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第80話　パーティー結成ですわ！

書籍版第1巻が、2023年8月2日発売となりました！

ページ最下部のバナーから公式サイトに飛べます！

書籍では『現代パロディで、お嬢様から一転して庶民になったシャーロットが回転寿司を訪れてカルチャーショックを受ける話』を書き下ろしています！

イラストを手がけてくださっているのは有都あらゆる先生！　シャーロット達をすっごくかわいく描いてくださいました！

デフォルメイラストももう最高に可愛くて……！！　下の公式サイトの試し読みからも口絵と一部挿絵観れますので、是非観てください！　本当に最高です！

メロンブックス様とゲーマーズ様では、特典として書き下ろしイラストとSSが付きます！

・メロンブックス様特典SS：『古代魚サカバンバスピスを食べますわ』

・ゲーマーズ様：『マリーの１週間　～お嬢様がいなくて寂しいッス～』

・また、電子版でも書き下ろし特典SSが付属します！

『シャーロットの現代日本庶民グルメライフ（遊園地編）』

是非お買い求めください！

宜しくお願いします！

「かんぱ〜い！」

　ワタクシとユクシーさんは、祝勝会を上げていますわ。

　場所はワタクシの街。

　少し奮発して、前から気になっていた平民が入れる中では一番高いクラスのレストランでディナーを食べていますわ。

　なんとユクシーさんも、最近妹さんのリハビリが受けられる病院を探してこの街に引っ越してきたのだそう。妹想いのいいお姉さんですわ。

　ちなみに今回のワイバーン討伐クエストの報酬は、

「シャーロットさんの分のクエスト報酬は、受付嬢さんに預かってもらってるからね」

　とのことですわ。

　レストラン“冒険者ギルド”の報酬ということは、きっとお食事券か何かでしょう。

　気が向いた時に受け取りに行きますわ。

「シャーロットお姉さんの力がなかったら、絶対にワイバーンは倒せなかったよ。本当にありがとうね、シャーロットお姉さん」

「それはワタクシも同じですわ。ユクシーさんの罠がなければワイバーンさんには逃げられてしまいましたもの。それに、火を起こしてくれたりしてとっても快適な旅ができましたわ。できれば、これからもずっと一緒にモンスターさんを狩りにきて欲しいくらいに」

「シャーロットさん、もしかしてそれって……冒険者パーティー結成の誘い？」

「冒険者パーティー？」

　なんだか楽しそうな名前ですわね。

「一緒にモンスターを狩りにいくチームのことだよ」

「まぁ、それは素敵ですわ。ユクシーさん、ワタクシとパーティーを組んでくださいます？」

　ワタクシが提案すると、ユクシーさんは顔を輝かせて。

「よろしくね、シャーロットお姉さん！」

　と元気いっぱいに応えてくださいましたわ。

「では改めて。パーティー結成を祝して」

「「カンパーイ！！」」

　改めて、喜びを分かち合いますわ。

　ユクシーさんと一緒の旅なら、きっと楽しくなるはずですわ。

「シャーロットお姉さんの魔法と私のサバイバル能力があれば何でもできるね！早速だけど、パーティーの活動方針はどうしよう？　シャーロットさんは、何がしたい？」

「ワタクシには、

・虫モンスターさん

・ネズミなどの雑菌を持っている可能性が高い不潔なモンスターさん

・人型モンスターさん

・人の言葉を喋る知性あるモンスターさん

・無機物モンスターさん

を除いて、“この大陸のモンスターを全て食べる”という夢があるのですわ。ユクシーさんには、何か目標はありますの？」

「あるよ。私はね……たくさんこの国に、アウゼス殿下に税金を納めたいんだ」

　ユクシーさん、熱い瞳で語り始めましたわ。

　そういえば、ユクシーさんは殿下の大ファンでしたわね。

「税金、ですの？」

「うん。買い物したり大きい家を持つと税金を殿下に貢げるんだ。いっぱいお金を使って殿下に貢ぐんだ♪」

　変わった夢ですわね……

「私ね、この国で一番納税するために、国で一番のお金持ちになることが夢なんだ！」

　急にありきたりな夢になりましたわ。

「それにね、来月殿下の凱旋イベントがあるんだ。特等席チケットも買わないといけないし。もちろん、今はエレナがまだ入院中だからそのお金も稼がないといけないけどね。私、自分の食費は何回か殿下グッズに使い込んじゃったけど、エレナの治療代だけは手をつけたことがないんだ」

「自分の食費も削ってはいけませんわよ……？」

「というわけで、早速新しいクエストを受けようよ！」

　ユクシーさん、元気いっぱいに提案してくださいますわ。

「おすすめはありますの？」

「クエストはね、結構受注が難しいんだ」

「難しい？　ただ倒したいモンスターさんを選ぶだけではありませんの？」

　ワタクシが聞くと、ユクシーさんは首を横に振りますわ。

「そうでも無いんだ。どのモンスターに遭遇できるかは運が絡むからね。基本的に、メインターゲットのモンスター1種類を選んで、その近くに棲んでいるモンスターの中から実力にあったものを2、3種類選ぶのがセオリーかな。全部こなすんじゃなくて、クリアできなかった物は違約金を払うつもりで多めに受けておくのがポイントなんだ」

　なるほど。意外と奥が深いですのね……

「私はクエストを受け慣れてるから、クエスト受注関連の仕事は任せて欲しいな。シャーロットお姉さん、何かメインにしたいクエストはある？」

「そうですわね、考えておきますわ」

　悩みますわね。

　ワイバーンはガッツリ系のお肉でしたので、野菜系や魚系モンスターさんを食べたいところ……。

　と、普通は思うのでしょうが。ワタクシ連続でお肉でも全然行けるのですわ。

「何にしようか。迷いますわ～」

　その時、ワタクシはレストラン店内にあるポスターを見かけますわ。

「話は変わりますけどユクシーさん、このお店の期間限定スイーツはご存じです？」

　ワタクシはポスターを指さしますわ。

「氷結果実のパフェ。ある森の奥地でしか取れない珍しい果物“氷結果実”を使ったとても美味しくて有名なスイーツなのですわ。毎年予約が殺到して、遠くの街からも食べにくる人が沢山居るらしいですの。発売開始まであと少し。ワタクシ、何としても食べたいのですわ。ユクシーさん、今度良ければ一緒にあのスイーツ食べにきませんこと？　凄く美味しーー」

「申し訳ありません、今年は氷結果実のパフェは取り扱いが無くなりました」

　声をかけてきたのは、通りかかった店長らしき方ですわ。

「……いま、何とおっしゃいましたの？」

「残念ながら、今年は氷結果実のパフェは中止なのです。最近、ダンジョンの中にある氷結果実の群生地がモンスターに荒らされまして、氷結果実が入荷出来ないのです」

　店長さんは悲しそうな背中で貼り紙を剥がしますわ。

「他にも群生地があるという噂なので、買い取り募集を出してはいるのですが……難易度が高いので、採ってきて下さる方はいないでしょう」

　店長さんは、悲しげに去っていきましたわ。

「ユクシーさん、ワタクシ、やりたいことができましたわ」

　テーブルの下で拳を握りますわ。

「ワタクシ、何としても氷結果実を採りにいきますわ！」

「さんせーい！　氷結果実は高く売れるから、新しい群生地を見つけたら沢山お金がもらえるよ!」

　こうしてワタクシ達は、氷結果実の群生地を目指すことに決めたのですわ。

【※大事なお知らせ※】