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奇妙な魔物たち

 高校生男子のクレンは、元退魔師だ。もともと実家の裏稼業である退魔の力をつぐように育てられたが、ある事がきっかけでその道を避け、諦めるようになった。それから親は、そのきっかけもあり、強引に跡を継ぐことを要求しなくなった。父と二人暮らし、住んでいる実家は、寺。住職は父親だ。小高い山の中腹にあり、父は住職の仕事と、たまに舞い込む珍しい仕事をしている。それが“退魔”の仕事。

 (俺は絶対に、平穏無事な学生生活を送り、平穏な社会人としての暮らしを送る)

 そう考えながら、彼は今日も登校していた。しかし彼は街中で、平然と“魔”と“この世のものでないもの”を見る。彼の家系の退魔の流派は“静穏流”“魔”と“この世のものでないもの”の境目にある“悪事”を見抜き、“魔”と判断されたものを裁く。代々その能力を受け継いで生まれてくるせいで、時たま人と“この世のものでない何か”簡単にいえば“幽霊”や“魔物”との区別がつかないことさえある。しかしもしものとき、本当に何があっても、“退魔”の力は使わない事に決めていた。20歳までに“退魔”の力を封印するとその後は能力を失うという“退魔術”を、ある人にかけてもらっているからだ。


 クレンがある公園にさしかかる。その公園では最近よく少女の亡霊を見る。というのも悪い気を感じないし、ただの浮遊霊(自分の死に気づいていない霊)だろうと思われた。だが一つ問題があった。少女の幽霊は公園からでてくると、曲がり角あたりでクレンの手をつかみ、へばりついた。

「あなた、あなた、今日もあなたにあえてよかった、本当によく似ているわ」

 彼女はクレンにつきまとうのだ。それもこれも“ある失敗”から始まったこと。クレンは、数日前のある日、幼馴染の“カノン”と一緒に登校する約束をしていて、その公園で待ち合わせをしていた。その日、カノンがあまりにあらわれずイライラして本を読んでいたら、声をかけられたのだ。

「もし、あなた」

「遅い!!」

 話しかけられ、反射で顔を上げ、リアクションしてしまった。そのとき件の亡霊少女と目が合った。そう、呼びかけたのは、その亡霊少女だったのだ。

「やはり、あなたは見えているのね、私の名は“クノハ”あなたにお願いがあります」

「グッ」

 しかし、あろうことか、カノンのこともその亡霊少女のこともほったらかしで、クレンはその場所からダッシュで逃げてしまった。それがこの物語の発端である。

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