りつかれているぞ!!」

「……ああ?なんだ、このクソガキが、お前はただいう事を聞けばいいんだよ、やるのか、やらないのか……返答しだいでは……」

 男は刃物をなめ、ニヤリと笑う。

「……俺はもう……」

 そう言いかけた時、生善が大きく横に首をふった。大体の意味を察する。

「ああ、やってもいいが、少し準備がいる、あんたが襲い掛かっている状態じゃできねえだろう」

 男はきょとんとしながら

「それもそうだな」

 とこちらをむいて胡坐をかいた。

(まいった……こまったことになった)

 クノハがゆらゆらと近づいてくる。台所で何があったのか、体中調味料や何やらでよごし、とほほというような表情で浮きながら近づいてきた。

「クレンさん、状況は、あっ……」

 彼女も、エイゾという男の背中に宿る邪悪な気配の、これまでにない大きさをみて、つぶやいた。

「これは、予想以上の強敵ですね」

「ああ、作戦を練るしかない……」

「何だあ??」

 男が大声をあげる。

「少し時間をくれ、いま座禅を組んで集中力を高めるところだ」

「ああ」

 男は思考力が鈍っているようで、あまり疑うことをしらなかった。その部分は、こちらに有利に働いているようだ。

「今度は逆をやろう、クノハ」

「どういう事です?」

「僕の力はにぶっている、だがあと2回もつかえばなんとかなるだろう、それまでに君にも、君の自称する力をつかってもらいたい、もしそれが使えなくとも、君は神通力でなんとか、彼と彼の背中の悪霊を一瞬でいい、引きはがしてもらいたいんだ」

「わかりました……」

 その他様々な話し合いを終えると、クレンは、男にいった。

「準備がととのった、俺と向き合いすわってくれ」

「ああ、だがいっとくが、俺を騙したら……」

「静かにしろ」

「ちっ……わかったよ」

 作戦はまず、クレンの力を使い、先ほどの逆で、クレンがまず自分のまだ完全ではない力で、敵の気をひく、その間にクノハが、敵二人を分断する。クレンはクノハがそこまでしなくても大丈夫だとおもっていた。もし何かあれば、自分が普段から鍛えている武術、柔道で、一度男を打ち倒せばいいのだと。そうすれば、きっとさすがに悪霊による男の支配も弱まるだろう。

男が、クレンをみながら、話しかけてきた。

「なあ、お前、俺を騙そうとしてないか?」

クレンは頭をかいた。悪霊が男にささやきかけているのが見えたのだ。

「どうしてそう思うんだ?」

「どうしてって、勘で」

「お前の背中には悪霊がついている、お前を洗脳しようとしている」

「じゃあ、いいじゃないか、そいつも呪いに使えば」

「事はそう簡単じゃない、お前が従える側にならなければならない、いま、お前は悪霊に支配されている状態なのだ、それを逆転させるために今から魔術を行う」

 クレンは今考えた口からでたらめを口にして、その場をしのいだ。彼が体全体を流れる“陽の気”を腹部に集める時間を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ