第87話 エリクサーってとても美味しいですわ!
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「美味しいですわ~! 本っ当に美味しいですわ~!」
氷結果実を持ち帰ってから3日後。
ワタクシ、念願の氷結果実のパフェを堪能していますわ。
生のままであれほど美味しかった氷結果実が、一流パティシエ様の手によって異次元の領域に達していますわ。
ちなみに、パーティーメンバーは各自、お土産にする分の氷結果実も持ち帰りましたわ。
更にユクシーさんの『少し多めに採取して他のレストランにも売ろうよ』という提案により、いくつかのレストランにお売りしましたの。こういった取引は、ユクシーさんが得意でしたわ。
そして売ったお金はダンジョン攻略に掛かったボートなどの費用を引いて、パーティーメンバー3人で均等に配分しましたわ。
その額、1人金貨5枚(金貨一枚がおよそ一般庶民の月給ですわ)。しばらくの間、暮らすのに困らないほどのお金ですわ。
そして……。
「現物交換とは、今時珍しいですわね」
ワタクシは、アイテムボックスから小さなビンを取り出しますわ。
『手元に現金がないが、どうしても氷結果実を仕入れたい』という個人経営のレストランの方から対価としていただいたものですわ。
”エリクサー”という回復ポーションの一種ですわ。ただし、量はビンの半分以下ですわ。なんでも、モンスターさんの出る森で持ち歩いていたところビンが割れてしまい、大半がこぼれてしまったところを別の空ビンに詰め替えたとのこと。
エリクサーは本来大変効果が高くて万病に効くそうなのですけれども、この量ではそこまでの効果が見込めないとのこと。価値も大幅に下がっているそうですわ。
「折角頂きましたけれども、特にこれといって今使うあてはありませんわね」
帰ったら、家の薬箱の中にでも入れておきましょう。
次の日の朝。
「おはようございますッス、お嬢様……」
ワタクシの部屋にやって来たマリーは、なんだか具合が悪そうですわ。
足取りもおぼつきませんし、顔も真っ赤ですわ。
おでこに触れて確かめると。
「まぁ、すごい熱ですわ! 風邪を引いていますわよマリー! 今日はお仕事はいいですから、しっかり寝て休んでくださいまし!」
「申し訳ないッス、お嬢様……」
今日はモンスターさんを食べに出かけるのは諦めて、マリーの看病をすることにしますわ。
「マリー、薬箱を枕元に置いておきますから必要なものはここから取って下さいまし。ワタクシはハチミツレモンを用意してきますわ」
と言ってワタクシがキッチンで不慣れな作業をしていたとき。
「治ったッス~!」
元気な声を上げながらマリーが走って来ましたわ。
「なにをしていますのマリー!? 寝てないといけませんわよ!」
「それがお嬢様、本当に治ったッスよ! 熱も頭の痛みも全然無いッス!」
マリーのおでこ触ると、確かにさっきまでの熱さがウソのようですわ。顔色もよくなっていますわ。
「なんでこんなすぐに治りましたの?」
「お嬢様が持ってきてくれた薬箱の中にあった、この変わった色の回復ポーションが効いたッス!」
そう言ってマリーが見せてくれたのは、エリクサーのビン。そういえば昨日、帰ってきてから薬箱の中にしまったような気がしますわ。
「この回復ポーションを一口飲んだら、あっという間に身体が良くなったッス! それどころか、肩凝りとかも治って風邪引く前よりも元気なくらいッス!」
エリクサー、噂に違わぬ凄い効き目ですわ。
「それに、この変な色の回復ポーション凄く美味しかったッス!」
美味しかったですって……!?
「甘くて、口の中でシュワシュワってはじける感覚がして、なんだか美味く説明できないけど凄く美味しいッス!」
マリーの持っているビンには、まだ1口ほどエリクサーが残っていますわ。
「マリー、そのビンを下さる?」
ワタクシは少し残っているエリクサーのビンを受け取って。
飲みましたわ。
「これは……!」
なんっっって美味しいのでしょう!
ハチミツのような濃厚な甘さと果物系の風味。そして頭から足先まで突き抜けるような清涼感! 体の中の悪いものがごっそりと洗い流されるような気分ですわ!
「ああ、もう飲みきってしまいましたわ……」
世の中にこんなに美味しい飲み物があっただなんて。ワタクシ、知りませんでしたわ!。
「もっと、もっと飲みたいですわ……!」
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